長編小説の話の作り方について(1)

Twitterでこの話をしようと思って一回途中までツイートしちゃったんですけど、思いのほか膨らみそうだったのでこっちに避難してきました。マジでアマチュアの意見にすぎないので、「参考になればいいな」ぐらいの気持ちでご覧いただければ幸いです。

長編小説の定義について

まず、「長編小説」という語が曖昧なのではっきりさせておきましょう。長さは大体10万文字(文庫本一冊分ぐらい)以上とされていると聞いたことがある気がしますが、僕は正直5万文字ぐらいでも全然長編だと思っています。難しいね……
文字数で定義するとキリがないので、「複数の章を含む小説」というところに落とし込みましょう。というのは、僕がこんな感じで話数を積み重ねて長編の長さになる形式の長編小説しか書いたことがないからです。一つの話だけで長編と呼べるほどの長さを書くものもありますが、これに関しては書いてない(上に、多分書けない)以上本当にわからないので、今回は短編集のような具合で話数を積み重ねて作る長編小説についてお話ししたいと思います。

今回の主題

今回の主題は「いつ、盛り上げるか?」ということです。知っての通り、最初に引き込むのももちろん重要です。世界観や人物設定など、その辺りをしっかり見せなければならないでしょう。僕は過去の長編で失敗していますが。
それとは別で、読者が一通り話に慣れてきた後、「じゃあ次に引き込むのはいつにするか?」という問題が発生するわけです。知ってる人にとっては鬼滅の刃とかがわかりやすいのかな。最初に修行して手鬼を倒した後、しばらく行く先々で出てくる鬼を倒す展開が続きます。いつこれをやめて那田蜘蛛山編に移るか、みたいな話です。
もちろん全ての話にちゃんと力を入れるべきなのは当然ですが、短編ほどの長さの話を重ねて一つの長編を作るとなると、キャラクターや物語の熱量が低い話と高い話がどうしても出てきます。これは出てきた方が良いです。いわゆる「緩急」というやつなので。この「熱量が高い話」をどのタイミングで持って来るのが良いのか。早すぎてもいけないし、遅すぎるともっと良くなくて、既に読者が離れてしまっている可能性すらある。どうすればいいのでしょうか。

主観に基づく一応の結論

これは完全に個人的な意見(というかこのnoteは全編通して個人的な意見)なんですけど、僕が書いてるような10万文字そこらの作品については「話が25%進むまでに」というのが一応の結論です。ワンピースとかそれぐらいのめちゃくちゃ長い話を書こうと考えているのなら、「話が一段落するところ」で考えてください。
これはアニメを参考にしている部分が大きいです。まどマギあたりがきっかけになって「アニメはとりあえず三話まで見ろ」という風潮ができて久しいですが、まあ小説も大体それに合わせて作れるよって話です。
僕は高校演劇もちょっとやっていたんですけど、その時言われていたのは、「(1時間の中で)5分で起こし、30分まで離さない。30〜45分でどんでん返し」です。うろ覚えだ。
5分、すなわち小説にすれば序章の段階で、受け手に「何を見れば良いのか」ということを明示する必要があります。それは例えば海賊王になるとか、鬼になった妹を人間に戻すとか、そういう物語全体の目的です。
次に30分まで離さない。これが一時間の演劇だったらコメディシーンとかでもたせることはできるんですけど、小説だとそうはいかない。ここの中で「離さない」ために熱量の高い話を入れる必要があるのです。そして話が半分ぐらい進んだところでどんでん返し……ですが、これはまあ一時間の演劇の話なので、小説ではどんでん返しが最後の最後に来ても良いでしょう。そんなところです。
長々と話しましたが、「25%進むまでに」という結論を出した理由というか、そういうものが何となくお分かりになりましたか?ならないとしたら僕の説明が悪い。気にすることなく次に行ってください。

「盛り上げる話」をどう作るか

タイミングが分かっても、結局この話が出てきます。「そろそろ盛り上げたいから、いつもより面白い話を作ってくれ」と言われたって、そう簡単にいつもより面白い話を作れるわけじゃない。僕も毎回困りますが、こういう時は「変化をつける」ことを意識すると、まあまあ上手くいくと思います。「いつもより面白い話」になるかどうかは分からないけれど、少なくとも「いつもと違う話」にはなります。お客が中だるみの打破のために求めているのは変化なので、いつもと違う路線でいつも通りのクオリティの話を書けばまあ及第点はもらえるんじゃないか、ということです。
僕の作品を引き合いに出すと、例えば『逢魔が刻』では、四章で初めての戦死者を出しました(四章だとタイミングとしてはちょっと遅いけど)。『ライアー』ではつい最近、「事件の原因である怪異をやっつけて無事解決!!」みたいな流れから一回離れました。そういうことです。そうだな……これも知ってる人ならわかると思うんですけど、鬼滅の刃の無限列車編も、一回アニメから離れて劇場版でやったことにはちゃんと意味があるんじゃないかなと僕は思っています。結局テレビでも放送したからアレだけど。鬼滅ばっかり例に出してると良くないので他の例も挙げておくと、『空の境界』の「痛覚残留」なんかも「盛り上げる話」の例になるんじゃないかなと思いますね。
少なくともファンタジー要素を含むフィクションについては、変化をつける手法として「敵方の事情を描く」、「敵方に魅力のあるキャラクターを置く」、「これまでの話の結末に共通してきた部分を変える」、「ネームドキャラの中から死者を出す(これ単体でやると安直なので良くないけど)」みたいなものが考えられます。こんな感じで、これまでの展開から逸脱し、変化をつけた話を25%ぐらいの段階で書くと良いのではないのか、というお話でした。

終わりに

全然まとまってなくて本当にすみません。今この時点で2400字ぐらいあるんですけど、Twitterで続行してたらこれ20ツイート近くまでツリーが続いてたってことなんですよね。こわ、怪異だ。
一応今後のことを考えてタイトルに(1)と付けましたが、今のところ続くアイデアはないです。こんなんでよければ何でも話しますので、何か要望があったら教えてください。ここまでお読みいただきありがとうございました。


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