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2024年1月24日(水)【ふくしまぐらし 22日目 】珠玉のイタリアンAoyagi、haccobaのクラフトサケ

この日は楽しみにしていたAoyagiさんへ。
福島駅東口の繁華街の路地裏に佇む、完全予約制イタリアン。

公式ホームページの予約フォームから1週間ほど前にご連絡。
候補日を3つほど記載して送ったのですが、第二候補日でOKとのこと。
一個しか書かなかったら予約取れなかったぜ、ふーあぶね。
予約のメール対応ですでに誠実な雰囲気を受けて好印象。
そういうとこ、出るよねw

Aoyagi
https://aoyagi0528.jp/

福島県を中心に、東北食材を使ってテロワールを感じられるようなお食事をいただけるようです。
コースは7,500円、10,000円、12,500円の3つ。
松竹梅方式ですね。
いかにも日本人らしく、竹(10,000円)を事前オーダー。

着席すると、きれいな装丁の本日のメニューが。

食材がかかれているスタイル。

concept

「作り手の想いを感じる食材・ワイン・空間」
イタリア-プーリア州で感じた” カンパニリズモ(郷土愛)をベースに
ここでしか、自分たちにしかできない表現を目指します。
福島を中心に、東北各地から届く季節の食材をお楽しみ頂ければ幸いです。

https://aoyagi0528.jp/

ホームページにも記載されていたコンセプトがここにも書かれていましたね。
カンパニリズモ、感じさせていただきましょう。

緊張の一皿目。

左に寄っていくスタイル

麗山高原豚 / ラディッキオ

いわゆるパテドカンパーニュ的な。
ごろっとした木の実が入っていて食感が嬉しい。
仕上がりはかなり硬めです。

hazyだいすき人間に刺さる

初手、イエロービアワークスさんのWalking Flowerで合わせていく。
いかにもHAZYらしい、きれいな酸味と華やかさで"一皿目の豚"と最高のスタート。

敷いていくスタイル

松川カレイ / 黒米 / 唐墨 / マイクロリーフ

写真だと見づらいんですが、下に硬めに炊いた黒米が敷かれていて
カレイのカルパッチョ的なものと同時にすくっていただく感じです。
黒米の食感がとても良い。
からすみが比較的味わいのウェイトを占めていて、磯を感じる作りです。

トレジャーフロムネイチャーさん様々

ここからはペアリングでお願いしてみます。
プーリアのシャルドネ、フィアーノ。
からすみが強いんで、ヴェルメンティーノとかアルバリーニョが欲しいなぁと思うところもあったものの、さすがペアリング。
黒米の穀物感とシャルドネの果実感が見事に合う。すごい・・・。

添えていくスタイル。

鮑 / 青海苔 / 蕪 / 長葱

スープ。
鮑がこれでもかってくらいの量入ってる。
金額、合ってますか・・・?
鮑をミルク系のソースでもりもり食べる皿、といっても過言ではない量w
味わいのベースは青海苔ですな。
控えめながら乾物系の磯の風味が口の中に広がる。

これと合わせるのがプーリアのグレコ。
最高・・・・・!
最近のマイブームなんですよね、グレコ。
日本食、特に魚介と恐ろしく合うんで、日本でもっと流行っていい品種だと思います。

丸まっていくスタイル。

槍烏賊 / ジャガイモ / カリフラワー

本日のNo.1皿。
合わせていただいたシチリアのカタラットとの相性も完全なNo.1です。
南国系フルーツと石灰が同居する味わい。
そこにイカと芋ですよ。
合うんです、合うの、ほんとにw
カリフラワーはどっちかっていうと食感かなぁ。
やや甘く、酸味のあるソース、これなんていうんだっけ。
教えて詳しい人。

ぱりっとしていくスタイル

真鱈 / ユキチカラ / にいだのサケユキ

また登場、仁井田本家さん。
さけゆきってのは酒粕のようです。
上に載っている葉っぱがちょっとピリッとするような、苦いような味でとても良いアクセントに。
ペアリングワインはここでなんとフランス・ロワールのロゼ。
おそらくガメイ100%。
(調べろよ、って話なんですが。横着者にして。)
うむ、真鱈の優しさ、柔らかさにはちょっと強い気もしますが、葉っぱが入ると良い感じ。
ペアリングってのは皿全体とするものなんですねぇ。学び。

