現在準備中の出版事業について

 年内にクラウドファンディングによる支援を募り、来年の3月を目標として出版社『㈱想実堂出版』を設立します。そこで新しいビジネスモデルを軸とした商業出版サイト『TEAPOT』を始める予定です。(※社名・サイト名は未だ検討中)
 このプロジェクトは『全ての作者が商業作家になれる』という革命的な出版事業です。
 初めは小説やライトノベルといった文章コンテンツに限定したものですが、その後にブログまとめ等の書き物から、ゆくゆくは漫画やイラスト集などにも幅を拡げていきたいと考えています。

【対象は全ての作者、全ての作品】

 出版するにあたり、書籍化実績やコンテスト受賞歴などは一切必要ありません
 むしろ趣味で執筆されている方、既存の小説投稿サイトなどで公開されている作品で、「書籍化したい」という意志や「書籍化して欲しい」という意見があるにも関わらず、それが実現できずにいる作者や作品こそが、弊社での出版対象となります。
 ※但し著作権のうち商業利用等に関わる権利を、著者自身が保有している場合に限ります。

 つまり、

 ・小説投稿サイト(小説家になろう、カクヨム、エブリスタ、ノベルアップ、アルファポリス、セルバンテス、マグネットなど)で執筆されている
 ・電子書籍のみで個人出版している
 ・書籍化したものの打ち切りになった作品の続きを出したい

 上記のいずれかに当てはまる方に活用して頂きたいと思っております。

【経緯】

 現在書店に並べられている本、つまり書籍化された作品というのは、様々なふるいにかけられ長い道のりを経て出てきた物だけです。そしてその取捨選択の基準には、「今の流行と違うから」「面白いけど売れるかわからないから」といった出版社の都合があります。
 確かに商業的に見れば、売りやすい作品を選りすぐるのは正しいことでしょう。しかしその都合によって、大きな可能性を秘めているにも関わらず、日の目を浴びぬまま消えていく作者・作品が存在しているというのは、非常に残念なことではないでしょうか。
 それが文学界にとって大きな損失であることは間違いなく、私個人としても実に勿体無いと思うのです。そこで私は考えました。

「だったらいっそ、全て書籍化するべきだろう」

 自費出版では敷居が高いのであれば、業界の都合で叶わぬ夢になってしまうのなら、『世に出るべき全ての作品を出版できる仕組み』を私が作ろう。読者の多少に関わらず、読みたい人の許へ本を届けよう。そうすればその中から、世界にも通用する大作が生まれるかもしれない。
 その想いがこのプロジェクト始動のきっかけとなりました。

【書籍化までの流れ】

 出版サイト『TEAPOT』における書籍とは『紙の本』を指します。しかし執筆〜出版に至る構造は既存の出版社とは大きく異なる為、その大まかな流れをご説明しておきます。

 ①TEAPOTのアカウントは作者と読者に分かれており、作者として登録することでサイト内での原稿入力が可能になります。
 ※いわゆる小説投稿サイトと似ていますが、ここでの作業は実際に印刷される本の組版を作成するためのもので、読者が閲覧するためのものではありません。
 ※作者アカウント登録にはサイト使用料(月額100円程度)がかかります。読者アカウントは無料です。

 ②原稿を完成させたら、作者はそれを販売書籍として登録します。するとその本が『購入待ち書籍』としてサイトにアップされ、読者アカウントからは本の情報(ジャンル・タイトル・表紙・ページ数など)の確認や購入が可能な状態となります。

 ③サイト内に並んだ書籍から、読者が購入する作品を選ぶと『購入待ち書籍』は『購入希望中』に変わり、購入を希望している人数が表示されるようになります。24時間毎にこれを集計し、希望者数が一定数を上回るとその作品の印刷・製本が開始され、購入者へと発送される仕組みです。
 ※購入希望者数が条件に満たない場合は、翌24時間の集計に持ち越されます。
 ※印刷開始から商品のお届けまでは1週間程度かかります。

【販売される本について】

 出版される本は書店に並ぶ他の書籍と変わらない品質であり、ISBNやJANコードも弊社で取得して登録されます。つまり完全な商業出版物として扱われることになります。
 大きさはB6判を基準とした新書サイズ(文庫本よりひと回り大きい)で、グロスPP加工されたカバーが付きます。そこに写真やイラストが必要であれば弊社からイラストレーターさんに依頼しますが、この場合は買い切りではなく画に対する印税が発生します。
 価格は上代(一般的な小売価格)で1,500円以下を目指してしています。これについては多少高く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、極少部数からの出版を前提とすれば、この値段は破格であると云えます。
 そしてその上で、著者へ支払われる印税は20%以上(超大物作家レベル)という、出版業界では極めて高い利率を予定しています。

