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とにかくサツガイ=サンを読む会(1)
はじめに
! 注意 !
既読前提重点
『アルター・オブ・マッポーカリプス』#10が公開されてからおおよそ1年経ちます。つまりサツガイ=サンの爆発四散?からも1年経つというわけで、要するに一周忌?です。というわけで自分なりの一周忌のお祝いとして、ニンジャスレイヤー公式=サン(@njslyr)がツイートした本編更新の中からサツガイ=サンが出てくるツイートを抜き出して眺める活動をしました。名前が出ただけのツイートを含めると多すぎるので一部省きましたがそれでも十分長くなったため、シーズン1前半、シーズン1後半、シーズン2『アルター…』以外、『アルター…』の4記事くらいになる予定です。
(追記:2020.07)今後サツガイ=サンが出たら順次継ぎ足します。
注意事項が3点あります。まずお分かりの通り、この一連の記事にはニンジャスレイヤーAoMのネタバレが含まれます。ご了承ください。
2点目に「本編更新のツイートから抜き出す」という趣旨の都合上、作者コメント等の本編ではない部分に登場するサツガイ=サンや、ニンジャスレイヤープラス記事におけるサツガイ=サンは選外です。ご了承ください。
3点目に、引用したツイートの一部には個人的な感想を添えています(全部のツイートに所見を添えるとマジで恐ろしいほど記事が長くなる気配があり、そんな余力はありませんでした)。これはあくまでも公序良俗に配慮した範囲でいち読者が適当ぬかしているだけですので、くれぐれも真に受けすぎないようお願いします。ご了承ください。なお、感想を添えているツイートには感想の前に◆を添えているので、ctrl+f活動などにご利用ください。
以下、投稿された時系列順にどんどん行きます。
予告編『スネイク・オナ・マナ・イタ』より
ファオー。高級な電子雅楽とインセンスが部屋に満ちる。オーブンからはローストビーフの焼ける香ばしい匂い。壁には「暴力的な」「奪う」「マムシ」「殺害」などのショドーがある。彼の富と美学を示すものだ。清潔なナフキンで手を拭き、携帯端末に手をのばす。IRC-SNSに調理過程写真をアップ。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) August 14, 2016
◆初めからいきなりイレギュラーな引用ですが、ジェイドマムシ=サンのペントハウスに「殺害」の壁掛けショドーがあるので、その部分をサツガイ=サンとカウントしました。正直このツイートだけでは、このショドーがただ単に「殺し」を意味する一般名詞なのか、あるいは固有名詞としてのサツガイ=サンを指すのかは全く判別がつきません。ただし、ジェイドマムシ=サンはサツガイ=サンの名前を壁に掛けていてもおかしくないタイプのサンズ・オブ・ケオス会員と思われる(詳細後述)ので念のためピックアップしました。
「なッ……こんな」「イヤーッ!」「グワーッ!」後頭部を叩きつけられる!ジェイドマムシはもがいた。「お……俺の負けだ。話を聞」「イヤーッ!」「アバーッ!な……何が望みだ……!」「サツガイという男を知っているか」死神の目が赤黒く光った。その名を聞いたジェイドマムシの背筋が凍りついた。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) August 14, 2016
◆これが初めての「サツガイという男を知っているか」であり、記念的。
「成る程。やはり知っているか」ニンジャスレイヤーの目が細まった。動揺による瞳孔収縮を読み取られた事にジェイドマムシは気づいた。「待て……だが、何故サツガイ=サンの名」「イヤーッ!」「グワーッ!」「全て話す!何でも話したい!だ、だが俺も彼が何者なのか、実際知らんのだ……!」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) August 14, 2016
◆先に述べた殺害ショドーの読解ヒントを含んでいるのがこのツイート。予告編だけ見ても気付けないことですが、サツガイ=サンは人間離れしすぎた存在格のせいか基本的に呼び捨てされがちな傾向にあり、サツガイ=サンのことをサン付けで呼ぶニンジャは極めて少ないです。S1中だと他にメイレイン=サンしかいません。というわけで、S1を大体見たあと予告編を再読したときにだけ、ジェイドマムシ=サンが実は狂信的なタイプのSoC会員だった可能性に行き当たることができます。ジェイドマムシ=サンが狂信タイプの可能性が高いならば、壁に掛かった「殺害」のショドーは一般名詞ではなく固有名詞としてサツガイ=サンを指すものだろう、筆者はそういう読み方をしました。こんな感じで情報を偶然読み取れることがたまにあるので再読は楽しいです。
『トーメント・イーブン・アフター・デス』より
両膝をつく。視界がぐらつく、そして、踵を返す瞬間のあの男の眼差しが焼きつく、「サツガイ」……忘れるな。容赦なく消えてゆく記憶の断片をかろうじて掴み取る。忘れるな。サツガイ。サツガイ。サツガイ。サツガイの眼差し。虚無、いや、侮蔑だ、いや、悦んでいる……(((殺すべし)))遠い声。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 5, 2016