引きで見ると麻婆豆腐みたい

伊勢海老 / パッケリ

ここでパスタがきます。
太い筒状のパスタ、パッケリに濃厚な伊勢海老のソースが絡む。
合わせるのは、プーリアのプリミティーボ。
まじ!?エビの味、死ぬじゃろ!?
と危惧するも、全くの杞憂。
というか、海老のソースが思ってる3倍は濃厚w
この葉っぱ、チーマディラーパだったと思うんだけど、
やや苦味系でこれがプリミティーボの濃さと合う。

チロ、絶対買い漁る。

メルティーシープ

トリは羊さんでした。めぇ~。
柔らかしっとり系の仕上げ。
対するは、ガリオッポ。
いや、ちょっと全然知識のない品種出てきたw
飲んだ瞬間にワイン仲間に送っている私のメッセージによると

ナツメとか白いお花みたいな華やかさと、しっかりしたボディーが両立してて なにこの子いいじゃん!ってなってる

だそうですw語彙力の崩壊。
酔いすぎよ、おばちゃん。

その返答、ワインの変態によると

チロはガリオッポを代表する原産地呼称、イタリア南部のカラブリア州(足に例えたときのつま先にあたる場所)にあって
エリア的には唐辛子の栽培が有名。

色々なスパイスとお花、物によってはししとうの香りもあり
タンニン、収斂性ははあるが細やかで、エトナロッソ(ネレッロマスカレーゼ)にキャラクターが似ている。

とのことで、たしかにネレッロ・マスカレーゼ感、ある。
この羊ちゃんが比較的癖のない味わいなので、きれいな、華やかな赤で合わせたんだろうな、と予想。
プリミティーボからここに戻ってくるのが、出来の良いCDアルバムみたいでとても心地よいです。

き、き、き、キターーーーーー!

檸檬 / ささき牛乳リコッタチーズ

実は甘いもの全般苦手なのです・・・。
そのため、スイーツのレビューは下手くそ。
甘い、甘くない。くらいしか感想のでないクソ語彙力。

どっちかっていうとそんなに甘くないと思います。
〜 完 〜

ってわけにもいかない、と思ったらすごいお酒がペアリングでサーブされました。
haccobaさんのKind of Malty。
COEDOビールさんとのコラボで生まれたお酒のようですね。

Kind of Malty

COEDOさんの「伽羅-Kyara-」というビールをモチーフに、同じ麦芽とアロマホップを使用し、お米と一緒に発酵させています。
米麹の代わりに麦芽由来の酵素でお米を溶かすこと、さらに清酒酵母とビール酵母のハイブリット発酵というチャレンジです。

https://haccoba.com/products/kind-of-malty

これはすごいです。
日本酒とビールのいいとこ取り。
日本酒がベースでありながら、たしかに感じるホップと麦芽の味わい。
今回はなんとスイーツとのコラボでしたが、和食であればお食事全般いけちゃいそう。
ハイブリッド感でいうと、ウイスキーとそばの実を合わせたハイボールを飲んだときの感動と近い。

haccobaさん、とても気になっていたんですが生産数が多くなくて買えないんですよね。
思いがけずAoyagiさんで飲めて大満足でございました。
※ 後日注記:よく思い出したら、Aoyagiさんを知ったきっかけが、haccobaさんのhaccobaを飲めるお店、買えるお店という記事だった気もします。出会いは必然だったw

ラストはエミリア=ロマーニャのグラッパDistinaで〆て、終了です。
これもアルコール臭が立っていない、繊細な味わいでよかった。

こちらのAoyagiさんは関東、東京からでも行く価値のある店です。
食事、ペアリング、雰囲気、接客、コスパ、すべてを通じてカンパニリズモを存分に感じられます。
観光で福島・東北に行くのであればぜひ。

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