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BOSSA NOVAの著者 林伸次さんと会う~前日編~

『BOSSA NOVA』という本を手に取ったのは、確か社会人として働き始めた頃だったと思う。比較的一人で過ごす時間が多かった大学生活。私はよくボサノヴァを聞いていた。Elis Reginaの力強さが大好きで、Tom Jobimと一緒に歌っているAgua de Marcoは初めて聞いた時と同じ感覚で毎回聞くことができる貴重な曲だ。Canto de Ossanhaというおどろおどろしい音から始まる曲もスキだったしNara LeonのWaveを聞きながら胸を締めつけられたほろ苦い思い出もある。学生時代を少し懐かしむように、その四角い面白い形をした情報量が半端ない本に惹かれた覚えがある。

時が過ぎ、今年の始めに「自分の感受性」が著しく落ちていることに気づいた。小説というか物語が一切読めなくなっている。時の移ろいを感じることが少なくなった今、知らず知らずのうちに大事なものがこぼれ落ちていた感覚に陥った。このままではいけないと咄嗟に思い、自分の琴線に触れたことを記録していこうと決めた。書くのに時間はかかるけれども、自分が書ける範囲でnoteに公開してみようと。

noteを見ている中で、ボサノヴァが流れるBARのマスターの林伸次さんの記事をよく見かけた。とっても柔らかい文体で、説明しているその情景が鮮明にわかる文章が心地よかった。ボサノヴァもBARもスキなので、いつかその『bar bossa(バール・ボッサ)』に行きたいな~と思っていたら『大人の条件 さまよえるオトナたちへ』を取材しませんか?という記事を発見した。

わー、ライターではないけれど、是非お話ししてみたいなー、bar bossaに行ってみたいなーというミーハーな気分で、勢い取材依頼をすると、素早くOKの返答が返ってきた。呆気なく実現がかなったため、翌日になって「ああ……凄い、ワクワクしてきた」と時間差で感動がやってきた。

インタビュー前日、どんな内容を聞くか一通り準備をし、最後にもう一度『大人の条件 さまよえるオトナたちへ』を読み直していたら、あとがきで「ひゃっ」と声にならない声ををあげてしまった。林さんは、あの『BOSSA NOVA』を書いた著者だったんだ……。気づくのが遅い、遅すぎる。緊張感が高まる夜を迎えるのであった。

インタビュー当日につづく

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