◆「受肉前のサツガイ=サンがモータルを認識した上に眼差しまで向ける」というレアな描写が登場しますが、そもそもこの頃の回想はナラク改竄記憶なので恐らくは偽回想でしょう。それはそれとして眼差しの色に感情を載せてみせるようなサツガイ=サンの描写は希少価値がきわめて高い。
「なぜ生きている」(((殺すべし)))「サツガイを」(((殺すのだ)))「殺す……!」(((ニンジャを殺す!)))「ニンジャを!」マスラダは叫んだ。眼前に不定形の炎が熾った。その者はじろりとマスラダを見た。そしてアイサツした。(((ドーモ。はじめまして。ナラク・ニンジャです)))
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 5, 2016
◆「サツガイを殺す」を「ニンジャを殺す」にすり替えられるマスラダ。「ピザ」と10回言ったのちに肘を見せられうっかり「膝」と言ってしまう現象を彷彿とさせる。
「苦しい」マスラダは呻いた。(((然り。ニンジャだ。ニンジャがオヌシをこのジゴクの責め苦に落とした。忘れるな。儂が何度でも思い出させてやる)))「サツガイ……サツガイが、アユミを。何故おれが生きて。何故アユミが」(((サツガイというニンジャを殺したいのだろう。させてやる)))
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 5, 2016
◆2019年12月現在のマスラダが元気すぎてうっかり忘れかけるものの、アユミが生きられず自分が死ななかったことに違和があるらしき初期描写はどう見ても精神状態に不安がある人なので微笑ましい。
ストリングベンドはやや腰を低く落とし、攻撃に備える。手の内がわからぬからだ。コオオオ……その右掌が再び超自然の光を帯びる。一方、ニンジャスレイヤーはこの敵を睨み、ジツを睨んだ。コウボウ・ジツ。このニンジャが自ら得たジツではない。サツガイが与えた力。彼にはそれがわかる。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 7, 2016
◆「サツガイ=サンからヒカリ・ニンジャクランらしきジツを授かっている敵」をしれっと第4部正式始動後の初戦に持ってきていたあたりも、再読でなければ引っかかることができない描写。
「イヤーッ!」「グワーッ!」「おれは生かされた。奴が全ての始まりだ」ニンジャスレイヤーは瞑想じみて呟いた。そして目を見開いた。「サツガイという男を!知っているか!」「関わりは!関わりはした!……だが、し、知らぬ……奴の事は……」ストリングベンドの瞳孔が収縮した。嘘は言っていない。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 7, 2016
「ならば一人、ニンジャを売れ」ニンジャスレイヤーはジゴクめいて言った。「サツガイに繋がるニンジャの名を言え。そうすればカイシャクしてやる。さもなくば!」「アバーッ!」熱によってストリングベンドの目が白濁した!「ナハト……ローニン……」瀕死のニンジャは呟いた。「ナハトローニン」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 7, 2016
◆初めての殺忍テレフォンショッキング。
ニンジャスレイヤーは去ろうとした。人口ゼロ地帯!ヤクザ!屑漁り!絶望が待つ!「サツガイ!」タキは叫んだ。足が止まった。「……」「ア……アンタの……探している男はサツガイ」タキは言葉を絞り出した。ニンジャスレイヤーは答えない。タキは続けた。「オレはサツガイを知っているぜ。マジにな」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 7, 2016
「その……見ての通り、足をやられた……自力で帰れねえから、アンタの足手まといになっちまうっていうか」「……」ニンジャスレイヤーは苛立たしげに溜息をつき、タキを背負った。タキは口笛を吹いた。「悪いと思ってる。感謝。最初からわかってた。アンタ、話がわかる奴だ」「サツガイについて話せ」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 7, 2016
◆一つ上のツイートで「サツガイを知っている」なんていうクリティカルワードを出したにも拘らずインタビュー殺をされなかったタキは端から何も知らないことまでいきなり看過されている気がするし、マスラダが嘘に感づいたうえでタキを助けたのは単に元の性格だと思われるので個人的にこの辺は結構な名シーンだと思っています。
『マーセナリイ・マージナル』より
(無いじゃねえか。何者なんだ。サツガイだと?)タキは乾いた唇を舐めた。IRCネットワーク・フォーラム・ツリーを辿り、さらに秒単位で課金される極めて強力なツリーにまで入り込んだ。サツガイ。情報無し。金額が増えていく。(パラノイア野郎め。さてはオレを追い詰めて楽しんでやがるな)
