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オタク、家を建て替える1~中古住宅はここに気を付けろと言うこととあばら家は限界なのだった

 家を建て替えることになった。
 より正確に言えば、建て替えざるを得なくなった。
 宝くじも当たっていないのに、である。
 これは金もコミュ力も体力もないオタク主婦の視点から見た、家の建て替えの全記録である。
 (※随時更新)

今のおうち

 今住んでいるのは築40年ほどの木造2階建て住宅である。何年か前に中古で購入した持ち家だ。もう古いので購入価格はほぼ土地代で建物はオマケって感じだった。買った経緯を話すと姑が出てきて長くなってしまうので、ここでは割愛する。誤解されないように一応言っておくが、嫁姑関係のいざこざとかそういう絡みではない。どろどろのあれこれがどうのこうのというご期待にはお応えすることが出来ないことをあらかじめ詫びておく。
 当物件だが、元々古かったのでいずれ建て替えるのは前提だった。ただ、今ではなかった。子どもたちがもう少し大きくなって、家に落書きしたり壁に傷を付けたり壁紙を剥がしてみたり床に木工ボンドをブシャーしたり玄関先に墨汁で文字を書いたり網戸を破り散らしたりしないようになってからが良かった。そういうの幼稚園時代で終わると思うでしょ?私もそう思ってたんですけどね。不思議なものですね。うちの上の子小学3年生なんですけどね。もう修繕する気力もないので現在ボロ布のようになった網戸は放置しており、廃材のように散らかされ色褪せた子どもたちの玩具や掃除道具も相まってイイ感じに廃屋感が滲み出ている。雑草を刈るのも精魂尽き果てた。私ももういい歳なので、草も生き物であるから、むやみに命を奪ってはいけないだろうと慈しみを持ちつつ余生を生きることにした。廃墟好きにはなかなかいい物件である。
 諦観と悟りの境地で何とか住み着いていた我が家だが、1年半くらい前の台風により看過できない問題が発生した。雨漏りである。朝起きたら私より早起きの夫氏が子ども部屋の床一面に洗面器やらボウルやらを所狭しと並べていて、最初は何やってんだコイツ?と思ったが状況を把握して早起きの夫氏と結婚させてくれてどうもありがとうと天に感謝をした。おかげで被害は最小限で済んだ、ような気がする。人間本当に困った時は笑っちゃうという経験は人生で幾度かしているが、今回はまた格別であった。床一面に並べた器に天井から際限なくしずくが垂れる光景はなかなか乙なものであり、うふふふ昭和のマンガみたーい!こんなことってほんとにあるんだね!と言って家族で盛り上がった…ような気もするが、記憶が定かではない。
 ちなみに1年以上前から建て替え計画が進んでいないのは、例の感染症のおかげである。

中古住宅はここに気を付けろ

 せっかくなので中古住宅で想定外の痛い目に遭った話をしておこう。と言ても、築35年前後の家を買おうなんて奇特な人はなかなかいないんじゃないかと思うので参考になるかは分からないけれども。
 

・水周りがやべえ
 ある程度築年数の経った中古住宅は水周りをリフォームした方が良い。なぜかと言うと、水漏れしている可能性があるからだ。うちはリフォームしてもらった際に風呂場の水漏れが発覚し、周辺の木が腐っていたので修繕してもらった。リフォームしていなかったら気付かなかったので鬼やばかった。

・水道管もやべえ
 築35年ともなると、現在とは水道管の材質からして違う。うちは屋外の水道管がコンクリートだったため、経年劣化でひび割れて家の周辺に湿地帯が出来た。日当たりの悪い場所には苔が生き生きと生い茂ったので、隣家のおばあちゃんからもらったカエルちゃんの置物を配置してプチ日本庭園を造ったほどである。塩ビパイプならあまり心配いらないようなので、可能なら材質は確認しておいた方が良い。
 ちなみに屋内の水道管についても水漏れ修理を2回しており、手の届かぬ距離に羽ばたいて行く諭吉を何人も見送った。

・地盤の傾斜がやべぇ
 古い家は土剥き出しの地面の上に建っているので、年月とともに起きる土地の傾斜変化の影響をダイレクトに受けて家が歪む。うちのキッチンの引き出しは傾斜のお陰で自動的に閉まるのでそれはそれで便利なのだが、近隣で家の取り壊しや建て替えがあると立て付けが悪くなり、ドアの開け閉めがし辛くなる。裏の家が取り壊された時にトイレのドアが閉まらなくなったものであるが、1年後その隣の家が建て替えられた時にまた閉まるようになったのでプライバシー的には結果オーライであった。コンクリートで固めたベタ基礎ならだいぶマシな気が勝手にしている。知らんけど。

・てことは排水管の傾斜もやべえ
 排水管は水が流れやすいように少し傾斜をつけて埋められているらしいが、経年変化で土地の傾斜が変わってしまうので運が悪ければ配管の傾斜バフの効果が薄れる。最悪な事にうちは下水が何度も詰まり配管工事を2回した。トイレの逆流とマンホール周辺に出来た肥溜めには慣れたものである。その年、マンホールの周辺には勢い良く色とりどりの雑草が生い茂ったそうな。(※実話)

・かってに改造されてるかもしれないところがやべえ
 実はうちの下水管が詰まったのにはもうひとつ理由があった。修理の際に発覚したのだが、下水管が改造されてクランクが2か所できていたのである。クランクで水流の勢いが衰え、詰まりの原因となったのだ。想像するに、これは後で設置した物置小屋を避けて修理した結果であると思うが、一体どんな水道業者に頼んだのか。この改造をしやがった人間には、たんすの角に打ち付けた小指を連続で机の脚にぶつけるという強力な呪いをかけておきたい。中古物件を購入する際には、このように把握できない構造があることや、運が悪ければ隠れた瑕疵がある可能性があることを念頭に置いた方が良い。

 だらだらと書いていたら素敵な我が家の紹介だけで2,000文字も費やしてしまった。なにせ金がないし面倒くさいため建て替えにはあまり意欲的ではないのでのんびりペースになるが、建て替えの記録をこれから綴って行こうと思う。家建てたくないのに建てざるを得ないみなさん、何とか生きて参りましょう。とりあえず年末ジャンボは買ってあるので、晦日に全ての希望を託して私は生き長らえます。

もしよかったらサポートしてください! コーヒーかビールを買って、明日も何とか生きようと思います!