急性胸膜炎になった

2月も終わりに近づいていた週末、突然熱っぽくなった。そして右の背中がとても痛い。

ああ、これはコロナだ。

熱は38℃までは上がらないし、痛いのは喉ではなく背中だが、きっとそういう症状の人もいるのだろう。

心当たりもある。数日前に運悪く会社の新年会というものがあり、数ヶ月ぶりに電車に乗って新宿まで行って観光客まみれの中会食したのだ。

社畜はつらい、ぼくに5000兆円あればこんな目に遭うことはなかったんだと思いながら、東京都からPCR検査キットをもらい検査。

陰性だ。

陰性の結果を見ながら絶望的な気分で寝込む。ずっと37.8℃くらいの中途半端な熱が続く。そして背中がひどく痛い。
くしゃみをする前段階として大きく息を吸う動作があるのだが、吸ってる途中で痛みで息ができなくなり、くしゃみすらできないくらい痛い。

そんな辛い週末を過ごした。週明けの朝、幸運なことに熱も下がってきたので、半休を取って背中の痛みでも来てくださいとサイトに書いてある近所の内科へ。

背中の痛いのが少し収まってきた。全量は変わらないけれども範囲が広がったおかげでピークが減ってきた感じ。少しなら深呼吸だってできる。

病院へ着いた途端、テントに隔離される。コロナは関係ないはずだが、運悪く下がったとはいえ前日までは37.8℃の熱があったのだ。しばらく待たされた挙げ句、前日に引き続きPCR検査とインフルエンザ抗体をする。どちらも陰性。

しばらく待たされて昼前に診察が行われる。レントゲンを撮ってみたが、何か肺に異変がある気がするというくらいで、これ以上はよくわからないらしく、次の日に総合病院へエスカレされることに。薬も出ないので、自然治癒を祈りつつじっと息を潜める。まだまだ痛い。

次に日になり朝から総合病院へ。診察を待ち、レントゲンを待ち、血液検査を待ち、CTスキャンを待つ。

レントゲンの結果は前日と変わらず影があり、CTスキャンの結果では左の肺のあたりが禍々しく白い。何かが起こっていることがわかる。血液検査では炎症反応が起こっているのがわかる。確実に悪い。

酒やタバコを嗜んだり、歯から血が出たりしてないかと聞かれるが、酒は飲めないしタバコもほぼ吸ったこともない。虫歯も歯槽膿漏もない。わりとそのあたりは健康だ。普通、背中の痛みの原因はそのあたりらしい。

特に何も言われなかったが、電子カルテに胸膜炎か肺炎の疑いと書かれている。結核の疑いも捨てきれないということで、痰が出てないのに、帰りに痰を取らされる。逃げるように帰宅。薬も出た。抗生物質だ。ピロリ菌の治療にも使うと書いてある。奥さんが飲んでじんましん出た奴だ。

帰宅して胸膜炎について調べると刺すような痛みがあるようだ。痛すぎてよくわからなかったが、だんだん痛みが減ってくると、これは確かに刺すような痛みだ、なるほど、と思った。閾値を超えると喩えることができなくなるという学びを得た。

そうしているうちに徐々に完治に近づき、気にならなくなってきたものの、経過観察のため次の週も通院。当たり前だが結核でもなく、ほぼ大丈夫っぽい。4月にもう一度CT検査して、何もなければ終わりにしましょう、と言われた。結局のところ理由はわからずじまいだ。

残念ながら、4月には胸部CTの先約があるのですよ。と一生のうちもう二度と使うことがないであろう台詞を口にする。俺には右の肺に腫瘍があってそっちの経過観察をしなければいけないのだ。

さすがに連続CTは無駄だということで先約の結果を見て、なんかあったら来てくださいね、ということになった。何もないことを願っている。

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