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 14, 2016
◆核となる存在の名前で直接検索しても全然ヒットしない代わりに取り巻きコミュニティが割れたら瞬時に芋づるメントできるようになる(『サンズ・オブ・ケオス』参照)辺り、twitterとかでの界隈概念に通じるものがある気がします。
(力だ。ナラク。殺す力をよこせ)マスラダはニューロンの奥底の邪悪に呼びかけた。霞んだイメージと憎悪が反響し、過去の記憶の片鱗がフラッシュバックした。冷たくなってゆくアユミ……散らばったオリガミ……胸を貫いた……スリケン……サツガイの……スリケン……眼差し……!「サツガイ!」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 20, 2016
◆実はまだこの頃は八枚刃であることすら分かっていなかったサツガイ=サンのスリケン。
「さきの斬撃を防いだ手腕は見事だ。ここで必ず殺しておく」「サツガイ」ニンジャスレイヤーは呟いた。「サツガイというニンジャを知っているか」「……」ナハトローニンの目が微かに動いた。ニンジャスレイヤーは地を蹴った。ナハトローニンは刃を返し、迎撃のイアイを繰り出す!
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 20, 2016
◆「サツガイ"というニンジャ"を知っているか」はここが初出であり、とにかく忍殺したいナラクにマスラダが色々言われて(あれもニンジャなのか?)とか考えたらしき痕跡が伺えて楽しいです。
「サツガイというニンジャを……知っているか……!」ニンジャスレイヤーはジゴクめいて問うた。「貴様に新たなジツをもたらした男だ……知っている筈だ!」「アバーッ!」悶え苦しみながら、ナハトローニンが呪詛混じりの答えを返した。「サツガイ……確かに俺は……サツガイに……だが知らぬ……!」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 20, 2016
◆呼びやすさからうっかりサツガイ=サン接触者を全員SoCと言いそうになる時は、いつもナハトローニン=サンに思いを馳せる。
『サンズ・オブ・ケオス』より
(残せ!アユミを殺したニンジャの道筋を!)(アバババーッ!)ナハトローニンは赤黒の火を吐き、痙攣した。(サツガイ……貴様はサツガイを……アバッ、ハハハ、殺す……殺す気でおるのか……笑止……アバーッ!)(そうだ。サツガイを殺す。必ず)(できるものか……奴は神にも等しい……)
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 25, 2016
「そんな連中に興味は無い」ニンジャスレイヤーは低く言った。「だが、メイレインは殺す。そしてサツガイの情報を引き出す」「それがソウカイヤとコトを構える事になるンだよ!バカ!」タキは熱くなった。「奴らに睨まれたら……」「それならばソウカイヤもシックスゲイツも敵だ。殺すだけだ」「よせ」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 25, 2016
◆メイレイン=サンの印象がティピカル狂信者に染まりすぎており、実はソウカイヤ所属だったことを頻繁に忘れかける。
目の前のこの死神は、サツガイとそれに連なるニンジャ達に、狭く深く、狂ったように、決断的焦点を絞っている。そこにどうやら交渉の余地が存在している……!「わかったか!ガッツリやるぞ!オレに作戦タイムをくれ!」タキは異常興奮状態で喚いた。リリリン。インタフォンが鳴った。「スシも来た!」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 25, 2016
◆『サンズ・オブ・ケオス』#1のマスラダとタキのやりとりは、マスラダが意外と人間であることをタキが意識したりと色々物語的に良い出汁がとれるシーンですが、残念ながらこの記事はサツガイ=サンに狭く深く焦点を絞っているので今回は取り上げません。各自再読願います。
神秘だ。そう、まるきりそれは神秘体験と言うにふさわしかった。その者は、否、そのお方は、フードを目深にかぶり、畏れ多きその顔をメイレインに見せる事は無かった。彼はメイレインの前に立ち、その衣の胸元を開いた。するとそこには胸板ではなく深淵があった。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
◆動いたり喋ったりするサツガイ=サンはここが初出なのである意味ここからが本番です。急にサツガイ=サンの解像度が上がったと思いきや深淵。突如世界観にガッジガジのノイズが乗る瞬間がたまらない。
導かれるまま、メイレインは右手を深淵に挿し入れた。彼の右手は、掴み、獲得した。「美」と接続し、力を得たのだ。(お前の名前……何だったか……)(メイレインです)(そうか、メイレインというのか。メイレイン=サン)メイレインは涙を滂沱と流していた。(ありがとうございます……!)
