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詩集「揺曳」

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「緑風橋 吹田」より「断層」までの二十七編。
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#ポエム

(詩) 「常夏へ」

海辺の砂 砂粒の色 風の色 色と匂い 雲の彼方 心に射す影 影に響く 音の色 高き香り 風に揺れ…

臨  機清
11か月前
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(脚韻詩三編) 「夏へ向かって」

ヒペリカムヒデコート 初夏の虫たちにあふれ 近づいた雨を聞こうと 町を染む赤き実に触れ ※ …

臨  機清
1年前
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(詩) 「ジャズ・ヴィブラフォン」

眼前に弾ける炭酸水は 春の残り香で 週末の遊歩道を 乾いたビーズで散りばめ 木立のそばにお…

臨  機清
1年前
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(詩) 「緑風橋 (定点観測)」

小野十三郎が 彼の詩の 内部に刻み 浸透させた 大阪の水を想う 清濁呑み込んで 重工業地帯の…

臨  機清
1年前
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(詩) 「記憶の扉」

夜半 降りしきる雨に耳をすます 気づいたとき雨は力をましていた 街の喧騒は影に変わって消え…

臨  機清
1年前
16

(詩) 「吹田大橋 午下」

神崎川を渡りおえ 道をそれれば途端 風物は淋しい 独り歌うたいが三味線を紡ぐ 四阿の緑蔭 風…

臨  機清
1年前
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(詩) 「緑風橋 五月」

こぼれる春の光に彩られ 町は何処までも澄み渡る それは祝福 一つの恩寵 いくつもの女性たちのシルエットが 寂寥の裏路地に躍っている 笑い声がちいさく跳ねる 飛沫をあげる 魚のように 五月の光線は全てを照らしだす 道往く老人の顔には 太陽のぬくもり 静寂の音響は小路の喜びの影に隠れた 鳩は群れたち 穏やかな羽を自らつくろって 雲と通じる青い樹木の内部に憩う 蓬色に濁り切った水の深度はゆたかだ 風はたゆたい 止むことなくただよい 水面にたえず宝石を散りばめてゆく この日 影

(詩) 「春の調べ」

一杯の水を コップへ注いで 机の上におけば 表面を 緑の光が射している 食器に映った少年の…

臨  機清
1年前
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(詩) 「雨の喚び声」

深夜 ふと目醒めれば 微かな声が近づいてくる 雨がたえず輪を描いては 葉のように揺れなが…

臨  機清
1年前
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(詩) 「白い夜灯」

一日の仕事をおえ 部屋へ帰り 机の前に座って 少しずつ近づいてきた 親しい静寂の内側へ潜り…

臨  機清
1年前
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