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母乳一滴でも混合だよ

年末に出産した妹から度々ラインが届く

よだれってこんなにでるっけ?

夜泣きしてた?

吐き戻しってさぁ‥‥


長男は4歳、長女は2歳

そう遠くないはずだけどなぜだか忘れている

いろんなことを忘れている

写真を見返してみたり、旦那に聞いてみたりしながら提供できる情報は伝えてみるが、まぁなんとかなるなる〜てきな育児で乗り切ってきたわたしは彼女の求めている答えにならないことが多い

でもまだ4歳と2歳だが今のところしっかり元気で、しっかりわがままで、しっかり自己主張もしてくる

まぁ大丈夫だろう

元ヤンじゃないのにわたしの中のヤンキーが出てきてたまに怒りちらすけど、いや、本当は毎日怒りちらしているがしっかりわたしのことを2人ともすきそうだ

まぁ大丈夫だろう

今のところではあるけど


そんな基本楽観的でいい加減なわたしが産後本当に辛くて鮮明に覚えていることがある


母乳が出なかった

ほんとに辛かった

産んだら自然とピューと出てくると思っていた母乳

表現でいうと押さえつけてジワーっとしか出なかった

加えて乳首が人より短く小さいらしい

独身の頃から胸の大きさや乳輪の色を友人同士で比較、議論したことは多々ある

大きいとか小さいとか

お椀型だとか垂れてるとか

ピンクだとか黒いだとか


そんなことは関係なかった

大事なことは乳首の長さと大きさだった

刺激を与えることで出るようになるよ

忍耐強く赤ちゃんに吸わせることが大事だよ、と教わった

わたしの産院は母乳育児に積極的だった

吸っても出ないと赤子のくせに怒り散らす長男にまずはミルクをあげて、いずれか出るようになるためにその後おしゃぶりがわりにおっぱいを吸わせる

聖母のような思い描いていた母乳を与える姿ではなく、授乳クッションというドーナツの半分みたいな形のものを使って片足で彼の頭の位置を固定して吸わせるなかなかアクロバティックなものだった

フットボール抱きというあげ方だった

その流れを3時間おきに、と指導された

客観的に見たとき、自分を哀れんだ

見た目もボサボサのカサカサで正気を失っていた

おしゃぶり作戦も虚しく母乳はたいして出ない

自分のことを欠陥商品のように感じていた

100日ころまではなんとなく吸わせる程度には継続していたが、胸がかぶれだしたのを機に完全にミルクへシフトした

母乳?ミルク?

聞かれるのもとてもいやだった

ミルクと答えた後は言い訳のようにいきさつを話していた

知らないおばちゃんたちにもたまに聞かれていた

おっぱいあげてるの?

面倒で肯定することも少なくなかった

この国の母乳神話はまだまだ続いている

そして悪気もないから厄介だ

出ないものは出ない

乳腺が詰まると言われがちな脂っぽいもの、甘いもの、チョコレート、生クリーム、バター、揚げ物などなど

がんがん食べても出る人は出る

そうなるとおっぱいの質はどうなんだ?と

ひがみである

ミルクの方が栄養考えられてるよ?と

ひがみである

そして母乳育児の大変さも知っている

代わりがきかないから長時間パパにさえ預けることもできないし、乳腺炎になったり、噛まれて傷になることもあると聞いた

母乳もミルクも大変なのだ

長男のときは後ろめたい気持ちのままミルク期間は終了した

それを払拭してくれたのは2年後娘を産んだときに母乳外来でお世話になった助産師さんだ

同じ産院ではあったが、その助産師さんは

ミルクの何がいけないの?と言ってくれる人だった


寒い中起きてミルク作るのも大変だよ

ミルクが楽してるわけではないよ

2人目だしお兄ちゃんの赤ちゃん返りもひどいなら全然ミルクでもいいと思うよ

乳首も既に傷ついてるから荒れやすいとは思う

完母は難しいかもね

でもがんばりたいならがんばっていいよ

どっちでもいいよ

ママが元気で子供たちに接しやすいほうを選べばいいよ


肩の荷が下りたとはこのことだ

少しでも出るようにと胸を温め、乳腺に沿ってだったかな?マッサージをしてくれ、本当に牛の乳搾りのように絞り出してもらった母乳は大きな雫ではあったが左右とも2、3滴ずつだった

そして白色ではなく黄色だった

栄養がたっぷりつまった初乳というものだ

あらかじめ哺乳瓶に作っておいたミルクにその数滴を混ぜてくれ、娘に飲ませてくれた

母乳一滴でも混合だよ〜

ちゃんと母乳育児してるんだよ〜


あーこの人にもっと早く出会いたかったな

そしてこの人に会えてよかったな

なんとも言えない涙がぽろりと出た

今もし母乳育児で悩んでる人がいたらこういう考えもあるんだよ、と伝えたい

ミルクを推奨してるわけではない

何度も何度も母乳外来に通い、マッサージをしてもらい完母に移行できた友人もいる

でも、わたしの場合は母乳をがんばりすぎなかったからそれなりに楽しく上の子を抱えながら乳児期を乗り越えられたと思っている

夜中のミルクはわたしがあげていたが早朝のミルクは旦那が担当していた

娘を母に預けて、赤ちゃん返り息子と旦那と3人で出かけることもできた

3人で出かけると息子はとても喜んだ


母乳もミルクもどっちも大変

ママの元気が1番大事

ママが元気ならだいたいのことはどうにかなるよ

わたしはそう思う

#自分にとって大切なこと

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