【FAQ】

●なんで紙? 電子書籍ではダメなの?
 読書という行為は、本の重みや厚さや質感、ページに配置された文字の位置など、文字そのもの以外の様々な知覚情報を無意識に取り込んで行われています。
 しかし電子書籍ではこれらが得られないため『触覚的不協和』を引き起こし、「読書している感覚が薄い」「何故か頭に入らない」という状態に陥ることがあります。
 勿論、電子書籍向きのコンテンツもありますが、小説などの文芸作品を腰を据えて読む場合には「紙の本が向いている」と私は思いますし、それに共感される方も多いのではないでしょうか。

●わざわざ出版社を立ち上げる理由は?
 商業出版することで、執筆されている方に堂々と「作家である」と名乗ってもらいたいのです。自信を持って執筆に臨むことで、より良い発想や作品が生まれると信じております。
 また販売に関わる手続き(クレジット決済など)は法人でないと認められません。同様に印刷製本業者さんとの取引も、法人としての信用を得ることで原価低減にご協力頂いています。

●自費出版やクラウド出版との違いは?
 自費出版というのは『著者が自分で作って自分で買う』システムです。つまり本を主体に考えると『著者=購入者』であり、『出版社=販売者』という図式になります。しかも著者の負担費用が数十万円を超えることはザラです。
 一方、商業出版とは『出版社が作って読者が買う』システム。ここにおいて著者は勿論『販売者』側で『購入者』となるのは読者さんです。誰もが知る一般的な本の流通は、これだと思います。勿論著者が出版費用を負担することもありません。
 またクラウドファンディングを利用した出版、いわゆる『クラウド出版』というものがあります。しかしファンディングはあくまで資金調達のみであり、そこから先は前述の自費出版と同じです。
 つまり「なんとかお金を集めて書籍化!」となってたとしても、それは往々にして著者の収入とはならないのです。

●他にも無料出版サービスがあるけど?
 実はオンデマンド出版サービス(POD)というのは既に存在しています。しかしこれは著者から見たときにビジネスと成り得るでしょうか。
 私個人の答えとしては「かなり難しい」です。その理由は単純で、肝心の本の売価が高過ぎるからです。
 既存のサービスを利用して300ページ程度の小説を書籍化すると、その単価は3,000円から装丁によっては5,000円にもなります。
 確かに無料で出版できるのは書籍化を望む著者にとってメリットですが、その代わり「高過ぎて売れない(=読者の手に届かない)」のであれば、そもそも書籍化する意味がありません。

●なんで良い物を安く作れるの?
 事前に私自身が色々な印刷・製本業者を回り、趣旨を説明してご協力頂ける会社様を見つけております。そこで少部数でも効率良く比較的安価に造本できる方法(これに関しては企業秘密)を考案しました。
 また共同購入形式による最低部数の確保、オンデマンドの造本による在庫リスクの解消、サイトシステムと印刷機械の連携、作者自身が執筆と同時に編集・校閲・組版を行うことで、通常発生する中間費用も全てカットしています。
 加えて会社及びサイト運営費を作者登録料(月額100円程度)で賄うものとし、その分書籍売上からの出版社取り分を低く設定するこで、販売価格を可能な限り安くしています。

【TEAPOTの特徴まとめ】

 ・誰でも無料で作品を書籍化できる
 ・書籍は全て商業出版扱い
 ・読者の購入に応じて造本される
 ・印税は20%以上を保証

〜 作者・読者の皆様へ 〜
 既にサイト制作会社、印刷・製本工場との打ち合わせは進んでいます。その上でモデルとしての実現可能性は充分にあると考えております。
 ファンディングは12月初旬の開始を予定しておりますが、それまで皆様からのご要望などを取り入れたいとも思っておりますので、是非ともご支援ご助力をお願い申し上げます。
 書籍化を目指す作家様、お気に入りの作品を本で読みたい読者様、出版業界に新たな風を吹かせたい有志の方々、この革命にはアナタの力が必要です。
(芳蓮蔵)

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