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
◆サツガイ=サン体験した時の感想は全員バラバラかつネガティブな意見が多い中、初手で「美」とかいうド級のイレギュラーをぶっ込んで考察諸氏を大いに攪乱したと思われるメイレイン=サンの独特な感性が際立ちます。でも正直いきなり正体不明の概念が衣服の胸元を開いてブラックホールめいた空間のバグに手を挿し入れるよう導いてきたらと考えるとそれは完全に美……どう考えても美……………なので気持ちだけは痛いほど分かってしまい、何とも言えない。
(何の礼だ、メイレイン=サン)(この力……嗚呼……いったい何を対価とすれば。魂ですか?)(MWAHAHAHAHAHA!MWAHAHAHAHAHA!)フードの下で、彼は心底おかしそうに笑った。(魂!BWAHAHAHAHAHA!オカシイ!俺が何故そんなものを欲しがる。何もいらない)
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
◆元気な哄笑と一人称「俺」はここが初出。サツガイ=サンの笑い方は悪役の高笑いとかでは全然なく、素でただおもしろいと感じた時に爆笑しているだけっぽいので微笑ましさがあり滋養に良い。
右腕を引き抜くと、「快」の感情がメイレインの脳天を貫いた。彼は仰け反り、震えた。(嗚呼……!)(ガンバレ、メイレイン=サン)(何を……?)(知らんよ)瞬きすると、彼は背を向けており、既にタタミ五枚ほど離れていた。(貴方の名前を……)(俺の?)(御名前を)(サツガイ)
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
◆「知らない」という趣旨の発言が多い傾向にあるサツガイ=サンの初すっとぼけ。ただこれ以降のサツガイ=サンはつっけんどんな「知らん」は使わず「知らない」という言い方しかしなくなるので、メイレイン=サンへの対応が特に雑だった可能性があります。
だが今は違う。彼はサツガイに選ばれた。そして世界には彼同様にサツガイに祝福された恵まれたニンジャが居る事を知っている。彼らを結ぶのがサンズ・オブ・ケオスだ。ナハトローニンの反応はメイレインには信じがたい。ナハトローニンはメイレインの差し伸べた手を拒絶した。理解しがたい。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
◆ナハトローニン=サンがSoC入会を断ったのはSoCの様子がおかしかったからなのか、メイレイン=サンの様子がおかしかったからなのか。勧誘者がこのノリだったら誰だって入部を躊躇いそう。
「サツガイという男を知っているか」ニンジャスレイヤーは問うた。「ハーッ……」メイレインは息を吐き、カラテを構えなおした。「サツガイ……知る……?知るとは何か?それは哲学的な問いではないかね?」彼は喉を鳴らして笑った。「そんなおこがましい事はとても言えんよ……俺は無知を知る」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
◆自称ケチなゴロツキの出でソクラテスを引っ張ってこれるのは努力が伺えて微笑ましい。礼拝堂のごった煮な装飾といい、頑張ってそれっぽいやつを色々調べたのかもしれません。
「お許しくださいサツガイ=サン。貴方の力をみだりにふるう事は自ら禁じておりましたが」メイレインは俯いていた顔をあげた。痛みと法悦に霞んだ目が見開かれた。ニンジャスレイヤーはメイレインを数度殴打するつもりで近づいていたが、そのとき正体不明の危機感が首筋を粟立たせた。「イヤーッ!」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
(((何だと?)))ニューロンがざわめき、激しいナラクの念が伝わって来た。(((ムシアナ・ジツとな!これはマイニユ・ニンジャのユニーク・ジツだ。ツバメ・ニンジャ・クランのサンシタには到底縁なきジツぞ。サツガイの仕業であること間違いなし。まったくもって、何たる醜き歪みか!)))
