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山村の子どもたちのくらし

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2021年度の2年生ゼミでは山梨県早川町における子どもたちの暮らしをテーマとして調査プロジェクトを実施します。このマガジンにはゼミ活動を通じて学生が書いた記事を掲載します。
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山村の子どもたちのくらし~このマガジンについて

2021年度の2年生ゼミでは、前年度に続き、山梨県早川町をフィールドとして活動しています。本マガジンには、ゼミの活動を通じて学生が調べたこと、考えたことなどを記事にして掲載します。 早川町とゼミ活動早川町は山梨県の西部に位置し、南アルプスの山間に位置する町です。「全国で一番人口の少ない町」として知られていて、2021年10月1日現在の人口は967人です。 本ゼミでは2019年度から早川町をフィールドとしています。2019年度は早川町に町外から移住した方々にお話を伺い、冊子を

早川町の自然教育 “BEANS”

はじめに 前回の記事では、早川町の自然環境とその活用について述べてみた。本記事では、前回記事でも取り上げた自然教育“BEANS”について、主に南アルプス生態邑所長大西信正さん、早川町立早川北小学校卒業生・在校生の方へのインタビューをもとに、詳しく述べていきたい。 1. 南アルプス生態邑×早川北小学校=“BEANS”「日本一人口の少ない町」早川町に、早川町立早川北小学校という、全校児童20名に満たない小さな学校がある。そんな早川北小学校で、豊かな自然環境と少人数という特徴を活

早川町の自然環境とその活用

はじめに 山梨県南西部に位置する早川町は、南アルプスの自然とそれによって育まれてきた文化の息づく町である。そんな早川町に住む“早川の子どもたち”を全体のテーマとした今年度ゼミでは、これまで日本上流文化圏研究所・南アルプス生態邑の職員さんや町内の子どもたちへのインタビュー、早川子どもクラブのイベント参加などの調査を重ねてきた。  個人テーマを“早川町における自然教育”としてゼミ活動に参加してきた私は、調査を通して、早川町を囲む豊かな自然とそれを活用する人々の営みについてより詳し

早川町の子供たちの学校生活

1. はじめに  早川町には早川北小学校、早川南小学校の二つの小学校と早川中学校の三つの学校があります。子どもたちは主にスクールバスを利用して通学しています。  今年度のゼミの活動では早川子どもクラブの手伝いをさせてもらったり、早川の学校に通っている子供たちへのインタビューを行ったりしました。  早川の学校は、どの学校も複式学級を解消した学年ごとの少人数学級による教育や、早川という環境を活かした教育が特徴的です。この記事では、子供たちへのインタビューを元に、早川の学校生活に

早川町での子供たちの暮らし

はじめに 私たち箕浦ゼミは、前期の授業と夏休みを通して早川町について調べてきました。具体的には、早川町に住み早川子どもクラブの運営に携わってきた上原さんや、早川町の自然に詳しい大西さんにオンラインでインタビューを行いました。また、実際に早川町を訪ね、散策を行ったり、早川子どもクラブの活動を手伝いながら早川町で暮らす子供たちの様子を観察しました。後期も前期に引き続きインタビューを行いながら早川町についてさらに調査を行いました。この記事では特に小中学生のインタビューをもとに書いて

早川子どもクラブについて

はじめに 早川子どもクラブは早川町内の小中学生たちが参加している活動プログラムです。月に1~2回、野外活動や自由遊びなどの活動を休日に実施しています。私はこのクラブを運営している日本上流文化圏研究所の上原さんにインタビューをさせていただきました。また、活動にも参加をさせていただきました。この記事では、お聞きしたお話と活動への参加体験に基づいて、早川子どもクラブについて書いていきます。 1. 早川子どもクラブの考え方について  早川子どもクラブは、早川町教育員会から委託を受

早川町の環境教育と河川環境

はじめに 私にとって初となった8月の早川町FWでは、早川町の教育・環境・文化・生活などについて学ぶことができた。本エッセイでは、環境に関わる教育と早川町の河川環境に着目し、主にゼミによる事前学習と早川上流文化圏研究所(以下、上流研)・職員の上原さんへのインタビュー、現地訪問による情報収集をもとにして、その実際と私の所感を述べていきたい。 1. 早川町の環境に関わる学校・地域教育 1-1.学校教育 まずは、早川北小学校で取り組まれている“BEANS”について。これは、南

早川町の教育について知ったこと・考えたこと(ゼミ活動を通じて)

はじめに 2021年度地域実践演習では、早川町の教育を中心的に学習をした。早川町について事前学習をしたり、読書をしたり、フィールドワークをしたりして早川町の学びを深めていった。今回のnoteでは、早川町の教育について知ったこと・考えたことをゼミ活動を始める前と終えた後で分けて書いていく。ゼミ活動を始める前と終えた後と分けて書くことで、ゼミ活動の中での自分の考えの変化を明確にすることができると考えたからである。 1.早川町の教育について知った(知っていた・想像していた)こと

早川町に住む子供たちの生活

はじめに 私は早川での子供たちの生活について関心を持ちました。早川町は山間部に位置し、複数の集落からなる町です。私は南アルプス市の中でも平坦部に住んでいて、甲府へのアクセスも比較的しやすくなっています。そのため自分の生まれ育った環境と早川町民の生活環境とでは異なる点が多いと考え、その中でも身近な話題である子供の生活に特に関心を寄せました。 私は祖父が早川町出身であるため何度か訪れたことはありますが、親戚以外の町民とは会って話す機会がありませんでした。そのため、早川町民の普段の

早川町を訪ねて ~実際に訪れて肌で感じたことと子供たちの様子~

1.はじめに  早川町は日本一人口の少ない町であり、今年人口1000人を切った、とても小さなまちです。私たちは早川町について事前調査を行い、「地域」というものがどういうものか、行って見て感じてきました。このエッセイでは、前期の授業を通して学んだことと、実際に早川町に行って感じたことを書こうと思います。特に夏休みに行ったフィールドワークでは、子供たちと触れ合う機会が多かったため子供たちの様子も含め書いていこうと思います。 2.早川町の教育と環境  ~事前調査まで~  地域実践