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『仕事の8割はつまらない』No.10

新型コロナウィルスのパンデミックにより、世界中の人々が移動を制限され、経済が止まった2020年も間もなく終わろうとしている。
多くの人が仕事を失い、自らの命を絶った人もいた。
今日、食べるものにも困る人がいる。
特に、非正規が多い女性の失業率はサービス業を中心に増加し「女性の貧困」がさらに、可視化されたのではないだろうか。
本人に何の落ち度もないのに職場を失い、自立した生活を突然、奪われた人を思う。
どんなに辛い状況かと。


私はたまたま今日、仕事を失わずに済んでいる状態にすぎない。
そして明日突然、失業するかもしれないのだ。
住む場所も失くしてしまう可能性もゼロではない。
私が今、頼ることができる人は人生のパートナーである夫だけだ。
実家もきょうだいも頼ることはできない。
私の周りでも、実家もきょうだいも頼ることができない人が大勢いることも知っている。
行政を頼ることなく、命を落とす人が一人でも減って欲しいと思う。
私の住んでいる地区は、毎週土曜日は資源ごみの回収日なのだが、朝6時台にごみ出しに行くと、缶を集めている男性に会う。
挨拶しかしたことはないのだが、多分缶を集めそれを売って生活しているのではないかと推測する。彼はとても礼儀正しく、たくさんの缶を自転車に積んでいる。
雨風をしのげる家はあるのだろうか。あって欲しいと強く思う。


日々を必死で生きている人にたいして、「仕事の8割はつまらない」という言葉はあまりにも乱暴に響くだろう。
つまらない仕事はしたくないし、しないに越したことはない。
生きるために働く。私にとって仕事は生きるためにするものだ。
だから「仕事の8割はつまらない」と思わなければ、心のバランスを保つことができない状況に何度もあってきた。そう思うことで、働き続け生き延びてきたと思っている。


働いて収入が上がると、翌年はその分、税金も上がる。そして、使えるお金はいつも同じで、生活が豊かになることを実感することもない。
石川啄木の有名な短歌に「働けどはたらけどなお、わがくらし楽にならざり」という歌があるが、約110年前も今も、労働者の現状は変わっていないのではないだろうか。
税金で、自分のお友達を集め、桜を観ている政治家をどれほど、羨ましく思ったことだろう。政治家は国会中、居眠りをしていても、ちゃんとボーナスも満額支給される。
「先生」と呼ばれ、新幹線などの公共交通も優遇され、毎日のように会食をし、なんと楽な仕事だろう。
国のリーダーには、今、人々の暮らしがどうなっているのか?を自分の目で見て、自分の言葉で語って欲しい。


だから私は必死で後の2割を、みんなで生き、みんなで働き、みんなで幸せになることに使いたい。


来年は東京オリンピック・パラリンピックが開かれ、世界中からたくさんの人が日本を訪れ、人々の暮らしも今年よりは良くなることを祈る。祈ることしかできないから・・・。

では、また次回。
明日も自分から挨拶をしよう!

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