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【雑感】なぜ、成功事例(ベストプラクティス)の展開がうまくいかないのか

▽成功事例(ベストプラクティス)の展開に関する実態とは


ある事業部でた取り組みを成功事例を他の事業部に展開する。
(1から失敗するよりも、ナレッジ展開できるので効率的だ、効果的だ)

上記は、基本的にはやったほうがいいことで、どんどんやるべきことだ!

と思える。

しかし、実際にこうした成功事例の展開をしても、なかなか浸透しないことが現実で、どちらかというと成功事例の表出が目的となってしまうことが多い印象。

▽具体的にはどういうことか

例えば、

●企業単位の事例
業界内という単位でいうと、
業界内のAという企業が〇〇という人事制度を始めた。従業員のエンゲージメントが上昇したらしい。
自社もこの〇〇という制度を導入すべきだ。
※直近だと、勤務地不問にするとかが流行っている印象。
●事業単位の事例
事業という単位で言えば、
あるAという営業が、大手企業向けのサービス導入により〇〇という手法が用いて、素晴らしい実績を残している。
〇〇という手法を展開するので、みんな真似すべきだなど。

▽なぜ、成功事例の展開は難しいのか?


一言でいうと、成功事例というのは、文脈に依存しているから。
この文脈を構造的に整理した上で、どのような顧客にどのような営業が行うと成功するのかを整理し、展開する必要がある。

文脈に依存しているというのはどういうことか。先ほどの事例で考えたい

Aという営業が、大手企業向けのサービス導入により〇〇という手法が用いて、素晴らしい実績を残している。
〇〇という手法を展開するので、みんな真似すべきだなど。

上記の場合、例えば下記のようにどのような前提条件の下で、
なぜ成功したいのかは文脈に依存している。
ただAがやっているやり方で、他の営業が行っても成功するとは限らない。

前提①Aという営業
 ・どんなスキル、知識を持っていたのか?
 ・どのような営業のスタイルか
前提②対象の顧客
 ・どんな業界のどんな企業で、どのような課題を持っていたのか?
 ・どのような意思決定フローを持つ企業か?
 ・どのような担当者だったのか?
 ・これまでどのような顧客関係性だったのか?

▽成功事例を展開する時には何が必要なのか?


抽象的なステップでいうと以下。

①成功事例の前提、なぜ成功したのかを明確にする
②浸透先の対象が行うときに何が壁になるかを整理する
③壁を乗り越えるためのどのようなことが必要かを検討する


先ほどの営業の例で言えば、

〇〇という業界の〇〇という課題を持った顧客にはAの成功事例は汎用的に使えそうである。
ただ、Aの営業スキル(トーク構成)に他の社員とGAPがある。
Aの行なっているトーク構成を汎用化(テンプレ化)し、〇〇という課題を持つ顧客を担当する営業に展開する。

といった丁寧な手順が必要で、ただこのような成功事例があるので展開します!だけでは浸透が難しいだろう。

一方で、1営業がここまで他営業に展開するために工数をかける誘因が働かない。

ゆえに評価制度に組み込んだり、横ぐしの営業企画やセールスイネーブルといった組織が展開可能な型にし、全体成果を底上げしにいく事例が多い。


1つの事例の前提と成功要因を丁寧に紐解き、他社員、他事業に展開する形でアウトプットするのは、言うは易し、行うは難しである領域だと思う。

自分もまだまだこれからだが、上記のようなの型が
なんとなく見えてきたので、雑感として整理し、まとめておく。

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