【創作寝物語】 かあさんヤギのおかいもの

ある日、お母さんヤギが言いました。

「買い物に行ってくるから、お留守番お願いね」

「はーい!」

三匹の子ヤギたちは、元気に返事をしました。


お母さんヤギが出かけた後、子ヤギたちは言いました。

「お母さん、いつもどこに買い物に行ってるのかな?」

「ついていってみようか?」

「そうしよう!」

と、子ヤギたちはお母さんの後をついていくことにしました。もちろん、見つからないように。

お母さんヤギが、市場で何を買おうかみているところへ、子ヤギたちは追いつきました。子ヤギたちは、物陰からそっと見ています。

お母さんヤギは、ニンジンを買いました。

「僕ニンジン好き!」「何を作るのかな?」「おいしそう」子ヤギたちは口々に言いました。

お母さんヤギは、後ろを振り返りました。子ヤギたちは、さっと物陰に隠れました。

「おかしいわね、子ヤギたちの声が聞こえたような気がしたんだけれど」

お母さんは、買い物を続けました。今度は、ミルクを買いました。

「僕、ミルク大好き!」「シチューかな?」「おいしそう」子ヤギたちは口々に言いました。

また、お母さんヤギが振り返りました。子ヤギたちは、さっと物陰に隠れます。

「おかしいわね、子ヤギたちの声が聞こえたような気がしたんだけれど」

お母さんヤギは、今度は、パンを買いました。

「僕、パン大好き!」「パンとシチューは相性いいよね」「おいしそう」子ヤギたちは口々に言いました。

お母さんヤギは、また後ろを振り返りました。子ヤギたちは、さっと物陰に隠れます。

「おかしいわね、子ヤギたちの声が聞こえたような気がしたんだけれど。さ、買い物も終わったし、帰りましょ」

お母さんヤギが、家の方向へ向かいます。

子ヤギたちは、お母さんヤギより早く、家に着かなければなりません。だって、本当は留守番をしているはずなのですから。

子ヤギたちは、お母さんヤギに見つからないように、急いで森を抜けて回り道をして家に帰りました。

子ヤギが家に着いたころ、お母さんヤギが帰ってきました。

「ただいまー。いいこにしてたかしら?」

「お母さん、ニンジン買ったでしょ」「ミルクも買ったよね」「パンも買ったよ!」

子ヤギたちは、うれしそうに言いました。

「おかしいわね、まだ買ったものを見せていないのに。みんな大当たりよ。今日はみんなの好きなシチューにしましょう」

お母さんヤギと子ヤギたちは、おいしいシチューを食べましたとさ。

おわり


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