京大卒博士現役バリバリ研究者から届いたLINE。
晩御飯を食べ終わり、ホッと一息つくタイミングでLINEをチェックした。お互いの結婚式で友人代表スピーチをし合った唯一無二の仲良しからLINEが来てた。
そしてリンクが貼ってある。
ふむふむなるほど、OKOKとリンクをタップした。
友よ、すまん。
読めねぇ。
全部英語だし、読めねえ。
多分、日本語でも読めねえ。
論文とやらは、一般人のワイには全く読めん。
私とて、大学受験時、英語の勉強頑張った。我ながら、それなりだった。そして、本も以前よりは読むようになった。英語も活字も人より苦手ではないはず。
しかし、読めん。
読もうとしても、すぐに思ってしまう。
日本語であれと。
もっともーっと短く簡単に説明してくれと。
友よ。
読めなくてすまん。
英語も読めない。
論文も読めない。
そんな36歳になってしまってすまん。
嫁さんに見せる。
嫁さんも読めない。
嫁さんは「これ何?」といった具合。私とて「多分、どこかの論文サイト」としか答えられない。そして「へぇ〜。〇〇君、やっぱなんかすんごいね〜」と二人で感心する。
研究者のあいつにとっては、英語の論文を読むのなんて日常茶飯事。読むってか、英語の論文を書いて出しまくっている。よく海外の学会で発表してるやつだ。
***
えらい具合に差が開いてしまったものだ。
元からアイツは賢かったし、今まで出会った人の中でダントツ1番頭が良くて、1番面白いやつであり、1番いいやつである。
にしても、小学校からずっと仲良しでずっと一緒にアホしてきた仲。塾も一緒だったし、サッカーも同じチームだった。2024年現在、こうもすっかりと差が開いてしまうとは。。。
ぶっちゃけ笑うしかない。
笑えるくらいにアイツはずっとすごい。
もはや尊敬してる。
オレもがんばろう。
なんてあまり思わない。
むしろ、どんどん差を広げてくれ、とさえ思ってる。オレの知らない世界をどんどん突き進んでほしいし、その話を聞きたい。
これって、弱者の考えなのかもしれない。
負け犬の遠吠えかもしれない。
むかし、一緒に飲んだ時にバーのおっさんに言われたことがある。「君たちの関係は、いびつだね」って。友は、おっさんに一言「なんでそんなん言われなあかんねん」と言い放ち、すぐにお店を出た。
帰り道、弱気になったボクは、「あのおっさんの言う通りなんかもなぁ。。。」とポロッと言葉がこぼれた。
アイツは、半分怒りながら声をかけてくれた。「アホやな。あんなん言わせといたらええねん。なんや知った気になって、言いたいだけやねんから。なんも知らんくせにエラそうなこというて、満足してるだけの胸糞悪いおっさんやで。あれはただの非常識や」と。
***
あのおっさんから言わせたら、いびつな関係なのかもしれないが、京大卒博士号取得現役バリバリ研究者の幼馴染とは、いまだに唯一無二の友達である。それが事実。
いいときも悪いときもお互いに干渉せず、気を遣わず、かといって馴れ合いとかでもなく、シンプルに損得勘定のない仲の良い友達である。
唐突にくる海外の論文サイトもひとまず開いて、一応ざっと読もうとする。ほとんど読めなくても、なるほどな〜って言う。
これからもお互いに全く気を遣わない「いびつな関係」を大切にしていきたいな、と思ったり。そんな感じ。
・こぼれ話
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