【ビジネス書解説】『最新研究でわかった "他人の目"を気にせず動ける人の考え方』
こんにちは。
今回は、堀田秀吾さんの『最新研究でわかった "他人の目"を気にせず動ける人の考え方』について解説していきます。
はじめに
自由に生きたい。
自分の心に素直に行動したい。
これは、誰もが願う理想だと思います。
しかし、なかなか、そうはいかないものです。
その最大の敵となるのが「他人の目」です。
僕達が他人の目を気にする理由は様々です。
「嫌われたくない」「他人に認められたい」「否定されるのが怖い」「いい人と思われたい」などです。
他人の目を気にすることは悪いことではないです。
ですが、そのせいで、「一歩が踏み出せない」「他人が羨ましい」「判断や決断ができない」「心が休まらない」などのネガティブな影響が出てしまいます。
それこそが問題です。
この本は、気が楽になれる方法を54個紹介しています。
今日は、その中の8個を厳選して解説していきます。
つい他人を気にしてしまう人におすすめの記事です。
この記事が勉強になった、参考になったという人は、いいねやコメントを是非お願いします。
具体的なアクションプラン
【1個目】 相手は「半分」も気にしていない。
人が自分のことをどう思っているか気になるのは、人間の本能であり、避けがたいことでもあります。
人間は、生存競争に生き残るために、周囲と連携をとり協力し合うことを選んだ社会的な動物です。
裏を返せば、周囲と連携できない者は、所属する集団の生存を脅(おびや)かすため仲間はずれになります。
そんな事態を避けるため、僕たちは人の目を気にして、「いい人」に思われようと努力します。
ハーバード大学のタミルとミッチェルは、「自分の話」をするとお金はもらえず、「知人や有名人など他人についての話」をした量に応じてお金がもらえるという条件で、3人の被験者に話をさせました。
全員が他人の話をして報酬を受け取るだろうと思いきや、実際は、報酬が平均で約2割近く減っても、自分の話をすることを選んだそうです。
また、どちらの話をしても報酬を出す条件では、約7割が自分の話になりました。
損してでも自分の話をするほど、僕たち人間の関心は「自分」に向いているのです。
自分が気にしていることを、他人も同じぐらい意識していると考えるのは、1つの偏った考え方=思い込みにすぎないです。
こうした、自分が他人から注目されている度合いを過大評価することを「スポットライト効果」といいます。
コーネル大学のギロビッチらは、誰が見ても「ダサい」と苦笑いするようなTシャツを被験者の学生たちに着てもらい、学生の集まりに顔を出すよう指示しました。
当然、学生たちは「こんなダッサいTシャツを着てたら笑われる、注目される」と気にしながら参加します。
1分後、被験者たちは学生集会を離れました。
その後、教室にいた人のうち何人が、「ダサいTシャツ」を着た被験者が来たことを覚えているかを確認したところ、覚えていたのは全体の2%でした。
ちなみに、被験者自身は「半分ぐらいは覚えているだろう」と予想していました。
自分が心配している半分も、注目されていなかったというわけです。
不安を抱えている人は、少なくともあなたが思う半分しか他人はあなたに注意を払っていないのだと考えてみてください。
【2個目】 相手はとっくに忘れている。
「困ってたみたいだし、手伝ってあげればよかったかな.....」「もうひとつ盛り上がらなかったな...嫌われたかも...」と、クヨクヨすることはありませんか?
「過ぎたこと」と振り払いたいところですが、ネガティブな記憶ほど思い出しやすく、何度も思い出すうちに記憶に強く刷り込まれていきます。
しかし、肝心の相手がすっかり忘れているとしたらどうでしょう?
19世紀の心理学者ヘルマン・エビングハウスは、人の記憶について研究し、「人間は時間が経てば経つほど、 再度学習しなければどんどん思い出しにくくなる」ことがわかりました。
有名な「エビングハウスの忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)」という理論です。
考えてみれば当たり前のことで、人間の脳をパソコンのハードディスクに例えるなら、おのずと記憶容量には限界があります。
新しい情報を蓄えていくためには、古い情報を消去していく必要があります。
脳は「忘れる」ことで、情報の断捨離を行っています。
試しに、あなたも誰かの失敗を思い出してみてください。
この1カ月の間に、誰がどんな失敗をしたか覚えていますか?
