そしてあの子は静かに力尽きた。16歳の若さで。

私は、その子が自死したという知らせを聞いた。
そして、それ以外のことは何も。
ひとつの歯車でしかない私は、それ以上の情報など、誰も知らせる必要も無く、聞く権利も無いのだった。

だから私にとってあの子は静かに、力尽きて亡くなったということなのだ。
ああ、どうしようも、なかったのかしら。
身近な家族、主治医、周りの大人、情報を知る立場にある者たちのみ、長い長い苦闘が見えても。

だけど、このことは、私がこうして毎日を、そして人生をもついやしている仕事と、ちっとも関係ないのだろうか?
今の学校が、今の子供にとって、大きな大きな違和感の場所でもありうる、そう思う私である。

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