スーパーチューズデーとは　2024年の注目点

スーパーチューズデーとは

スーパーチューズデーとは、アメリカ大統領選挙の候補者を決めるための予備選挙や党員集会が多くの州で同時に行われる日のことです。この日には、各党の代議員と呼ばれる投票権を持つ人たちが多数決まります。代議員は、夏に開かれる党大会で最終的に大統領候補に投票する人たちです。そのため、スーパーチューズデーの結果は、大統領選挙の行方を大きく左右すると言われています。

いつどこで行われるのか

スーパーチューズデーは、毎回日付や参加する州の数が変わりますが、2024年は3月5日に15の州と1つの米領で予備選挙や党員集会が開かれました。民主党は現職のジョー・バイデン大統領がほぼ無敵の状態で、共和党は前大統領のドナルド・トランプ氏が圧倒的に有利でした。そのため、2024年の大統領選挙は、前回と同じくバイデン氏とトランプ氏が争うことになる可能性が高いと見られています。

2024年のスーパーチューズデーの注目点

では、今年のスーパーチューズデーでの注目点は何でしょうか。私は以下の3つのポイントを挙げてみました。

１．トランプ氏の圧勝とヘイリー氏の苦戦 

トランプ氏は、スーパーチューズデーで15の州のうち14州で勝利し、必要な代議員の約半数を獲得しました。トランプ氏は、自身の支持基盤である南部や中西部の州で圧倒的な強さを見せましたが、西海岸のカリフォルニア州や東海岸のヴァージニア州などでの勝率は低かったです。これは、都市部に住む高学歴層や少数民族の有権者からの支持が低いことを示しています。これが本選での弱点になる可能性があります。
一方、トランプ氏に唯一挑戦したニッキー・ヘイリー氏は、スーパーチューズデーでわずかにコロンビア特別区で勝利しただけで、ほとんどの州で惨敗しました。

ヘイリー氏は、トランプ氏とは対照的に、穏健派や女性、若者などの支持を狙っていましたが、共和党の有権者の多くはトランプ氏に忠誠を誓っており、ヘイリー氏の訴えには耳を傾けませんでした。ヘイリー氏は、スーパーチューズデー後に撤退を表明し、トランプ氏の支持を呼びかけました。

２．バイデン氏の安定と対抗馬の不在

 バイデン氏は、スーパーチューズデーで15の州のうち13州で勝利し、必要な代議員の約4分の3を獲得しました7。バイデン氏は、前回の大統領選で勝利した州をほぼ守り、中道派や黒人、高齢者などの支持を確保しました。また、新型コロナウイルスの対応や経済政策などで、有権者の信頼を得ました。

バイデン氏の対抗馬としては、ディーン・フィリップス下院議員とマリアン・ウィリアムソン氏が名乗りを上げましたが、どちらもほとんど注目されませんでした。

フィリップス氏は、バイデン氏の外交政策や環境政策に批判的で、より進歩的な政策を主張しましたが、民主党の有権者の多くはバイデン氏の現実的な姿勢を支持しました。ウィリアムソン氏は、自己啓発本の著者であり、スピリチュアルな視点から政治を語りましたが、ほとんどの有権者には理解されませんでした。

３．有権者の投票動向と本選への影響

 スーパーチューズデーの投票動向から、11月の本選での争点や展望が見えてきます。まず、両党ともに高い投票率を記録しましたが、特に民主党の投票率は前回の2016年に比べて約2割増えました。これは、バイデン氏に対する支持の高さやトランプ氏に対する反発の強さを反映しています。また、両党ともに若者の投票率は低く、高齢者の投票率は高かったです。これは、若者は政治に無関心であるか、オンラインでの投票ができないことに不満を持っているかのどちらかである可能性があります。

次に、両党の有権者の間には、政治的な分断や対立が深まっていることがわかります。共和党の有権者の約8割は、トランプ氏の政策やパフォーマンスに満足しており、バイデン氏の政策やパフォーマンスに不満を持っていました。逆に、民主党の有権者の約8割は、バイデン氏の政策やパフォーマンスに満足しており、トランプ氏の政策やパフォーマンスに不満を持っていました。

このように、両党の有権者は、自分たちの党の候補者に忠実であり、他党の候補者に対しては批判的であることがわかります。これは、本選での接戦を予想させます。

まとめ

・スーパーチューズデーとは、アメリカ大統領選挙の候補者を決めるための予備選挙や党員集会が多くの州で同時に行われる日のことです。

・この日には、各党の代議員と呼ばれる投票権を持つ人たちが多数決まります。代議員は、夏に開かれる党大会で最終的に大統領候補に投票する人たちです。

・スーパーチューズデーは、毎回日付や参加する州の数が変わりますが、2024年は3月5日に15の州と1つの米領で予備選挙や党員集会が開かれました。

・民主党は現職のジョー・バイデン大統領がほぼ無敵の状態で、共和党は前大統領のドナルド・トランプ氏が圧倒的に有利でした。

・スーパーチューズデーの結果は、大統領選挙の行方を大きく左右すると言われています。