きっと答えられないはずです。
あなたがクヨクヨ思い悩んでいることを、相手はとっくの昔に忘れている可能性が高いのです。
そう思うと、自分一人が悩むなんて損し、バカバカしく思えてくるはずです。
【3個目】 「コンプレックス」のある人ほど優秀。
人間、誰しも多少のコンプレックスは持っています。
自分が他人よりも劣っているという主観的な感情」です。
ポイントは、「主観的」という部分です。
しょせん主観なので、本人の気持ちの問題だけです。
端から見たら明らかに人並み以上なのに、本人はコンプレックスを持っているなんてこともしばしばあります。
明らかに美人なのに、本人は鼻にコンプレックスを持っている、なんていう話はありがちです。
逆に、コンプレックスを持っているくらいの方が、逆よりは良いかもしれないです。
「優越(ゆうえつ)の錯覚(さっかく)」と言いますが、コーネル大学のダニング・クルーガーによる実験で、「能力が低い人ほど自分のことを過大評価する」ことが示されています。
ダメな人は、自分をダメだと認識できないということです。
ダニングの実験では、ユーモア、文法、論理のテストを行いました。
例えばユーモアでは、被験者に30個のジョークを読ませ、どれくらい面白かったかを評価してもらい、同時に、「あなたのユーモアの理解度は、同年代の中でどのくらいに位置していると思いますか?」と尋ねました。
結果、実際のユーモア理解度の順位の低い人ほど、「自分はユーモアセンスがある」と自己評価を高くする傾向があったのです。
また、成績が下位25%以内の人は、「上位40%程度にいる」と自分を過大評価する傾向があり、逆に成績が上位25%以内の人は、自分は「上位30%程度にいる」と過小評価しました。
優秀で謙虚な人ほど自分を過小評価するということです。
結局、コンプレックスの原因は、「理想の自己」と「現実の自己」のギャップです。
まずは、「現実の自己」を自分自身が受け入れてあげるということが、何よりも大切です。
たしかに、理想を持つことは大切です。
でも、現実と理想のギャップがどうしても受け入れられないなら、ただ眺めて苦しむのではなく、ギャップを埋める努力を 「一心不乱」にすればいいです。
ハーバード大学のキリングズワースとギルバートの研究によると、人間は何かに集中していないときに幸福感が下がるそうです。
大胆に言えば、「暇」だから余計なことを考えてしまうのです。
一心不乱という言葉の通り、余計なことを考える暇がないくらい一心に目の前のことに打ち込むと、作業もはかどり、ネガティブな感情も湧いてこないです。
【4個目】 第一印象だけはポジティブな面を見せるように心がける。
自分がどう思われているかを、人は気にせずには生きていけないです。
社会的生活を営む上で、あるいは生物として生存競争を生き抜くために、他人から良く思われたり、「仲良くしたい」と思ってもらえる自分を見せていく必要があるからです。
しかし、相手はこちらが思っているようには見てくれないから問題です。
例えば、「自分は話下手だ」と思い悩んでいても、相手には「あの人は口が固くて誠実そうだ」と思われているかもしれないです。
逆に「自分は話がうまい、コミュニケーションに長けている」と自負していても、相手には「ペラペラよくしゃべるけど、なんか信用できない」と警戒されていることもあります。
ここでは、初めて会った人との印象形成に絞って、第一印象の話をもう少し考えていきます。
プリンストン大学のウィリィスとトドロフの研究によると、魅力、好意、信頼、能力、積極性などの印象形成は、顔を見てから0.1秒で行われるとのことです。
0.1秒から0.5秒に増やすと、ネガティブな印象を抱き始め、0.5秒から1秒になると、ほとんど違いが出ないものの、判断への自信は増えるとのことです。
つまり、印象形成には1秒もかからないということです。
だから、第一印象だけはポジティブな面を見せることが大切です。
【5個目】 悩んでいる暇があったら行動する。
イライラしている人を見て、その人に好印象を抱いてくれる人なんていませんし、悪い意味で周りに気を遣わせてしまいます。
今、あなたがイライラしているとしたら、絶対にやってはいけないのは、そのイライラについて考えることです。
決して、イライラの原因を追求したり、誰かに八つ当たりしてはいけないです。
イライラはエスカレートするばかりです。
カンザス大学のクラフトとプレスマンの研究によれば、無理矢理大きな笑顔を作らされた被験者たちは、ストレスからのリカバリーが早かったそうです。
究極的には、人間は悩む暇があるから悩みます。
どれだけ悩み、イライラしていても、ちょっとしたハプニングでも起きて、考える暇がなくなれば、悩みのことなど忘れます。
ハーバード大学のキリングワースとギルバートによる16カ国、18歳から88歳までの5千人を対象に行った調査によると、人は、目の前のことに集中できていないときには幸せを感じづらいというということでした。
