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その5 がっぴょ~~~ん

2017年 (平成29年) 40歳 11月下旬

生検後は、結果が出るまでの2週間、毎日処置(患部を消毒してガーゼ交換)を行う必要があった。

ま~処置と言っても、そんなに複雑なことではないみたいんだけど、後頭部は全くといっていいほど見えないところ。

確実な処置のためには誰かのサポートが必要だろうと思った僕は、いつも週に数回利用しているホームヘルパー(以下:ヘルパー)さんに臨時で毎日来てもらうようお願いすることにした。

ヘルパー…
ヘルパー…

「えっ、そうなんですか?」

先生が必用物品のすべてを処方してくれると思ったら、ガーゼは自分で購入する必要があるとのこと…

(ガーゼって医薬品じゃないのかな?)

仕方がなく、近くのドラックストアへ

「あの~この商品で、この傷をカバーできるくらいのサイズってないですか?」

貼れるタイプ(ガーゼ付きの絆創膏)が便利そうだったから、最適なサイズを買うために患部を店員に見せる僕…

「えっ、ええ~!どうしたんですか?そこ…」

グロテスクであろう患部を見て警戒する店員さん。

「ハハハ、たいしたことないですから!」

「そうですか~?えっと…これなどいかがでしょうか?」

商品は、最も小さいSサイズみたいだ。

「じゃ~それを1箱ください」

家に帰ってから、ヘルパーさんに伝える手順を紙に書くことにした。

「綿棒に消毒液を浸して患部に塗った後に、ガーゼで保護する」

もしも患部が目に見える場所なら、確実に自分でできることなんだけどね…

ヘルパーさんに手紙をたしなめたおかげなのか?2週間の処置は完璧で、患部が感染するようなことはなかった。

ヘルパーさんありがとう!

さて…

結果を聞きに、再び大きな病院の皮膚科を受診した僕。

(う~…まだ呼ばれんのか…)

今回は予約外来受診なので、前回のように待ち時間が長くなることはないんだけど、結果が早く知りたくて、ほんの少しの時間が待ち遠しくてイライラしてくる…

(ふ~落ち着け…そうだ!行きつけの理容院で聞いた話を思い出そう…そうそう…理容院と美容院の違いってやつ…えっと~カット、髭剃りなど容姿を整えることを理容と言って~パーマなど美容を行うことを美容と言うんやったな。でも最近は、美容院なのに理容行為しているところがあるみたいで、理容師志望の人材が減っているとか…)

そんなことを無理矢理思い出すことで、なんとか平静を保とうとしていた時、ついに診察室からお呼びがかかった。

「お待たせしました!」

僕は意を決して、車いすを漕いで診察室へ…

診察室へ入ると、何か思い詰めたような表情で書類を見つめる先生…

(嫌な予感…)

先生は、僕の入室がわかると、こちらを向いてこう言われた。

「あっ、お久しぶりです。体調にお変わりないですか?」

「ええ、おかげさまで」

「それは良かったです。…早速ですが、生検の結果です」

「どうでしたでしょうか…」

「出来物は…」

「出来物は?」

「皮膚癌であることが判明しました…」

皮膚癌なのかよ~
皮膚癌なのかよ~

「(がっぴょ~~~ん)皮膚癌…ですか…」 

頭の中は大混乱…

(皮膚癌って…皮膚に出来る癌なんでしょ?ってことは髄芽腫と同じ?)

もしかして、死んじゃうとか…

ー つづく ー


いかがでしたか?

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