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『生き方』

稲盛和夫
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミツク株式会社(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長。また、84年に第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。
10年には日本航空会長に就任。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問。1984年には稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々の顕彰を行う。2022年逝去。


1.今の日本人に不可欠なもの

日本は経済的に豊かな国として知られていますが、一方で幸福度は世界的に見ても低い水準にとどまっています。これは、「豊かさ=幸せ」という考え方が必ずしも当てはまらないことを示しています。この時代において、多くの人々が生きる意味や価値を見出せず、心の軸を失っていることが問題だと、稲森氏は指摘しています。

心の軸とは「哲学」です。哲学は、自分自身を磨き、常に成長していくことを目指すために、一生懸命生きることを指します。この原理に従えば、人は幸福になれるとされています。特に、混沌とした時代だからこそ、自分の人生における軸を持つことが重要です。

2.願望達成するには?

基本的な原則として、「求めたものだけが手に入る」という考え方があります。言い換えれば、「今の自分は、求めたものを顕在化させた結果」ということになります。この考え方を意識することが重要です。

願望達成には、まず目標達成した自分の姿を明確にイメージし、その結果を得るまで粘り強く努力することが不可欠だと、稲森氏は述べています。そして、願望を持続させるためには、その達成した自分の姿を潜在意識にまで浸透させる必要があります。この手法は、多くの自己啓発書で共通して説かれています。

3.ビジネスの原則

事業活動において、稲盛氏曰く「誰が見ても正しい方法で利益を追求する」ことが重要であり、最終的な目標は「社会の役に立つこと」だと述べています。これはビジネスにおける原則と言えるでしょう。

この考え方は一見当たり前のように思えますが、実際には経営者がこの当たり前を見失いがちです。利潤を追求することはもちろん重要ですが、その過程で相手にも自分にも利益があるようなビジネスを行うことがビジネスの基本です。これがまさに「win&winの法則」です。一方が利益を得るだけでなく、関係者全員が利益を享受できる状況を作ることで、ビジネスエコシステム全体が向上し、自己と他者の両方が幸せになれるのです。

まとめ

稲盛氏は、「因果応報」についても触れていました。物事には因果があり、結果には原因があります。これが因果応報の考え方です。自分の行動がそのまま返ってくるという原理は、仏教の教えから来ていますが、それだけに限定されません。マクロな宇宙も、ミクロな私たちもバランスを取っています。

因果応報は、私たちが行った行動に対するバランスを取っているということです。しかし、因果応報は時間がかかるため、その影響を直ちに認識することが難しい場合があります。したがって、焦らずに常に努力し続けることで、良い結果が必ずやってくると言われています。


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