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モチベーションと行動

日常の行動や仕事などの取組みにおいて、モチベーションの重要性がしばし注目されることがあります。行動や取り組みにおいて達成することや継続するためには、モチベーションの高さが不可欠であるかのような風潮があります。実は、モチベーションの高さと行動は、直接的な関係を持っていません。モチベーションと行動の関係性を理解するためには、まずはモチベーションが何かということを理解する必要があります。


モチベーションは感情に根差している心理状態である

モチベーションの浮き沈みを経験した人は少なくないでしょう。特に何かに取り組んでいたとき、突然の障害や予期せぬストレスを感じたとき、急にやる気がなくなった経験は誰しもあるのではないでしょうか。

これは、モチベーションが感情に根差しているからです。感情は合理的な判断には依存していないため、何かしらの障害があると即座にその出来事に対して感情が変化します。そのため、継続したモチベーションを意図的に維持することは、ほとんどの場合において困難なのです。

これは、感情の持つ変動性、非合理性、最大化の性質が要因となります。

変動性:感情は一貫性がなく、外部の影響によって簡単に変わることがあります。その日の気分や周囲の環境、身体的な状態、その日の天気などによってモチベーションは大きく変動します。

非合理性:感情は合理的な思考や長期的な計画よりも、短期的な欲求や直感に影響されやすいです。このため、感情に基づくモチベーションは瞬間的な刺激に強く反応しやすいものの、長期的な目標や計画に対しては持続しづらい性質があります。

感情の最大化:感情はしばしば事態を誇張して捉えるため、小さな障害や失敗を大きな問題として感じることがあります。これにより、挫折感や自己批判が高まり、モチベーションの維持が難しくなることもあります。

たとえば、仕事において締め切りが迫っているにもかかわらず、その日の気分や周囲の雑音、不安定な天候などによって作業への集中力が散漫になることがあります。逆に、好きな音楽を聴きながら作業をすることで、気分が上がり、モチベーションも向上するケースもあります。

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