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思い込みを捨てること。コロンビアのオーガニックコーヒーの現場について。

Nomaのポップアップがまもなく京都で再開される。コーヒーとティーを担当するキャロラインとは、彼女が2年前に初めて日本に来た時からの友人で、今回も再会できて嬉しかった。

もともとNomaのコーヒーはTim Wendelboeの豆を使用しており、TimとNomaは長年のパートナーシップを築いてきた。しかし、今年の夏からNomaは大きな転換期を迎え、コーヒーのソーシング、焙煎、抽出を自社で行うようになった。使用している焙煎機はKurasuでも取り扱いを検討しているROESTのP3000(3kgプロトタイプ)だ。

前回、コペンハーゲンで会った際に、コロンビアでのソーシングについて聞いていたので、その経験について早速話を聞いた。Nomaは、コロンビアのエクスポーターAzaharと協力して、オーガニックコーヒーをソーシングしようとしたが、非常に難航したとのことだった。

コロンビアでは多種多様なコーヒーが栽培されているが、フェデレーション・ナショナル・カフェテロス・デ・コロンビア(FNC)などの大規模団体が強い影響力を持ち、彼らが推奨する栽培方法や品種が主流となっているため、オーガニック栽培は難しい現状があるそうだ。たとえば、nomaの考え方としてオーガニック栽培のコーヒーには、病気に強く高品質なピンクブルボンが適しているという仮説をしていたが、大規模団体などの指導により、ピンクブルボンを他の品種に植え替えている農家が多いという現状を目の当たりにしたそうだ。

キャロラインとの話の中で、僕自身も「コロンビアという大きな産地で流石に誰かがすでにオーガニックコーヒーに取り組んでいるだろう」という思い込みが間違っていたことに気づかされた。多くのロースターや企業が存在する中で、誰かが必ずその役割を果たしているというのは、安易な発想だったことに気付かされた。

やはり、現地に赴き、実際の状況を確認し理解することの重要性を再確認しました。たとえば、コロンビアの農家の中には、他の産地のコーヒーを飲んだことがない人が多いという現状が未だにあることを再認識した。

Nomaは自らのノウハウやネットワークを通じて、オーガニック栽培の知識を共有し、オーガニックコーヒーを広めていく使命を感じているとのことだった。Kurasuとしても、これから得られる知識やノウハウをどのようにコミュニティと共有し、コーヒー業界に貢献していくかを考えていく必要があると強く感じた。

Nomaのコロンビアでのオーガニックコーヒーの取り組みは、その一例として 僕たちにも新しい可能性を示していると感じた。


このnoteは、Kurasuの社内向け日報を公開したものです。

Kurasuは、京都を拠点とし、シンガポール、ジャカルタ、バンコク、香港にも展開するスペシャルティコーヒーブランドです。現在、国内外で11店舗を運営し、コーヒーを通じて人々の生活に豊かさをもたらすことを目指しています。

ぜひKurasuのnoteもご覧ください。


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