【オススメ書籍】マネージャによるメンバー支援施策 1on1について批判的に考えてみる -1 on 1 ミーティング 「対話の質」が組織の強さを決める-
業務上の理由で、1on1関連の書籍を読んでいる。
1on1という施策で実現したいことに対しては、非常に共感する。
・上司がメンバーとの1対1の場を設計し、メンバー支援を主とする
・メンバー支援を通じて、経験学習サイクルを回し、自律した人材育成を目指す
一方で、わかりやすい施策であるものの、自社に取り入れるエッセンスを見極める必要があると感じた。
ヤフーの1on1で実現しているものは何かを理解した上で、
自社のマネジャーとメンバーの接点は現状どうなっているか?どうあるべきか?を見定めてた上で、課題となる部分があれば、エッセンスを取り入れるというのが健全な捉え方かもしれない。
■この本を読むと良い人
・何らかのマネジメント業務を行なっている人
・人材育成、組織開発に関わる人
・上司と1対1をやっているがもやもやしている人
■この本で学べること
・1on1とは何か、ヤフーが1on1を通じて何を実現しようとしたか
・具体的な1on1の進め方
■批判的に考えたいポイント
①短期成果創出と1on1(人材育成)をいかに統合すべきか?
1on1の基本仕立ては、メンバー支援の時間として、メンバーにアジェンダを設けさせる。
ここで気になるのが、マネージャから見ると短期成果に影響度の低いアジェンダばかり持ち込まれた場合どうすべきか?ということ。
いくら、メンバー支援とはメンバー支援がマネージャの仕事だけではないのが悩ましいところ。かといって、進捗確認定例と1on1定例を設けるというのは、手段が目的化している。
理想は、短期成果創出と1on1(人材育成)を統合。例えば、成果を高く求められる営業組織であれば、目標に対する進捗確認というアジェンダを固定化するのが現実的。短期成果創出に影響度の高いアジェンダを通じて、
・内省を促し、個別事例の学びから抽象化、持論化へと導く問いを投げる。
・ネクストアクションについて自発的に考え、決めてもらう。
※軌道修正が可能な仕立てにして自分で決める/やってみる/振り返る
等、進捗の振り返りを行う中で、短期成果創出と1on1(人材育成)を行うのが、理想的なのではと感じた。
※メンバーが話したいことを話してもらう場は、フォーマルでない場を設けて話してもらうのが筋が良いかもしれない。
例えば、ランチ会や朝の雑談ルームの設計等。1on1にて、全てをメンバー主導にするというのは短期成果に関する責任を持つマネージャには受け入れがたいのでは。
②現状の組織では、誰が何を担っているか、どんな問題が起こっているか、課題として解決すべきかを見極める必要がある
現実には、上司と1対1で面談するのは半年に1回ー3回程度、目標設定と評価/FBの時だけという企業も多いのではないだろうか。
その場合は、短期の成果創出に関する支援を別のリーダーが担い、半期の評価を課長が・・・というケースが多い。
日常支援と評価者が分離している状態にて、いきなり課長がメンバーと1on1をやるというのは何の課題を解決しようとしているのか?
自社のOJTにおける人材育成をどうあるべきなのかという方針なしに施策だけ導入しても一貫性がなく、形骸化する可能性が高い。
※ちなみに批判的に考えてはいるが、上司とは全く接点がなく、育成に関するFBがない。半期で評価FBだけという実態も多い中で、素晴らしい取り組み一方で、何を自社として取り入れるべきかを検討するかは慎重に検討というスタンス。
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