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高次脳機能障害の夫と楽しく!~竹の子失敗したけど、嬉しい瞬間が2倍になった話
【夫がくも膜下出血で倒れ、2022年4月から自宅療養をはじめました。特に記憶障害がひどく、5分と記憶がもたない精神障害者1級です。でもとても幸せに暮らしているもので、素敵な瞬間を忘れてしまわないよう、日々のことを書き留めていきます。】
初めて生の皮つき竹の子を買いました。
スーパーで竹の子が売っているのを見て、子供の頃、春になると母が大きな竹の子を買ってきて、台所にゴロリと置いてあったのを思い出しました。
ほろ苦い、春の味。
自分も50才を過ぎてやっと自分のために料理をしようという気になって、
今年ついに、竹の子を買ってみたのです。
うろ覚えで、厚い、産毛のような毛羽のある皮をむき始めると、…………んんっ?
……どこまでむくの?これ?……
あ、これは、ダメなヤツだと、気づいた時には、もう竹の子はほとんどなくなってまっていました。
「あーーやってしまった……」
やる気がなくなって、茶の間にいる夫に話にいく。
破顔一笑、
「かわいいー」といって抱きしめてくれる夫。
50を過ぎた私に、そんなことを恥ずかしげもなく言ってくれるのです、夫は。
思っていた以上の“成果”に、
わたしの頬がゆるんでしまう。
見上げると、夫はニコニコ顔。
嬉しくて、もう一度同じ話をする。
夫は、もう、すっかり
私が話したことを忘れているので、
同じタイミング、同じ声で、
もう一度言ってくれます。
「かわいいー」
……ああ、なんて、嬉しくて素敵な瞬間。
おかげさまで、しかも2回も(笑)
もう、竹の子、なくてもいいや(笑)
さて、夫がかわいいと言ってくれたから、
もう一度やる気を出して、夕ご飯を作ろう。
何でもいいから、簡単に。
夫と食べれば、何だって楽しいのです。
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