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その6 キテイ…なんじゃそれ?

もうダメかもしれない…

そんな思いでガッツリうなだれる僕を見た先生は、何かをつけ足そうと話を続けられる…

「皮膚癌なのは確かですが…」 

(まだなんかあるわけ?皮膚癌なんやろ…ですがもへったくれもね~わ…) 

ひねくれ者の僕はそう思う…

「基底細胞癌ですので、しっかり採ってしまえば大丈夫です!」 

もうダメかも…
もうダメかも…

「キティ…」?

(なんじゃそれ?)

当時、僕にはそれに対する知識が全くなく、病名を聞いてもチンプンカンプン…

「えっと、それは手術を受けるということでしょうか?」

「そうです。基底細胞癌は徐々に大きくなっていきますから、できるだけ早い時期にしたほうがいいです。入院は前後数日必要なので最短で3日間です。いつにしますか?」

(えっ?そんな短期間で退院なの?)

学生の頃に受けた開頭手術時とは明らかに違う…

本当なのかな?

どうせ落ち込む僕を安心させて手術を認めてもらう口実(嘘)なんだろうけど、悪いものは早く採ってもらいたいから…

「わかりました。じゃ~先生の都合が良い最速の日で手術をお願いします」

「それでしたら…私は年内(年末)でも大丈夫ですが…」

「それ(年内)でお願いします。」

「わかりました。本日の診察はこれで終わりです。お帰りください。それと、患部の消毒はもう必要ありませんから。」

「それでは、今度お会いするのは入院時ですね。よろしくお願いします。では…」

重苦しい何かを背負った感じのまま、診察はそこまで。看護婦さんから入院時の説明を聞いた後、会計で支払いを済ませ駐車場へ向かった。

キテイって何?
キテイって何?

(そうだ!電話しないと!)

車に乗り込むや否や、生検結果の報告をするために職場へ電話。

「あっ、お疲れ様です。あの~検査の結果なんですが…残念ながら皮膚癌でした…えっ本当です!冗談ではないです。詳しくは明日出勤したときに…」

職場の人も、驚いたのか?結果を2度聞してくる…

ま~結果が結果だけに、職場の人もびっくりしたんだろうな〜

今の職場は、10年あまりの時間お世話になっているからな〜

いろいろ気にかけてくれる職員さんの顔が浮かぶ…

これから僕はどうなるんやろうか…

ひょっとしたら、今後働くことが出来なくなるかもしれない…

そんな思いで家路についた僕は、消毒でお世話になったヘルパーさんにも同じ報告…

案の定、場の空気が氷のように冷たく静まり返ってしまい、胸が張り裂けそうになったのでありました。

ー つづく ー


いかがでしたか?

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