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Heaven and Hell (Black Sabbath) #私を構成する42枚 より

#私を構成する42枚
より17枚目の紹介はBlack Sabbathの『Heaven and Hell』(1980年)です。

Black Sabbath(ブラックサバス)というバンドは『Paranoid』でもご紹介しましたが、私にとって洋楽およびヘヴィメタル入門として、多大な影響を及ぼした存在です。

そんなバンドも初期メンバー解体後はギタリストのトニー・アイオミ以外は流動的になり、曲調もそれぞれ異なります。
大きく分けると、ボーカルのオジー・オズボーン、ロニー・ジェイムス・ディオ、トニー・マーティンの3つの時代があります。

『Heaven and Hell』はリッチーブラックモアのレインボーで既に名声を獲得していた、ロニー・ジェイムス・ディオがオジーの後釜として加入し、制作された1作目となります。

歌唱方法がオジーとは全く異なるロニー。
オジー時代は悪魔的な要素が強かったですが、ロニーは神話の世界を表現していました。

『Heaven and Hell』はそのイメージそのままの世界を、ヘヴィメタルの叙情性をうまくピックアップし、琴線に触れるメロディと歌唱力で泣かせてくれる作品です。

捨て曲はほぼないと言っていいでしょう。

ロニーはオジー時代の曲もライブで歌いますが、まったく新しい曲として聴くことができます。
その逆はやろうと思っても無理ですね。オジーがロニーの曲を歌うイメージが出来ません笑

トニー・アイオミのギタープレイは、ソロに関して言えば作曲していないアドリブ部分はほとんど変化しない、完全手癖なんですが、それがまだまだ生きている、そんな時代の作品です。
トニー・マーティン時代では飽きてきますが、何といっても彼はリフ・マスターの異名を持っている通り、曲の要となるリフは創造的なものが多く、しぶとくオリジナリティを発揮します。

ギタリストとして、クラシックヘヴィメタルを好む者としてトニー・アイオミはやはり偉大なリフ・マスターなのです。
パワーコードでどこまでグルーブを創造できるのか、その限界に挑戦しているのではとも思います。
シンプルイズベスト、まさにそんな世界です。

この『Heaven and Hell』でも一度聴いたら耳から離れない魅力的なリフが詰まっています。
ロニーもメロディラインも秀逸です。

また、ドラムのビル・ワードはこの作品を最後に、スタジオアルバムで復帰することはありませんでした。
ビルはその後のメタルドラマーとは違ったグルーブ感を持っていたので好きでした。
ディープ・パープルのイアン・ペイスもそうですね。

サバスのドラムはその後、カーマイン・アピスの弟、ヴィニー・アピス、ボビー・ロンディネリ、コージー・パウエルなどが努めます。
個人的にはコージー参加の『TYR』はトニー・マーティン時代の大傑作だと思っています。
残念ながらサブスクにはありません。
CDを持っているので、ウォークマンに入れて今でも聴いています。
タイトルが示す通り、北欧神話をテーマにしたコンセプチャルな作品です。



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