見出し画像

『実施設計図を描ける様になりたい方へ、アドバイス』

建築設計事務所に勤めている人から相談される事がある。

「何年か勤めていて、実施設計図を描きたいのに描かせてもらえない。」

「業務時間外で練習したらいいやん!」と、

ものすごくシンプルに答えたら、意外にも腑に落ちた様子だったりします。

上司からすると練習を強制したと思われるのが嫌なのでしょう。

先輩からしたら「そのぐらい!」と言う大したことない気づきでも、

そんなささいなアドバイスでも伸びる人もいるわけで、

勿体ないと思う反面、今の時代、仕方ないのかとも思います。



↓ここからは『先輩』には関係分かり切った話。



職場で書かさせてもらえない場合、バックグラウンドには大きく3点、

1、責任者が実施設計の監理と更に管理、そして設計のテクニック以外のスタンスや暗黙知等「素質」で纏めらてしまう要素を教えないといけない事が大変。

2、ある程度板について来たら転職する事が増えた時代、人材教育の投資としてのリターンも希薄なのでそこには投資しない。

3、実践で緊張感を持ち、「厳しく指導するのもされるのも嫌」

これが「現状」でしょう。


しなければならないではなく、「描きたい!」と思っている人がちょっとしたコツを掴んで書けるようになれば、それに越した事ないかと思います。

先ず「素質」で片付けられる部分は広範囲になるので、自分の伸ばしたい分野の本を読みあさる。業務時間外に先輩に教えてもらえればラッキーですし、社内に価値観と方向性が近い人がいなければ、外部の人にメンターになってもらっても良いでしょう。


●素質以外の部分!アドバイスとしては1点!

リアルに近く、責任が生じない実施設計を一通り、時間と期間を決めて一式、数をこなす。

上司の人に

「このぐらいのボリュームを考える時間を入れなければ何時間でかけます。」

「考える時間を入れたら何時間かかりました。」

と具体的に伝える事が出来れば良いと思います。

住宅であれば5〜10件も描けばある程度感覚は掴めるでしょう。


●ポイントもあげるとしたら、

描くだけのテクニックに専念する。

スポーツで例えると、ドリブルや素振りの様な物で数をこなさないと上手くなり様がありません。

言うまでも無いですが、仕事では正確性と生産性が求められます。

初めは知識も経験もないわけですから割り切って、変にこだわって時間をかけない。デザインが好きな人は試行錯誤、研究、に時間をかけてしまい中々進みません。

我流で変な描く癖がつかない様に。

デザインのテイストは好みでなくても描く事を一貫して説明している教材を何種類か試してみるのも良いかもしれません。

これもスポーツで例えると、変なフォームでは伸びないのと同じだと思います。


●次のステップとして

5〜10件目移行、ある程度慣れてきて、自社や自分の考えを図面に取り入れようとする時、デザインの方向性が近い人にせめて図面見てもらうのが理想です。描き方や考え方が基本とどう違うか等、ある程度描ける様になり、アドバイスをもらうと、図面の見方、描き方がまた変わってくると思います。

その繰り返しで、ようやく戦力になるかと思います。フィールドに入れるわけです。

学生の方で、もし理想の建築設計事務所に行きたい場合、ポートフォリオの中に実施設計の基本を押さえていればかなり強いでしょう。


●CADソフトは?

学生さんの場合、CADは行きたい事務所の使うソフトが決まっていればそれを使えば良いですし、いくつか使えるに越した事ないでしょう。

僕の事務所はCADの指定はないのですが、海外のインターン生はAuto CADを使う人が多いです。


とにかく、したい事がある人が、したい事が出来る世の中になってくれればと願うばかりです。




クリエーティブの力で人がもっと本質的に豊かな状況を作り出す活動費に使っていきます。 先ずは自分自身で体系化出来た事などをお伝え出来ればと思います。 次に、過去にクリエーターズシェアオフィスや、デザインアートの実行委員長をしていたように、周りの人と共に新たな活動をしていきます。