「一心不乱」「一所懸命(いっしょけんめい)」という言葉の通り、脇目(わきめ)も振らずに何かに集中することがイライラや不安などの心を惑わす感情への特効薬(とっこうやく)です。
シドニー大学のザボとニューサウスウェールズ大学のラヴィボンドは、人々の悩みについて調査し、分かったことがいくつかあります。
1つは、約半数の人の悩みは「問題解決過程」に関するものです。
しかも、そういう人に限って、満足できる問題解決法には大抵行きつかないです。
またこの調査では「何をやったってダメだ」と決めてかかると、ますます問題解決が難しくなることもわかっています。
もう1つの興味深い発見は、こうした傾向を持つ人に「なにか他の出来事が起こらない限り悩み続ける」という特徴があったことです。
裏を返せば、人間はどうせすぐに忘れてしまう程度のことで悩み、イライラしています。
それなら、他のことをして、イライラを忘れられるぐらい忙しくしていればいいです。
あるいは、とにかくゴールを決めてください。
ゴールさえ決めて行動してしまえば、最終的に満足度は高くなっていきます。
【6個目】 作業スペースにスマホを持ち込まない。
忙しい現代人の脳は、常に「マルチタスク」を強いられています。
仕事に集中しようと思うとメールやメッセージが飛び込んできたり、プライベートの時間にも、仕事の連絡が入ってきたりします。
特にスマホの存在は、僕たちの脳にかなりの負担をかけています。
目の前で仕事が山積みになっていて、やらないといけないことは分かっているのに、ついダラダラとSNSを眺めたりゲームをしてしまう。
メールやメッセージのやりとりも際限がない。
誰しも、心当たりがあるのではないですか?
そこにあるスマホを気にするだけで、私たちのパフォーマンスは確実に低下しています。
テキサス大学オースティン校は、何かに集中したり、意思決定をしたりする際に、スマホがそばにあるだけで注意力が散漫(さんまん)になることを実証しています。
ベストは、隣の部屋に置いてしまうこと。
スマホが全く手にとれない、見えない環境に置いておくのが良いということです。
また、バージニア工科大学が行った、約100組のカップルを対象にした研究によると、テーブル上に1台のスマホがあるだけで、あるいは一方がスマホを触っているだけで、カップルのお互いに対する親近感や共感は低下するそうです。
スマホを使う場所を決めておくのがおすすめです。
【7個目】 大きな成果を上げたい時は、焦らない。
「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、日本人はどちらかというと、森を見る文化だとされています。
ミシガン大学アナーバー校のニスベットと北海道大学の増田(ますだ)さんの研究によると、背景が変化していく様子を見るとき、欧米人は人の表情に気を取られるのに対し、日本人は背景の変化にも気がついたそうです。
欧米文化圏の人は、背景よりも中心となる「人」や「物」を見る傾向が強く、アジア文化圏の人は「背景」情報にも注目するという傾向があるわけです。
この違いは、アジア文化では、もともと文脈や背景に依存する割合が強いからです。
常に総合的にものごとを見るという、もともとの認識パターンの差異が影響しています。
これは文化論的にも腑(ふ)に落ちるところがあります。
日本は高コンテクスト文化とされ、言葉からそれ以上の情報を汲み取り、「阿吽(あうん)」の呼吸で相手とやりとりするのが最高のコミュニケーションとされます。
これに対し欧米は、低コンテクスト文化。
コミュニケーションは言葉を通じて行われ、「言葉にしないと分からない、伝わらない」という文化圏です。
何か作業するときにも、作業そのものではないことに気を取られると、パフォーマンスは落ちる傾向があります。
北海道大学の村田の研究でも、「報酬を得ようとすると、気が急いてエラーをしやすくなる」ことが裏付けられています。
実験は3つの被験者グループに、それぞれ次の条件を付けて行われ、検証されました。
グループA、報酬なしで回答してもらう。
グループB、報酬を与える。回答が遅ければ報酬を減らす。
グループC、報酬を与える。回答が早ければ報酬を増やす。
結果、モチベーションの高いグループCだけに、早く課題を終わらせようとする傾向が見られました。
しかし同時に、間違ったときに、つまり回答が遅くなるリスクが生じたときに反応する脳波が、他のグループの被験者より大きくなりました。
人間は失敗したことによって報酬が減ることよりも、失敗しなければ報酬を増やせたのに、そのチャンスを逃したことを気にするということです。
「急(せ)いては事を仕損じる」と言いますから、大きな成果を上げたいなら、むしろ「急がば回れ」を意識してください。
【8個目】 いつもポジティブな解釈をする。
思い出すたびに怒りに震えるような、誰かの一言はないですか?
