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「ハイキュー!!」完結によせて

 11月4日。「ハイキュー!!」45巻発売。私の蔵書『まんが図書館【Bisyo(微少)】』の中でも一番いい場所、リビングの本棚に並んだ45冊は、一度も他の本にその場所を明け渡すことなく最終回を迎えました。足掛け8年、勢いをそぐことなく最後まで走り抜け、しかもきちんと完結させてくれた作者の先生に、敬意と感謝をこめて。お疲れさまでした。この物語をみんなに届けてくれて、本当にありがとうございました。


  魅力的なキャラと高校が目白押しで、ファンの方はそれぞれごひいきの選手(学校)がいると思うけど、私は王道烏野押し、主人公日向押し、それからポジティブおばけの烏野メンバーの中で唯一「フツー」にビビりな旭さんが好き。「墜ちた強豪」と呼ばれていた彼らが、日向に引っ張られて一歩ずつ強くなっていくのをずっと応援していました。時々、ちゃんと負けるところがいい。悔し涙をいっぱい流して、そこからまた「強さ」に向かって努力を始める……その”努力”してる部分のエピソードがすごく面白かったです。1年生合宿に飛び入りするところなんて大好き! 合宿メンバーがみんな日向に引っ張られて成長し、日向自身も成長していって、それが実を結んだ春高の「楽に行こうぜ」「ナイスレシーブ」のところなんてもう、立ち読みのコンビニで涙をこらえるの必死でしたねぇ。(←立読禁止コラコラ)

  実力差歴然だったけれど、日向はいちばん最初に影山に「お前を倒す!」と宣言し、そのあとものすごい速さで力をつけていきました。負けても再び立ち上がり、自分に何が足りないのか考え、それを手に入れるためにまた練習を重ね……チームメイトになって、最高のトスをくれるセッターだったけれど、彼にとって影山はいつも倒したい相手でライバルでした。「俺たちは唯一無二のコンビ」「ずっと一緒」にはならず、最後まで「戦って倒す相手」だったのもよかった。ぶれなかったしなれ合いもなし。

 春高の試合の中で、日向は影山のようなトスをあげられるセッターが他にもいることを知り、影山も日向のように自分のトスに応えてくれるアタッカーが沢山いることを知ります。そして終盤、第1話の宣言通り日向と影山はそれぞれのチームでネットを挟み戦い、それをかつて関わったすべての「バレーバカ高校生」(失礼)たちがそれぞれの今いるところで見守りました。サブキャラのひとりに至るまできちんと『その後』を見せてくれたのはうれしかったなあ。ある者はバレーを続けているし、ある者は別の道に進んでいるけど、みんな、それぞれの場所で「今」を生きている。そしてかつて自分たちが青春(恥ずかしっ)をかけたバレーでいまだに進化し続けている仲間たちを応援してる。バレーボールでみんな、繋がっているのですね。いいなあ、うらやましい。個人的にはクロと岩ちゃんが頑張ってる姿、良かったです。あと、再びオリンピックでチームメイトになった日向と影山の前に立ちはだかるあの人! 絶対敵チームで出てくると思ったよ! 「あ~~(安定の)いけすかねえ~~!(褒め言葉です)」叫んじゃいましたねぇ。

 楽しませてもらいました。ワタクシはスポーツ苦手だしやらない(できない)けれど、彼らとともに泣き笑い、悔しがり、運動部疑似体験できました。バレーのルールもわかるようになるので、実際の試合を見るのが楽しくなります。そこがスポーツマンガの良いところ。ちょうどアニメも再開しました。毎週放送を見ると、すぐその続きを読みたくなってしまう、そして掃除の手を休めてついつい読みふけってしまう――そんな日々がまたもどってきそうです。時間ができたらまた、1巻から読み返します。何度でもおいしいマンガです。興味を持たれた方がいたら、ぜひのぞいてみてほしいです。どうぞよろしく。(まあワタクシがおすすめするまでもなく大人気なのですが……)

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