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雑な北海道一周。最終日 #246

釧路は今日が最終日。
その後帯広に行って知人に会い、その後富良野に行くか?というスケジュール。
(結果的には富良野へは行かずに、そのまま札幌に帰ってきた)
 
朝起きてゲストハウス1Fのダイニングに行くと、高齢の女性が、オーナーと一緒にごはんを食べていたのでその会話に混ざってきた。
 
聞けば彼女は昔、学生運動に参加していた経験もあるからか、とても芯のしっかりした会話をされる人で、「本当に70代・・?」と思うほど。
同じ70代でも、「東京は悪人が多いから、騙されないように気をつけなさい」と言う、わたしの母親とは対照的なくらい、中身の詰まった人だった。
 
オーナーも、それからこの女性もそうだが、学生運動に関わっていた人達は、何故こうもみな芯がしっかりしている人が多いのだろうか(思想に賛同できるかどうかは別として)
 
おばあちゃんと呼んでも全く問題のない年齢であるはずだが、知識、経験の量、見ている視野の広さなど、わたしは彼女の会話のレベルについていくのがやっとだった。
彼女曰く、オーナーは、「話しても議論にならない」んだそう。確かに、オーナーよりも彼女の方が言葉もしっかりしているし、一枚も二枚も上手なのだろうなとは思った。学生運動もそうだが、海外も旅をして、いろいろ経験を積んだらしい。
 
会話の中で、わたしは彼女に対して質問が出来たこともあったが、大体は話についていくのがやっとだった。
 
そういえば、釧路市中央図書館は3・4階には行けたけど、5階以降には時間が足りずに行けなかった。
今度機会があれば行ってみよう。あの図書館は本当に素敵。
 
そして釧路を離れて、以前からお世話になっている人に初めてリアルでお会いしに行った。超感動した。
加えて、札幌名産のクッキーを手土産として渡すということを行った。(買ったのは釧路駅笑)
誰かにお土産を渡すということを、初めて行ったかもしれないわたしは、とってもとってもえらい。
 
4時間という短い滞在時間ではあったけれど、まとまらない自分の考えを聞いてもらったり、疑問に思っていることについて。補助線を引いてもらったり、また以前から思っていた「地元で本屋+コワーキングスペースみたいなのが開けたらいいなぁ」について、いろいろアドバイスをもらった。というか、気が付いたら、自分の構想にアドバイスをもらう場になっていた。
 
すげー。めっちゃすげー。っていう感じ。
よくわからんけど、すげー。
 
頭が良いとはああいうことを言うのだろうな、という感想。
なんというか、積んでいるエンジンがそもそも違う感じ。
 
そもそも今日は、富良野で宿泊して明日は、旭川か滝川から特急に乗って札幌に帰って、終了っていうプランだったんだけど、これだけ人と話すことが出来ればなんだかもう満足してしまった自分がおりまして。
 
不足しがちな会話欲が満たされたというよりは、「ああ、自分ってこんなに自分の思いを言語化できるようになったんだ。えらいね」という部分にとても満足してしまった訳です。
 
そのまま札幌へ帰ることにしました。
ちゃんちゃん。富良野、美瑛はまた今度な。
 
今、自分が発する言葉というものは、まだまだつたない部分も多いのかもしれないが、実はこれでも十分すぎる成長でして、数年前はこれすらも出来なかった。
 
これは今日の朝、学生運動をしていたおばちゃんにも似たようなことを話していて。
以前は自分の意見も持つことが出来なかったし(考えようにも、意見が思い浮かばない)、相手に質問をすることも出来なかったし(そもそも質問自体が浮かばなかった)、相手と議論というか会話をすることも出来なかったのだけど、今はおぼろげながらそれが出来るようになってきているので、本当にえらいと思っている。
 
「本を読み、人に会い、旅に出よう」というのは、文藝春秋社の社長の言葉らしい。

 
わたしは本を読むところからスタートして、次に仮想世界で人と交流し、そこで自己肯定感を高めて旅に出て、そしてリアルな人達と会った。そしてさらに読書をして、人に会う・・という感じ。
みなさんとは順番が違うのかもしれないが、それでも結果的にこの3つを埋める(回す)ことによって、当初よりも幅広い視野、知見、経験を手に入れられているような気がする。
 
最近、文章を書くにしても自分なりに質の高い言葉を選択できるようになった気がするし、読書をするにも、以前よりも点と点が線で繋がるような感覚が強い。
 
この6日間では10人以上とお話しすることが出来、いろいろな価値観、世界を知ることが出来た。
また同じ北海道内とは言えども、これまで行ったことのない土地に、初めて足を踏み入れることで、「札幌から遠い町は、何もない田舎である」という思い込みを消すことも出来た。
稚内、釧路などの港町は地元にも似ているとても素敵な街で、また訪れたいなと思うほどだ。
 
鉄道路線沿いということで、とてもとても雑ではあるけれど、北海道を一周したことによって、ようやく「北海道のことを何となく知っている北海道民」になれた気がする。うれしい。
 
またいつかどこかに行きましょう。
旅中遊んでくれたみなさん。ありがとう。

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