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仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!

飯田 剛弘(いいだ・よしひろ)
NASDAQ上場企業FAROの日本、韓国、東南アジア、オセアニアのマーケティング責任者。
マーケティングポータルサイト『ビジネスファイターズ』運営責任者。
全米大学優等生協会(Phi Kappa Phi)所属。


1.仕事は『段取りとスケジュール』で9割決まる!その理由とは?

「仕事は『段取りとスケジュール』で9割決まる!」というタイトルに込められたメッセージ、それは単なるキャッチフレーズではありません。著者は、なぜ段取りとスケジュールが仕事の成果を左右するのか、その理由をこう語ります。「スケジュールを組む力を身につければ、ひとつひとつの仕事に集中でき、早く仕事を終わらせ、成果を出せるようになります。ミスも減り、慌てずに仕事を進められるため、期限を守るだけでなく余裕も生まれてきます。その結果、残業も減らせるようになります」。

しかし、多くの人が手帳やToDoリストを使ってスケジュール管理を試みるものの、挫折してしまうのはなぜでしょうか?それはやり方を間違えているからです。現代の多忙な環境に適応できず、旧来の方法に固執してしまうため、効果的なスケジュール管理ができていないのです。

では、どうすればスケジュール管理を成功させ、ギリギリにならずに済むのでしょうか?著者は次の二つのポイントを強調しています。

やる気やモチベーションに頼らない

ギリギリになってしまう原因の一つは、気合や根性で先延ばし癖を克服しようとする考え方です。過去に「なんとかなった」経験が、ついつい「まだ大丈夫」という先延ばし癖を助長させてしまいます。この習慣を打破するためには、やる気やモチベーションに頼るのではなく、小さな成功体験を積み重ねていくことが重要です。少しずつ先延ばししない習慣を身につけることで、自然と仕事に取り組む姿勢が変わっていきます。

スケジュールを組むときは、バッファ(余裕)を入れる

仕事の所要時間を見積もる際、予測が不確実な場合は、当初の見積もりの1.5倍程度の時間を確保することが推奨されます。なぜなら、ほとんどの仕事は予定通りには進まないからです。一つの遅れが他の作業や予定にも波及してしまいます。だからこそ「すべてがうまくいくことはない」という前提のもと、週に2、3回まとまった空き時間を確保しておくことが重要です。これにより、突発的なトラブルや予定変更にも柔軟に対応できるようになります。

2.スケジューリングの達人になるための秘訣

「時間が足りない!」と感じたことはありませんか?日々のタスクに追われて、何から手をつければいいのかわからない。そんな悩みを解決するために、著者が提唱するのは「作業仕分け」の技術です。成功するスケジューリングの第一歩として、まずは何をすべきかを明確にすることから始めましょう。

まず重要なのは、「何をすべきか?」を決めることです。限られた時間の中で成果を上げるためには、的を絞り、集中すべき先を決める必要があります。また、自分一人で全てを抱え込まないことも大切です。「他人に頼むのは苦手」「助けを求めたくない」という気持ちは、変なプライドが原因かもしれません。しかし、自分がボトルネックになってしまっては元も子もありません。そこで、他人に依頼する際には、標準業務手順書やマニュアルを作成し、「具体的に何を求めているのか」「いつまでに完成させるのか」を明確に伝えることが重要です。

次に、「いつはじめ、いつ終わるのか」を決めましょう。やるべきことを絞った後は、具体的な時間をカレンダーに記入します。方法は大きく分けて三つあります。①「5分以内に終わる仕事なら、すぐやる」、②「締め切りがあり、15分以上かかる仕事やミーティングなら、通常のカレンダーに予定を入れる」、③「締め切りがない仕事や、その他の残った仕事を『タスクリマインダー』カレンダーに入れる」です。この『タスクリマインダー』カレンダーには、スケジュールを組む上でリスケ対象になりやすい仕事が入っており、急ぎの仕事が入った場合はここから時間を捻出します。

最後に、「タスク置き場」をどこにするかを決めます。タスク置き場とは、やらなければならない仕事やタスク、それに関連する情報や資料などを保管・管理する場所のことです。例えば、机の上、引き出し、棚、業務フォルダ、手帳、ノート、カバン、名刺入れ、領収書が入った財布などが挙げられます。その他にも、頭の中、メールのINBOX、パソコンの各フォルダ、スマホ、メッセンジャー、専用業務ソフトなども含まれます。このタスク置き場に集められた「未処理のもの」を把握し、数を減らすことで、ミスやモレを防ぎ、時間を有効に使うことができるのです。

3.信用を勝ち取る鍵は”数値化”にあり

ビジネスの世界で信頼を得るための最重要スキルとは何でしょうか?それは、確実に期限を守ることです。時間にルーズな人は、信頼を得ることは難しいでしょう。では、どうすれば約束の期限、いわゆる「デッドライン」を守ることができるのでしょうか?

まず最初に心がけるべきは、「前倒し」の精神です。デッドラインより早めに作業を終えることで、心に余裕が生まれます。前倒しの良さは、自分が設定したスケジュールで動けるため、ストレスが少なくなる点にあります。「とりあえず、始めてみる」という気軽な気持ちで取り組むことで、重圧を感じることなく仕事を進めることができるのです。前倒しすることで、ギリギリになって焦ることも減り、仕事のミスも少なくなるでしょう。

次に大切なのは、「合格ラインを明確にすること」です。目標達成のためには、最低限何をクリアしなければならないのかをはっきりさせる必要があります。そのために有効なのが「数値化」です。目標を数値で具体的に示すことで、何を達成すべきかが明確になります。では、具体的にどのように数値化すればよいのでしょうか?ここでは「『なぜ』『何』『いつ』の3つの問い」を使って具体化していきます。

まず、「なぜ成し遂げたいのか?」を明確にします。例えば、「去年着ていた冬用のスーツが着られなくなったから」といった具体的な理由を挙げます。次に、「何を成し遂げたいのか?」を具体化します。ここでは、「そのスーツが着られる体型を手に入れる」とします。そして、「いつまでに成し遂げたいのか?」を設定します。「1月の新年会までに着られるようになりたい」と期限を明確にします。さらに、スーツのサイズや体型、体重などの具体的な数値を設定することで、より合格ラインがはっきりします。

こうしたプロセスを経ることで、達成すべき目標が具体化され、短期間で実現可能となります。信用を得るためには、スケジュールを守ることが第一歩。そのために、前倒しと合格ラインの数値化を実践してみてください。信頼されるビジネスパーソンへの道は、ここから始まります。

まとめ

「段取り」は、効率的に進めるための計画や準備のことを指します。日本のビジネス文化では特に重視され、スムーズな進行を保証するために欠かせません。段取りをしっかりと行うことで、無駄な時間や手間を省き、結果として高品質な成果を得ることができます。また、予期せぬトラブルに対処するための余裕も生まれます。段取りの良さが、そのまま仕事の成果に表れるといっても過言ではないのです。

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