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【オススメ書籍】リーダシップの系譜と構造がわかる ーリーダーシップ構造論―リーダーシップ発現のしくみと開発施策の体系ー

少し古い本にはなるが、波頭さんのリーダーシップに関する書籍を読了。

コンサルの方がよくオススメしているラインナップを読み、リーダーシップに関する書籍を出されていることを拝見して、購入。理路整然とした内容で初学者にも非常に読みやすい。



■この本を読むと良い人


・リーダーシップを体系的に捉えたい人
・リーダーとか自分には向いていないと思う人
・マネジメントをされている方で、ビジョンを掲げることを求めれている

■この本で学べること


・リーダーシップの構造に関する仮説と鍛え方
・これまでのリーダーシップに関する理論系譜

■メモ


1、マネジメントとリーダーシップの違いとは
上記2つは、組織を動かす1つの方法論になる。

マネジメント:
・ルールや制度といった何らかの基準値をもとにメンバーの行動に適用し、組織集団を動かす
・定型的・反復的業務(マニュアルレイバー)は、平準化、標準化することにより、生産性向上を行うことができるため、相性が良い

リーダシップ:
・人の心の働きかけによって、啓発と動機付けにより、人を動かす。
・自発的、主体的であるため、メンバーのモチベーションは高い。
・非定型、創造型のヒューマンワークに対して、求められる。

トレードオフではなく、業務や目の前の状態に合わせて求められるものが変わるもの。


2、リーダーシップに関するこれまでの議論の系譜について

1900年代ー1940年代
 ①リーダシップ特性論 
 ・何らかの共通する個人特性や資質を持っているという考え方に基づいた
  リーダーシップの古典理論。
 ・過去の成功したリーダーに共通したものは何かを研究したもの。
  リーダーシップは作られるのではなく、生まれながらにしてもつ資質で
  あるものとされる。
 ・100項目以上の特性から研究されたが、リーダーシップ発言性に
  必然性を与えるものはなかった。

1950年代ー1970年代
 ②リーダシップ行動論 
 ・優れたリーダーとそうでないリーダーの行動比較によって違いを
  あきらかにしようとしたもの。
 ・マネジリアルグリッド理論、三隅二不二のPM理論が代表的。
 ③リーダーシップ交流論
 ・リーダーとフォロワーのギブアンドテイクの関係を着目したもの。
 ・リーダーの指示に従って、フォロワーに動いてもらうにはどのような
 ・タイミングで報酬を出すのが効果的かが研究されたが、
  報酬タイミングが複雑なため、どう目標設定を行う良いのか研修された

1980年代ー
④変革型リーダーシップ論
 ・企業の事業環境の変化もあり、これまでの行なってきたことを
  大きく変えていける変革型のリーダシップに注目が集まった
 ・ビジョンを明確に打ち出す、メンバーに共有する、信頼感を醸成する、
  自身に自信を持つの4点が示された
 ⑤リーダーシップ開発論
 ・成功したリーダーは経験を通じて一皮剝ける経験をしていることが
  わかってきた。
 ・経験から学ぶ能力を人を見出す、適切な経験を積ませることという
  リーダシップの開発論が出てきた。
 ・ここではリーダーシップは育成できるものとして置かれている。

先天的な資質という捉え方から、行動、フォローへの働きかけに移り変わり、リーダーシップが開発できるものとなっていった系譜はストーリーとしてわかりやすく面白い。

所感

・一皮剝ける経験とはどのような経験で、そこで何が得られるからリーダーシップが開発されるのか?
・一皮剝ける経験があっても、リーダシップが発現する人としない人は何が違うのか?等は今後も考えてみたい問い。

また、今後の環境変化をかんがえるとよりリーダーシップが必要なのではと感じた。
理由としては、テクノロジーにより、一部の業務が効率化され、人が手を動かさなくなる。業務の中でも、人が携わるものが絞られる(〇〇の分岐の時は人がやる等)

業務の変化により、職務特性モデル(ハックマン=オルダム・モデル)に基づくと、
・仕事の完結性がなくなり、技能多様性も狭くなる可能性がある。
・タスクの重要性も減っていく

そのような状況だからこそ、リーダがフォロワーに対し、どのように仕事を意味付けて渡すか、仕事を切り取るか?(目標設定やタスク設計をするか)が重要になりそう。


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