「なんであんなこと言ったんだろう。 もしかして悪いのは私の方?」なんて、トゲのように心に刺さったままの一言です。
でも、人を傷つける言葉を口にした当人は、自分の言葉が相手の心に刺さり傷つけていることに、気がついていないです。
気がついていたとしても、その場を去ったらもうそのことは考えてもいないです。
すぐ忘れます。
人間は、いらない記憶をどんどん断捨離します。
ということは、あなたが傷ついたことは、自分ごとではないので断捨離対象です。
それなのに自分だけいつまでも悩んでいたらバカみたいで、もったいないです。
こんな研究結果もお伝えしておきます。「心配事の79%は実際には起こらず、16%の出来事は事前に準備していれば対処可能」これはペンシルバニア大学の研究結果です。
つまり、心配事が現実になる確率はわずか5%ということです。
加えて、「事実は1つ、解釈は無限」ということを覚えておいてください。
ある1つの出来事があったとして、そこからモヤモヤ、イライラが発生する人もいれば、なんとも思わない人もいます。
それは出来事に対する解釈の違いから来ているのです。
だったらポジティブに解釈した方がお得です。
自分が前向きになれるようなポジティブな解釈を選び、ストレスを最小限に抑えてください。
まとめ
それでは、まとめていきましょう。
【1個目】 相手は「半分」も気にしていない。
《損してでも自分の話をするほど、私たち人間の関心は「自分」に向いている》
不安を抱えている人は、少なくともあなたが思う半分しか他人はあなたに注意を払っていないのだと考えてみてください。
【2個目】 相手はとっくに忘れている。
《人間は時間が経てば経つほど、 再度学習しなければどんどん思い出しにくくなる》
あなたがクヨクヨ思い悩んでいることを、相手はとっくの昔に忘れている可能性が高いのです。
そう思うと、自分一人が悩むなんて損し、バカバカしく思えてくるはずです。
【3個目】 「コンプレックス」のある人ほど優秀。
コンプレックスとは…「自分が他人よりも劣っているという主観的な感情」です。
《コンプレックスの原因は、「理想の自己」と「現実の自己」のギャップ》
まずは、「現実の自己」を自分自身が受け入れてあげるということが、何よりも大切です。
言葉の通り、余計なことを考える暇がないくらい一心に目の前のことに打ち込むと、作業もはかどり、ネガティブな感情も湧いてこないです。
【4個目】 第一印象だけはポジティブな面を見せるように心がける。
《印象形成には1秒もかからない》
そのため、第一印象だけはポジティブな面を見せることが大切です。
【5個目】 悩んでいる暇があったら行動する。
《どれだけ悩み、イライラしていても、ちょっとしたハプニングでも起きて、考える暇がなくなれば、悩みのことなど忘れる》
あるいは、とにかくゴールを決めてください。
ゴールさえ決めて行動してしまえば、最終的に満足度は高くなるということが研究で分かっています。
【6個目】 作業スペースにスマホを持ち込まない。
《メールやメッセージのやりとりも際限がない》
誰しも、心当たりがあるのではないですか?
そこにあるスマホを気にするだけで、僕たちのパフォーマンスは確実に低下しています。
スマホを使う場所を決めておくのがおすすめです。
【7個目】 大きな成果を上げたい時は、焦らない。
《急がば回れ》
人間は失敗したことによって報酬が減ることよりも、失敗しなければ報酬を増やせたのに、そのチャンスを逃したことを気にします。
「急いて(せいて)は事を仕損じる」と言いますから、大きな成果を上げたいなら、むしろ「急がば回れ」を意識してください。
【8個目】 いつもポジティブな解釈をする。
《人を傷つける言葉を口にした当人は、自分の言葉が相手の心に刺さり傷つけていることに、気がついていない》
それなのに自分だけいつまでも悩んでいたらバカみたいで、もったいないです。
ポジティブに解釈した方がお得です。
自分が前向きになれるようなポジティブな解釈を選び、ストレスを最小限に抑えてください。
更に詳しく学びたい方は是非こちらの動画をみてください♪
解説は以上です。
あなたに合った、自分を変える方法は見つかりましたか?
この記事を参考に、ぜひ自分を変える方法を見つけてみてください。
そして、とにかくやってみてください。
長い人生、その経験が大きなプラスとなって返ってきます。
勇気を持って一歩を踏み出してください。
今回の解説が勉強になったという人は、いいねやコメントを是非お願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?