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No.119 『バイク王&カンパニー』 フォロワーの悲哀

みなさんのもとに特別給付金はもう届きましたか?

極私的は話になりますが、わたしの妹には5人の子どもがおります。しかも5人目は去年生まれたばかり。「妹」というと何となく若い女性をイメージしがちですが、わたしよりも2つ歳下の彼女は今年で45歳になります。ビバ高齢出産。勘のよい方ならもうお分かりでしょうが、妹の家族は特別給付金として70万円をいただきました。いわゆる「コロナリキン」であります。ビバ子だくさん。実にありがたいことだと思います。

子どもが5人いるといえば、世間的に有名なのは「つるの剛士」ではないでしょうか。かつてはウルトラマンであり「おバカタレント」であった彼ですが、今ではすっかりイクメンであり「親バカタレント」の象徴的な存在となりました。カラオケ好きなわたしとしては、有名な楽曲を見事にカバーしている歌唱力にもひそかに注目しています。

勘のよい方ならもうお分かりでしょうが、つるの剛士がCMキャラクターをつとめる企業といえば・・・そう、「バイク王&カンパニー」。noteのネタ探しに野村IRのサイトを見ていたら、決算説明会の動画が掲載されていました。積極的な広告宣伝のおかげでバイク王の認知度は高いと思われますが、2019年度の業績は売上高201億円、営業利益2億円と決して大きくはない。時価総額もわずか30億円の企業です。

正直に申し上げて、バイク王の決算自体に特段の面白さは感じませんでした。むしろ、胸に去来したのは「フォロワーの悲哀」であります。説明会の話を聞くかぎり、中古車の買取と販売で業界トップの「ガリバー」(現在の社名はIDOMというそうですが)の二輪車バージョンであり、言ってしまえばタイヤの数が4つから2つにただ変わっただけではないでしょうか。買い取ったバイクをオークションで販売する事業から、個人消費者へ直接販売する小売事業へ展開する流れもガリバーと酷似しているように思います。「バイク王」という社名もガリバーからヒントを得たのではないかと勘ぐりたくなるほどです。

成長に向けて腐心する企業を軽々しく批判する愚は戒めなければなりませんが、こと投資家の視点に立ったときに、「なぜ、ガリバーではなくバイク王の株を買わなければならないのか」、彼ら独自の面白いエクイティーストーリーが残念ながら説明会だけでは見出せなかった印象です。じゃあ、どうしたら魅力的に思えるのか・・・。なかなか難しいですね。それこそ、単独で「バイク王におれはなる!」ことはあきらめて、ガリバーの傘下に入ることでスケールメリットを享受したほうがよいのではないかと感じます。ガリバーにとっても製品ラインナップを拡充できるメリットがあるのではないでしょうか。

ところで、三鷹市に住むわたしの家にも昨日、特別給付金がようやく支給されました。昔懐かしいボーナスの現金支給よろしく、中学3年生と1年生の娘たちにもそれぞれ手渡すことに。ところが、ふたりとも大して喜ぶ表情を見せず、もはやお金でも歓心を買えなくなったかと「父親の悲哀」を感じた夜でした。

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