棚田

プロジェクトは、ある思いつきから始まった。

山梨県南アルプス市で、市民のみなさんが主体となって外国人観光客向けのツアー、インバウンドツアーを実施してみようというプロジェクトが動き出しています。

このプロジェクト。実は、ある思いつきから始まりました。

山梨県立大学理事・特任教授の佐藤文昭さんと、東京で外国人観光客向け自転車ツアーを主宰している三浦岳人さんが意気投合したのがきっかけです。

「南アルプスのまちや集落を、外国人が歩くようになったら、どんなふうになるんだろう」

5月25日、早速、佐藤さんのアレンジで、地元に住む4人の方が、三浦さんを案内してくださいました。

三浦さんの感想は

「棚田ごしの富士山はスーパーキラーコンテンツですね。あの風景はあまりにもスゴイので、かなり話題になって火が付きそうな気がします」

というものでした。これに加えて、三浦さんが心を動かされたのが、案内役のみなさんの地元への愛着、地元への思いでした。

市民のみなさんへの呼びかけ役は、山梨県立大学が務めました。山梨県立大学には、観光ビジネスを学ぶコースがあり、三浦さんが講師となってゼミを開講してくださっていたからです。

大学が地域で行うプロジェクトは、大学が地域の課題を解決するものだというイメージがあるかもしれません。

しかし、このプロジェクト。あくまでも主役は、南アルプスのみなさんです。

大学が(三浦さんも)「こういうツアーをしましょう」と市民のみなさんに押し付けることは決してありません。

佐藤さんが、プロジェクトを芝居にたとえて、こう話していました。

「市民のみなさんが役者、三浦さんは演出家、大学はカメラや照明、音響といった感じでしょうか」(ちなみに佐藤さん自身の役割は、芝居小屋のおやじ&大道具・小道具係だそうです)

第1回の勉強会のあと、「わくわくした。やりたいツアーのイメージがもう膨らんでいる」と話している方もいました。

はたしてツアーは実現するのでしょうか。これから、どのようなプロセスをたどるのでしょうか。

この記事は、山梨県立大学地域研究交流センターの運営委員である兼清慎一が書きました。(2018年7月8日)

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