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昭和42年男のカルチャー日誌

2023年12月13日(水)、3ケ月毎の定期健診のため、休暇取得し、通院後、テアトル新宿で「市子」鑑賞。正直、予想通りの箇所もありましたが、杉咲花の役者としての凄みを浴びる作品でした。
日本の失われた30年間に翻弄された人々の怨嗟がそこかしこに感じられる秀作です。昭和の家長性は全く容認しませんが、家族が家族として成立していた時代(女性に過分な負荷がかかってたと思いますが)から平成に入り、家族の体すら成さなくなった人達が確かに増えたのだと思います。市子の日常を辿っていくと、日本社会が将来に向かって、この歪みを正すことは正直不可能かと暗澹たる思いがします。
軽薄な社会正義をかざすのは本意ではないので、この辺にしておきますが、「ゴジラ-1.0」が甘いチェリーコークとすると、「市子」は喉越しの悪~い苦い濃茶って感じでしょうか?
平日昼間でしたが、結構な観客数でした。是非是非、スクリーンで「市子の生き様」浴びて下さい。

2023年12月9日(土)さいたま国際芸術祭参加した後、埼京線で大宮から一気に新宿まで移動し「ナポレオン」を鑑賞。

リドリー・スコットが「歴史的英雄なんぞ、単なるマザコン・〇ソ野郎じゃん(笑)」って悪意まる出して作った秀作だと思いました。
正直、前半ちょっと睡魔に襲われる箇所もありましたが、彼がジョセフィーヌに絡めとられた頃から、一気に楽しめました。
ダヴィッドが描いた「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠」シーンは彼の作品をキッチリ意識した映像演出になってました。

後半のナポレオンの髪型は、もう少し薄くしてほしかったです。
「市子」も「ナポレオン」も劇場鑑賞がお薦めです。



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