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) October 28, 2016
◆これまで明確に誰のジツというのは分からなかったサツガイ=サンの祝福が突如ダークドメイン=サンでおなじみムシアナを提供してきて、当時のリアタイ読者諸氏が多分かなり焦ったであろうシーン。アーチ級のユニーク・ジツが出てきた時点でもはやサツガイ=サン体験がインストラクションどころではないチートなのが言い逃れできない。個人としても読んでいて大いに盛り上がりました。
ニンジャスレイヤーは前傾姿勢になり、その目を赤黒く燃やした。床に亀裂が走り、背中から煙と血と火が噴き出し、燃え上がった。赤黒の装束が傷を覆い、ふさいでいった。メイレインが徐々に失われた視覚に代替する感覚器官を鋭敏化させ、状況に適応してゆく。「サツガイ=サンニ!仇ナス!涜神ノ徒!」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 1, 2016
ドクン!ドクン!ニンジャスレイヤーは己の鼓動の音を聞いた。普段の倍は早く打っていた。倒れたアユミを見下ろしたあの時と同じように。あの時と同じように!(((あの時と!)))ナラクが吠えた。サツガイ!「奴は神か?」ニンジャスレイヤーは言った。「ならばそうだ。おれは涜神の徒だ!」
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 1, 2016
◆マスラダが「敵は予想以上に人間じゃない」と認識した上で食らいつく意気を表出させるかっこいいシーンです。ただコール&レスポンスめいて場を盛り上げようとする画面端のナラクを意識してしまったとたん急にちょっと微笑ましくなってしまう。なお再放送では語順などがちょっと変わり、後半の台詞が「涜神の徒だ……奴が神ならば!」という流れになっています。ニンジャ鼻っ柱はマスラダの重要な要素ということでしょう。
「サツガイ=サン!どうかジゴクの救……」「イヤーッ!」拳がメイレインの顔面を砕いた。赤黒の炎がメイレインの眼球を、脳を焼き焦がし、耳と眼窩から赤黒の火が噴き出した。「サヨナラ!」メイレインは爆発四散した。塵と火を含んだ風が吹き、破壊された壁の穴から廊下へ抜けていった。
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 1, 2016
◆メイレイン=サンの思う神はどうやら一神教タイプのようですが、サツガイ=サンの挙動はどちらかと言えば多神教のトリックスターぽい上にそもそもそういう人間ふぜいの定義は受け付けない存在に見えるので、メイレイン=サンが本当にぼんやりした認識しか持っていなかったことに多少悲しくなったりする。
『ヨグヤカルタ・ナイトレイド』より
彼はUNIXデッキを開き、サンズ・オブ・ケオスのIRCフォーラムに接続する。サンズ・オブ・ケオスはプライヴェートの互助組合だ。熱心な者もいれば、さほど頻繁には接続しない者もいる。直接顔を合わせるものもいれば、地球の裏側で好き勝手暮らしている者もいる。 21
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 8, 2016
しかし構成メンバーには共通点がある。全員がニンジャであり、全員が……「サツガイ」と接触した体験をもつ。サツガイに接触した者は皆、それまでの自身の能力とは全く脈絡のない強力なジツを与えられている。ロングゲイトも然りだ。あれはゾッとするような、冷たく苦しい体験だった。 22
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 8, 2016
◆ロングゲイト=サンのサツガイ=サン体験は明確にネガティブなイメージ。
サンズ・オブ・ケオスの連中は、サツガイに接触した事を隠そうとする傾向は薄く、同じ境遇にある同志を求めようとする方へ考えが向いているようだ。神秘の共有か。メイレインの戯言がニンジャスレイヤーの脳裏をよぎる。敢えてサツガイの足跡を辿り、それを殺そうとする者がいる事は想像の外なのだ。3
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 12, 2016
バカンス写真や儀式写真がニンジャスレイヤーの瞳に映り込む。なんの謂れも無くアユミを殺した男に連なる者たちの生活。こいつらは何なのか。そのあまりに日常的なあり方が逆にどこか虚無的で、得体のしれぬものを感じさせた。『オーケー、ビジネスとやらは今夜くさいな』タキが通信を入れてきた。 4
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 12, 2016
◆日常とシームレスな邪悪はいかにも「趣味で邪悪やってます」感があって非常に良いものです。
「……」ニンジャスレイヤーは眉根を寄せた。ロングゲイトは咳き込んだ。「サツガイは前触れなしに現れ……ただ与え、去る」「奴の目的は何だ」「わからぬ……」「貴様らの目的は何だ」「共有……そう」ロングゲイトは呟く。「共有だ。だがすべてを明かしていない者がいる……二度触れた者……!」24
— NJSLYR / ニンジャスレイヤー (@NJSLYR) November 21, 2016
◆ブラスハート=サンの情報がちょい出しされます。ロングゲイト=サンの「すべてを明かしていない者がいる」という口振りからすると恐らく「会員の名前は全員オープンだが誰が抜け駆けしたのか分からない」という状態なのが見て取れます。ファンコミュニティって内部抗争とかもあるから大変。
シーズン1前半のサツガイ=サンは以上です。シーズン1後半のサツガイ=サンについては下記の記事に続きます。
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