見出し画像

中津秀一がこの世にいないなんて信じられない。

私が永遠に恋しつづける相手「中津秀一」。今の20代の人はきっとこの人物にピンと来るはず。そう、彼は2007年のフジテレビ系列火曜9時に放送された「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」にてヒロインに一途に恋するマジでいい奴で2000年代のカッコいい陽キャを全て詰め合わせたような最高の男、中津秀一である。(本作は漫画が原作ですが、私の恋した相手は生田斗真が演じた中津秀一)

当時私は小学3年生という幼さ故に、ドラマの役とそれを演じる俳優の人柄は完全に一緒だと考えていた。なので当たり前に生田斗真にも恋をした。だが、ドラマの公式ホームページにあった出演者のプロフィール帳公開!的な奴の中での生田斗真が全ての質問をすごく落ち着いた感じで答えており「全然中津じゃないじゃん!!泣」と勝手にがっかりし、じわじわと中津秀一≠生田斗真という現実を受け入れるようになったという思い出がある。


中津秀一を一言で表すと「THE 陽キャ」。20代の人に「陽キャってどんなイメージですか?」とアンケートを取ったときに出てきた答えを全部集めたような人間。陽キャの代表。このドラマを見た人はみんな高校生に戻って中津に恋する爽やかな青春時代を送りたくなるし、なんなら男に生まれて一緒に海行ってナンパに失敗する中津を笑いながら焼きそば食ってたい。


今のイケてる男子高校生って黒髪でしっかり耳も見えていて襟足も短い。そしてシャツは第一ボタンだけ開けてズボンにしっかりインをする。変にチャラくせずに学校の規定に沿った着こなし方にも関わらず隠しきれないスタイルの良さとモテを身に纏った好青年イケメン。というようなイメージだし私も見かけたら素敵!!となる。

しかし、中津秀一は違う。
ワックスで茶色く染めた髪の毛をふわふわと逆立たせ、襟足も長ぇしシャツの襟に平気で届いてるどころか被さってる。第二ボタンも開けてるしシャツはズボンから全て出てるし、腰パンしとる。完全に今の高校生がしたら時代遅れだが、これが最高にカッコいい。このビジュアルで陽キャで面白くてサッカー少年。完璧すぎる。私の小学生の頃に思っていたイケてる高校生の塊。


『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』は芦屋瑞樹(堀北真希)が自分が原因で高跳びをやめた佐野泉(小栗旬)をもう一度飛ばせるために性別を男と偽り、佐野の通う男子校に編入するというツッコミどころ満載なドラマなんですが、中津はそんな男だと思っている芦屋瑞樹に恋をします。

中津は女好きであると自分を認識しているが故にこの同級生に恋する気持ちに戸惑いを隠せない…だが、瑞樹のことが好きで好きでたまらない…俺はどうしたらいいのか…?

こんな葛藤をめちゃくちゃコミカルな一人芝居で見せてくれるので本当に笑える。瑞樹の女装姿(女なので女装ではないが)に思わず鼻血を出したり、「もし瑞樹と結婚して授業参観に行ったらどっちがお父さんか困惑されるんじゃ…?」女子校の女の子に告白され「この子だったら授業参観に行っても困惑されないな」とやたら授業参観を基準に考えているのも面白くて好きだった。

そして完全に瑞樹の行動からして佐野への特別感が出まくっているのにも関わらず、おバカな中津は瑞樹は自分と両思いと勘違いし始める。愛おしい。


しかし私は、そんなただ明るくて面白いおバカな中津が好きなのではない。中津は学校での自分のキャラをわかっており、如何なる時もそれを守るのだ。

恒例行事として女子校とのダンスパーティーを行うのだが、参加するはずだった女子高生が来れなくなり、急遽男子が女装してペアを組み直すことになるシーン。中津は女装した瑞樹とペアを組むことになるという中津にとっても視聴者にとっても激アツ展開。

しかし、本番中に瑞樹は佐野の元へと走ってしまう。1人残された中津。思い詰め今にも泣きそうな顔で会場の隅っこに座り込んでいる。おい!芦屋!中津は本当に楽しみにしていたんだぞ!あんなにウキウキしてあんたとのダンスの練習を楽しんでいたんだ!本番中に別の男の元へ行くなんてあんまりだろ…泣

こんな中津の悲しい気持ちとは裏腹に、なぜかダンスパーティのベストカップル賞に自分たちが選ばれてしまう。この時の中津…本当にいい奴なんです…だって好きな人が他の男の元へ行ってしまった直後ですよ?その後におめでとう!て言われても「ハハ…あざす…」としか言えないはず。しかし中津はね、

「みんな…今日はありがと!すっっげぇ楽しかったです!センキュー!!!」

って笑顔で言うんですよ!!!!!!!空気を壊さないように、自分のキャラを徹底して盛り上げる。私はそんなみんな思いのあなたが好きです。大好きです。付き合ってください。


今でも中津秀一がこの世にいないことが受け入れられない。しかし、私は青春の塊である貴方を胸に、前に進んでいきます。


もし、この2022年版でこのドラマを放送するとしても2007年当時のイケてる高校生がお送りする青春ラブコメとして作り出して欲しい。


ありがとう中津秀一。


この記事が参加している募集

#おすすめ名作ドラマ

2,484件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?