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「ブラジャー貸して」から始まる恋の行方は? 映画『もとめたせい』

「ブラジャー貸してほしい」と男子高校生がクラスの女子に懇願する映画『もとめたせい』を見た。

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【登場人物】
頼まれたら断れない女子高生:相川
ブラジャーを借りたい男子:馬場

正確には、「よかったら…相川さんのブラ…貸してほしい」である。

よかったらの意味がわからないし、よいわけがない。しかし、相川は頼まれたら断れない性格で知られている。切羽詰まった馬場の頭の中には、もしかしたらいけるかもしれない…というわずかな希望があったのだろう。

それにしてもわずかすぎる。普通に考えれば貸してもらえるわけがないし、そもそも貸し借りするものではない。

下手すれば高校生活どころか、その後の人生が終わりかねない発言である。ギャンブルどころの騒ぎではなく、勝算などあるはずもない。

しかし人間は追い詰められたり、切羽詰まると思考がおかしくなる。了見が狭くなり、後先を考えられなくなるのだ。いや、おそらく衝動的なところもあったのだろう。相川を校舎裏に呼び出し、告白まがいの、いや告白には間違いなのだが、自分の性癖とも呼べる秘密を暴露するのだ。

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ただ一つ、ここで馬場が上手かったのは、自分が「困っている」と伝えられたことである。もっと言えば「助けてほしい」と、そして助けられるのは相川だけなのだと思わせたことである。

もし、ここで「ブラジャーがつけたくて仕方がない」という欲望だけを押し出していたら、結果は変わっていたかもしれない。

だが、うまく「助けてほしい」が響いた。困っている人を見ると助けたくなるのが人間であり、それに加えて相川は頼まれたら断れない性格の持ち主である。その結果、念願のブラジャーを手にすることができたのだ。

さて、そのブラジャーであるが、教室内でこっそり受け取るのかと思いきや、そうではなかった。呼びたした校舎裏でもなく、馬場が選んだのは「家」だった…。

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馬場の告白から始まり、相川が協力者から共犯者に、同じ状況をともにすることで仲間意識が芽生え、それがさらなる感情へ変化することに何の不思議があろうか。

果たして馬場の真意は何か?
相川の気持ちはどこに向かうのか?

30分の短編に凝縮された、高校生の「性」と「恋」の物語。その行方は本編で確認してほしい。


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