描写あそび解説

毎度お馴染み、描写あそびの解説です。

描写あそびの解説は、前にやったのでそちらをば


さて先日のお題は「ひこうき雲」でした。

ブルーインパルスも飛んでてたし、タイムリーなお題!


でさ解説スタート


まずは毎度の事ですが、大元を考えましょう。

原型

蒼穹に伸びていく、白い筋。

もう見えない彼ら。

見上げられなかった恨み節をひとつ。


これはもう仕事してて、ブルーインパルス見れなかった恨み節ですね。はい。

では改修をします。

まず飛行機雲と聞いて、何を想像できるか考えてみよう。

・ブルーインパルス

・ゼロ戦

まぁ、これで十二分。

次は展開していこう。

ブルーインパルスは原型でもあるけど、もう一つ加算しましょう。

倍率高いよね。ブルーインパルスの試験。

じゃあ落選して、見上げるだけだった候補生の情緒も入れよう。

これで2通り。

次にゼロ戦。

戦時中に防戦一方、神風など、絶望的な戦いに挑む彼らを見送る家族とかいいね。

これで3通りできる。いつもそれくらいだしいいか。

そうだ今プロットに戦闘機ものあるから、それも入れてみよう。

プロットは隕石(に偽装したUFO)を撃墜する戦闘機の話し。

面白そうだからこれも入れよう。

これらを踏まえて作り直すと、こうなります。

蒼穹が憎らしい。

いくつも伸びる、白い飛行機雲。

もう見えない彼ら。

悪くはないけど、なんか意味を汲み取れない。

言われたら納得するけど、これだと前後に付け足さないと分らないよね

なんか伏線的なワードを入れよう。

空の比喩を変えようか。

例えばただの空ではないわけだ。1と2は蒼穹でもいいけど、あとの2つは違う。

どんな状況だろう。

・ゼロ戦がスクランブルするくらいだから、敵おるよね? キレイな晴れ空ではない。

・隕石(に偽装したUFO)が降ってくるんだから、やっぱり不純物あるよね??

ターコイズってキレイな青だけど、ぶつぶつあるやんな?

じゃあ頭の文章のワードを変えて、憎らしいを最後に回してインパクトをつけよう。

ターコイズを溶かしたような青い空。

悪くないけど、これだとターコイズじゃなくて、青い空の描写やから、に変えて分離しよう。

よし、これでいい。

次、中行を変えようか。

飛行機雲だと直接的すぎてつまらないから、

真っ直ぐに伸びる白い雲。とかがいいかな。

これで全部の要素を入れるとしたら、複数形である必要があるから、

いくつもの白い雲が、真っ直ぐに伸びていく。

情緒が足りないから、前後入れ替え。

真っ直ぐに伸びていく、いくつもの白い雲。

これでいこう。

では最後。

これは前2行を全力否定するような文章がいい。

そうする事で、見れなかったなれなかった見送ってしまう自分見送ることしか出来ない、よっつの要素を表せるはず。

前2つを否定するんだから、こうかな?

それが憎らしい……。

もっとこう情緒!あるのないの?

それがとても、憎らしい。

どうよ?「〜とても、」として量と溜めを追加したよ。

では完成形

ターコイズを溶かしたように青い空。

真っ直ぐに伸びていく、いくつもの白い雲。

それがとても、憎らしい。

どうよ?

これで前後の文章によって、自然に四つの解釈ができるよな!?

1、はっとなり、見上げる。

2、航空祭当日。オレはコックピットではなく、地上にいた。

3、警報が鳴り響いている。息子から届いた最後の手紙には、次の出撃で奉公ができるとあった。

4、スクランブルから10分で、がらんどうになった格納庫。そこから歩いて滑走路へ出て、頭上を見上げる。

ターコイズを溶かしたように青い空。

真っ直ぐに伸びていく、いくつもの白い雲。

それがとても、憎らしい。

1、彼らはすでに飛び去った後だった。

2、この日の為の努力は、実らなかった。オレは、トップガンにはなれなかった。

3、奉公と言って飛び立つ息子も。何より、爆弾を落とす、巨大な敵機も。なにより、見送る事しかできない自分自身が。

4、子供に戦えと言うしかできない、ふがいない大人《自分》たちの無力さをこれほどまで、感じる瞬間はない。

どうよ??( ド´_ゝ`ヤ)

これぞ描写あそびの真骨頂(勝手に言ってる)

最近色々あって禁筆してたけど、ちょっとは自分っぽいのが書けた気がする。

以上、解説終わり!!

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