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珠玉のインディーズ映画

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2020年8月の記事一覧

もしも失恋の傷を医者が治せたら? 映画『失恋科』

突然ですが、失恋したことはありますか? 今回ご紹介する映画『失恋科』は、失恋の傷を医者が治せる未来が来たら…というお話です。 失恋の経験、僕は何度もあるんですけど、特に思い出すのは初恋での失恋です。初恋は中学2年と遅め?でした。思春期真っ只中、恋に焦がれて想いを募らせまくった僕は、休日に彼女の自宅まで行き、真剣に告白して振られました。 いま思えば休日に何のアポイントもなく自宅に来られるなんて恐怖しかないのですが、当時の僕からすると必死のパッチの純愛だったのです。一歩間違え

【オススメ短編映画】柄本佑主演の『風見鶏と煙突男』

僕は手ざわりのある演技をする俳優が好きです。本当に居そうな人、過去に会ったことがあるような人、いまそこにある雰囲気をまとって演技に昇華させる人のことです。 作品によってはいわゆる「たっぷり演技」と呼ばれる、大げさかつわかりやすさ重視の演技が必要なときもあります。テレビドラマの半沢直樹のような。しかし、フィクションといってもリアルを感じたい僕にとっては、手ざわりのある演技をしてくる俳優が本当に大好きなのです。 さて、今回はそんな大好きな手ざわり俳優の一人である「柄本佑」さん

お茶の間で展開するゆるいSFが最高だった。映画『スリッパと真夏の月』

SF映画と言うと、宇宙、未来、科学をイメージしますか?するでしょうね。僕だってそうです。でも、わずか30分の短編SF映画『スリッパと真夏の月』を見ると考えがちょっと変わりますよ。 お茶の間でも、サイエンスなフィクションは起こせる、起きます、起きているんです。 『スリッパと真夏の月』のあらすじ 町の発明家であった亡き父が作った『物質転移装置』を発見した昌子は、姉の光子と実験をしていたが、機械が故障していまい光子が異世界へ消えてしまう。昌子はなんとかして光子を自分たちの世界へ

あれ?ここにあったお店ってなんだっけ?映画『モラトリアム・カットアップ』

「卒業してもずっと友だちだよ」と、小学生の僕も、中学生の僕も、そして高校生の僕も言った記憶があります。だけど正直なところ、誰に言ったか覚えていません。 他にも、角にあったお店がなくなって更地になり、しばらくすると「あれ、ここにあったお店ってなんだっけ?」と思い出せなくなることもよくある話で。 少しさみしくて悲しくなるけれど、乱暴に言えば「忘れてしまっても差し支えなかったこと」とも言える。でも当時は絶対に忘れないと心に誓ったり、忘れるはずないと思っていたことばかりのはず。