ヨゾラ
金髪の子供型人形のルーナとの邂逅のあと、私は再びぶらぶらと街探索を進めていました。 先ほどとは違い店も続々と開店し始めており、活気が出始めています。 さて、突然ですが私は美味しいものが好きです。 そう……例えばこのメインストリートに点在する屋台などですね。 ですが問題があります。 ……それは食事の代金です。 いくら無料といっても、さすがに買い食いにその厚意を使うのは忍ばれます。 なので自腹ということになるのですが……。 「……この串焼きが、一本
私はその夜、少し浅めに眠り、朝になるとスワリーに起こされた。 「ヨゾラ様、昨晩は眠れたでしょうか」 「……ぐっすりと眠れたから大丈夫」 「では朝食をご用意しております、こちらへ」 スワリーはそう言うと、すたすたと案内を始める。私はその小さな歩幅に合わせて付いていくのだった。 少し歩いた先にあったのは食堂だった。 そこまで案内をすると、注文の仕方だけ教えてスワリーは去って行ってしまった。 私は教えられた通りに注文をして、受け取った料理をもって着席する。本来、
死んだ。 ただそれだけが情報として存在している。 気づいた時にはここにいた、だがここに来るまで何をしていたのかが曖昧で思い出せない。ただひとつ死んだということだけは分かっていた。 さらに、驚くことに今の私には肉体が存在していないようであった。 死んで、さらに肉体すらも存在しない私が何故思考できているのか、そしてここはどこなのか。 様々な疑問が出てくるが、結局解決はせずに、疑問を抱えたままこの不思議な空間を彷徨い始めた。 一体どれほどの時間がたったのか