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No.118 『ニトリ』 お、計画以上

ニトリの業績が絶好調ですね。6月の既存店売上高は前年同月比+47.4%。5月の横ばいから一気にプラス幅を広げました。44店舗が休業する中での大幅増はサプライズでしょう。ホームオフィス家具、簡易家具・収納整理品などが増収を牽引しているようです。自粛疲れによる購買意欲の恩恵を享受しているということでしょうか。また、特別定額給付金の支給も追い風に働いているのかもしれません。

2021年2月期の業績見通しは売上高6,532億円(前年比+1.7%)、営業利益1,122億円(同+4.4%)。この環境下で増収増益が見込めるだけでもポジティブですが、足元の好調を踏まえると増益幅はさらに拡大するとの見方がアナリストのコンセンサスとなっています。「お、計画以上、ニトリ」。増益が実現すれば実に34期連続の最高益更新。上場する日本企業の中でトップの記録となります。

ただ、記録の更新がいつの間にか自己目的化して、思い切った先行投資に踏み切れなくなる事態はぜひ避けてほしいと思います。実際、1990年代の大日本印刷がまさにそうでした。連続増益にこだわるあまり、いわゆる「いったん屈んで飛躍する」といった大胆な成長戦略を打ち出すことができず、業績が堅調にも関わらず株式市場から不人気となった時代を覚えています。

「安定だけじゃつまらない。なんか刺激がないと」。株式市場はわがままですね。

ちなみに、ニトリの業績に話を戻すと、21年2月期の営業利益のコンセンサス予想は会社計画1,122億円に対して1,206億円(前年比+12.2%)。EPSベースでは730.9円。7月1日の株価21,375円を前提としたPERは29.2倍ですから、当面の好業績はさすがに織り込まれていますね。

今回も読んでいただきありがとうございました。


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ゆういち@証券アナリストの『私的な企業分析』
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