自粛生活を明るくしてくれる映画『薄明りのパレード』
不要不急の外出は控える。自分の身と誰かの身を守るために自粛しているはずなのに、心が「腐ってくる」気がするのはどうして?
以前より気持ちが暗くなったし、テレビやネットで文句を聞く、見る頻度も増えた気がする。なにより自分も愚痴や文句が多くなっている…。
これではいけないと思ったときに、ちょうどいい映画と出会いました。
『薄明りのパレード』です。
ダンサーの真理恵は自体待機中。外出は食料の買い出しのみで、恋人にも会わずに自粛を続けています。狭い自宅では踊ることもできず、ただひたすら我慢の日々。
たまにベランダに出ても「空が青いことしかわからない」とつぶやくことしかできません。上の階に住むカップルは自粛もせずに暮らし、それがまた真理恵の神経を逆なでます。
「誰が悪いわけでもない。誰もが予想できなかったことだから。」
親友とのオンライン通話でそう諭されても、そんなことはわかっていると素直に受け入れられない真理恵。
この状況、まさに今の私たちそのものです。ネットを開けば誰もが誰かに文句を言い、仕事やプライベートの愚痴をこぼしまくる。どいつもこいつもと思いながら、気がつけば自分もその中の1人になっていることに気づけていない。
でも仕方がないんだ。だってできることないもん。
自粛前は楽しかったことが、今は楽しくない。むしろ自分を苦しめる原因にすら感じる。だから何もする気にならないんだ…。
果たして本当にそうでしょうか。
自粛が続くことで世の中との接点がなくなり、自分一人で考え込む時間が増える。次第に思考は内向きになり、どんどん暗く深い闇への向かうだけ。
そこに答えはない。これに気がつけるかどうか。もっと言えば、そもそも答えそのものがないことに気がつけるかどうか。
今、自分にできることは何かを、これまでしてきたことの中から探すのではなく、ほんの少しだけ、ちょっぴり新しいことを足すだけで、世界はすごく明るくなる。
本作のラスト4分。ほぼセリフがないにも関わらず、これまでの狭くて暗い世界をこじ開けてくれる力があります。
いつかまた本作を見て、「あぁ…こうやってふさぎ込んでた時期あったよね〜」と言いたい。
今日からの行動が変わり、いつかのための元気がもらえる一本です。
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