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デザイナーが上流工程から開発に参加することで、いろんな人が少し幸せになった話

こんにちは、ゆうりです。今の会社に入社して3年経ちました!(と言いつつもうすぐ3年半を迎えようとしている…早い…)
キリもよいので色々と振り返ったり整理したりしていく中で、ついでに片っ端から発信していくぞ!ついでに内容に共感したり、この手の話したい!という仲間を増やすぞ!ということで頑張っていきます\(^o^)/

はじまり

クライアントの「作りたい」を形にするシステム開発会社(いわゆるクライアントワーク)に、3年ほど前、社内の一人目デザイナーとして入社しました。
基本的には「作りたいもの」がすでにあるクライアントが、「こういうものを作りたいんです」とお問い合わせしてくださるケースが多いです。

社内にいるデザイナーとまず何をどんな風にコラボしたら良いか分からない、開発に参加してもらうとして、いつどのようにデザイナーを巻き込んで行けば良いか分からない。でもコラボしたいんだよ!そんな声をもらうところから旅は始まりました。

一旦これが良さそう

3年間を通して様々なクライアントと様々なプロジェクトで試行錯誤し、あちこちで学びを得てきました。まだまだ試行錯誤の真っ只中ですが、ここまでの軌跡を備忘録も兼ねて一旦まとめてみようと思います。

余談ですが、そもそも上流工程に参加させてもらうまでの過程にも色々と試行錯誤を繰り返して取り組んだので、それについても別の記事で発信してみたいなと思う今日この頃です。

入社当時

まずは私の入社当時、よくあった開発工程の流れについて軽くお伝えします。(社内には様々なプロジェクト進行例があり、あくまでも一例です!)

従来のプロジェクトの流れ (一例)

プロジェクトメンバーは基本的にはエンジニアのみ、という布陣が多かったので、仕様定義の段階でなんとなくメインの画面のイメージを作成してお客さんに説明をし、実際のUIは開発と同時に検討しながら組み上げていく流れでした。

エンジニアだけとはいえユーザビリティに対する意識がとても高いメンバーが多く、この流れでももちろん良かったのですが、とはいえいくつか改善の余地もありました。

  • テストチームによるテストの時点で仕様や画面の考慮漏れが発覚する

  • 開発メンバー以外の目線でのUIの分かりづらさが発覚する

  • 構築がほぼ終わったタイミングでデザイナーにUIのブラッシュアップを依頼してもらっても、ほぼ構築も終わっている+納期が迫っているのでできることが限られてしまう

  • 完成した画面をクライアントに見せたタイミングで、「実はこうできると思っていた」などの認識の齟齬が発覚する

テストチームに確認してもらう段階というのはほとんど開発も終わっている状態なので、そのタイミングで仕様や画面の考慮漏れ、UIの改善を行うのは手戻りがちょっと大きめです。

完成した画面をクライアントに見せたタイミングで認識の齟齬が発覚する、この操作もできると思っていた、といった話になってしまう点に関しては、以下のような課題もあったと思います。

  • 同じ言葉を使って認識合わせをしたと思っていても、エンジニアの頭に浮かんでいる景色と、お客さんの頭に浮かんでいる景色が違う

  • お客さんとしては「実際にこれを操作してください」という具体的な画面を見て初めて利用するイメージが湧き、そこでようやく要望や仕様に対する意見が言える

これも誰が悪いというわけではなく、言葉だけで複雑なシステムの認識の齟齬をなくすのがとても難易度の高いチャレンジな気がする…ということでデザイナーの出番です!

変わったあと

デザイナーを上流工程から参加させてもらった流れ (一例)

クライアントから「こういうの作りたいんだよね〜」とご相談をもらったタイミングで、デザイナーを召喚してもらうようにしました。

具体的にいうと、クライアントからのご要望をできるだけ早い段階で具体的なワイヤーフレームに落とし込み、そのワイヤーフレームをエンジニア・デザイナー・クライアント全員で見ながら「実際にどういった操作が行えると良いのか、このシステムを使って何ができると良いのか」を一つ一つワイヤーフレームの横に仕様メモとして落とし込んで行きます。

このフェーズでの認識のすり合わせで重視したいことは、これから作ろうとしているシステムをできるだけ具体的にイメージしてもらうこと、その上でこのシステムを通して実現したいことが叶えられそうかを細かく確認してもらうことです。

ちなみに、私の場合はクライアントから要望の詳細をヒアリングするMTGから同席させてもらって、ヒアリングと同時にイメージ図を作成しながら「そうじゃない」「このイメージがやりたいことに近い」など一つずつすり合わせて行くことが多いです。要望をヒアリングするMTGを終えた時点で画面や操作イメージを含め認識がほぼ一致しているので、その後の修正・変更も減ります。

さらにちなむと、このフェーズで仕様やUIについて一度テストチームにフィードバックをもらうこともとても効果的です。これについてもまた紹介したいと思います!(私の会社のテストチームはUIに対する感度も高く、いつも学びになる指摘をたくさん挙げてくれます。感謝!)

少し幸せになれたことまとめ

クライアント

  • 作るものを決める段階でシステムのイメージが掴めるので、そのシステムを通してやりたいことが達成できるかどうか、より具体的に検討できる

  • 開発が始まる前から完成形が分かっているので、より安心できる

エンジニア

  • システムの要件に関する認識の齟齬を開発前にできるだけ減らしておくことで、テストフェーズ・お客さん確認フェーズどちらにおいても修正作業が減る

  • システム全体像を俯瞰することができるので、仕様の検討漏れに気付きやすくなる

  • 画面を実装する際に、UIも同時に検討する必要がなくなる(機能開発に集中できる)

デザイナー

  • クライアントの要望を又聞きするよりも、直接ヒアリングする方が目指す世界やクライアントが何を求めているのかということに対して解像度が上がり、結果より目指す形に近いUIを最初から提案することができる

  • 納期間近でUIをいい感じにしてとお願いを受けても、「たしかにそうした方が良いけど、もう納期も迫っているのでその変更は無理です…」というかなしみから解放される

  • 自分が加わることでお客さんや開発メンバーのエンジニアがちょっと幸せになる、という景色を見ることができる

まとめ

可視化された同じものを一緒に見ながら会話をする、自分が発する言葉を相手が同じ認識で受け取っていない可能性も常に念頭に置く、というのはプロダクト開発に関わらずコミュニケーションを取るにあたってとても大切なことだと個人的には思っています!

めちゃくちゃ余談ですが、上流工程に参加させてもらうようになったことで、よりよいプロダクトを作るために個人的にできるようになりたいことや知りたいことがどんどん増えていて、人生足りなさそうだな…?とより一層わくわくしています。お客さんを巻き込んだアジャイル開発でのデザイナーの動き方だったり、お客さんのドメイン理解や競合調査についてだったり、UXに関するリサーチだったりなどなど、どれもまだまだ試行錯誤中です。

色んなことに手を出して何もかも浅い自分は器用でもない器用貧乏になりそうだな…と不安もありつつ、今の環境でよりよいものを作るために自分にできることがある可能性があるなら、全部やりたい!でも良いのかもな…と最近思い始めました。(最後に急にポエム)

同じ内容興味あるよ!だったり、具体的にどうしてるの?な方がもしいれば、情報交換だったりあるある話で雑談したり色々お話したいので、声を掛けて頂けると嬉しいです!\(^o^)/

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