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【MTGスタンダード】赤単を語りたい・強めの一般人の蒼紅杯参戦記【MKM】

はじめに

こんサメ~!サメ台風とふなっしーが大好き、鮫梨ジルと申します!
カルロフ邸殺人事件(MKM)が発売されましたねっ!

今回のセットはその名にたがわず大事件発生といったおもむきです!

新エンチャントタイプの事件サイクルを筆頭に、変異のリメイクである変装と偽装は複雑すぎずシンプルすぎない良メカニズムですっ!
容疑もリミテッドを、基本土地タイプを持つ諜報ランドは下環境を中心に世界を大いに盛り上げています。

カード単体でも稲妻のらせんがスタンとパイオニアに実装されたり、大魔導師の魔除けとメガサイクルを為す大ドルイドの魔除け、全ての色を持ち信心を4稼ぐギルドパクトの力線……とさまざまなフォーマットに大事件が発生していますっ!

メジャーなフォーマット以外でも、パウパーにひよっこ捜査員、タイムレスに実物提示教育アルケミー以外全てのフォーマットが大きな影響を受けているみたいです。さすがラヴニカ!お前が全次元の中心でいいよ!

ウィザーズが3年ローテになったスタンダードはもとより、各フォーマットに対して本気で向き合っていることが伺えますね🥰

この記事では今回のセットで赤単が受けた影響や、環境全体の変化についての分析を、1プレイヤーの参戦記という形でしてみむ雑多な記事ですっ!

昨年のMOM期にも赤単で参戦記を書いたのですが、当時に比べて赤単はかなり強くなっていますっ!私も少しは強くなれたかも!
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自己紹介・筆者のパワーレベルについて

大事件に取り組む前に、わたくしがどの程度のプレイヤーなのかも皆様には大事な件だと思いますので軽く自己紹介をば。

一言でいうとプロには勝てないが平均よりはちょっと強い、強めの一般人といった範疇のプレイヤーだと思います。

実績としましては、昨年エルドレインの森(WOE)環境で行われたジャパンオープン2023(Melee)では予選を8-1-0の5位で突破しました!

8-1嬉しい
3位の赤単兄貴は蒼紅杯優勝経験のある方

ただ、決勝は初戦敗退でしたのでTop64という着順でした!
一瞬だけ日本で5番目くらいの瞬間最大風速が出せましたが、強いプレイヤーにはまだまだ届かない感じですっ。

このとき決勝で敗退したお相手は明星Hiveの堀江さんという方でした。
明星Hiveというのは世界選手権準優勝の小坂和音さんや晴れプロの佐藤啓輔さん、元MPL茂里憲之さんが所属しているマジギャザのオールスターチーム、アベンジャーズみたいな感じです!

明星Hiveジョンさんやジャパンオープン優勝者であるBIGMAGICプロ中道大輔さんにも2戦2敗ですので、トップクラスの方々には及ばず……

上限と勝てないラインはそんな感じです。
負け語りしてちょっと暗くなってしまいましたが、ジャパンオープンではデッキ選択・プレイングで腕を発揮できたと思いますし、とある草大会ではPT出場経験者に2戦2勝できたり、準優勝を連続で遂げておりますので、運だけの弱者ではないと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、この記事を皆様がどの程度のレベルか理解する助けになったと思います、ささ、本題に入っていきましょう!
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これまでの赤単の立ち位置・MOM

赤単は常に最強、なぜなら最速だからです。
3年分のカードプールがある現在のスタンダードで、アグロ(=素早く相手のライフを0にするデッキ)としての完成度が非常に高いのです。前回記事にした機械兵団の進軍(MOM)の時点でもそうでしたし、更に強化されています。

当時からの面子では、熊野と渇苛斬の対峙は2章までで1マナ11速攻みたいな顔をしつつ、ひっくり返ると22になり、その上墓地対策までおまけで付いてきます。2ターン目は22速攻におまけがついたフェルドンや敵対者、さらにスクイーでがら空きの盤面を咎め、苛烈にライフを攻め立てていく!

MOMまでに限っても非常に優秀なラインナップ

おっと、小粒な速攻だけでライフを詰める細いデッキではありません!カード1枚1枚の質も充実しています。例えば除去もミッドレンジとがっぷり四つに組み合える水準です。

石術の連射・祭典壊し・ナヒリの戦争術・レジスタンスの火、コスといった軽いコストによるマナ効率差やカード枚数差で勝負できる、質の高い除去を擁しています。

多様な除去をサイドに持てるので、BO3が本当に面白い!

そんなMOM当時でも強かった赤単が、エルドレインの森以降どういった進化をしたのか、私の知る範囲でお話していきますっ。
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赤単新時代・WOE~

WOE期 栄枯盛衰

スタンダードのローテーションが延長され、3年体制に突入したエルドレインの森!
みんな大好きエルドレインでは、赤単も3枚の強力なカードを手に入れました。呪文というのはデッキ60枚のうち36枚前後あればよく、10種類前後あればデッキが組めるので、2年分のプールで既にタレント揃いの中さらに3枚追加というのは十分多く、質も高かったです。

フェルドンが重なって悲しかった222速攻の枠が強化され
3ターン目最強ムーヴを得て
1マナでシェオルドレッドを焼けるようになった

この3枚ともがそれぞれの役割でエースと呼べるカードパワーを持っています。悪漢はMKM現在では2マナが渋滞していることから少し落ちますが、フェルドンが重なる事故を軽減してくれましたし、ひねくれ者トークンによる1点のおまけがゲームを決めることも数多く、宝物生成や手札交換も場面を選びますが強力です!
44飛行になれるゴドリックは最高の3ドロップ。1ターン目に出した熊野が3ターン目に裏面として場に出ることや、スクイー・生物連打といった赤単が得意とする横並べと噛み合っていて、速攻・飛行・パワーアップと超攻撃的なエースカードです。

さらに、魔女跡追いの激情は当時一番欲しかった除去です。
シェオルドレッドや怒りの大天使を焼ける5点火力で、エルドレインらしくエンバレスの宝剣を彷彿とさせるコスト軽減がついています!
攻撃的な盤面であれば1マナ5点でキャスト可能な最優秀な除去ですし、相手のアタックの受けとしても使えるのが最高です。

アグロのパワーカード2枚と質の高い除去が加わったことで、ミッドレンジが得意とするライフレースやボードアドバンテージの領域でも赤単が食いついて行けるようになりました。

赤単はもともと序盤に与えられるダメージが大きいので、中盤相手は安易にアタックできません。テンポよく攻めているだけでライフレースで優位に立ち、ナヒリの戦争術やコスによる第二ラウンド、ボードの取り合いを始めることが出来るような、ゲームプランに幅を持たせてくれる強化でした。
3年スタンという新時代の到来は、赤単のゲームレンジを広げてくれたのです。
とはいえ当時はミッドレンジにある程度言い分はありながらも、真っ直ぐなアグロが組まれる事が多く、気づいているプレイヤーは少なかったと思いますが、MKM期ではこの方向性で覚醒することになります。

大会結果を見ると先程も取り上げたWOE実装後すぐのジャパンオープン2023では、赤単は50デッキが持ち込まれ59.9%と高い勝率を叩き出しました。10以上持ち込まれたデッキの中では3番目の数で、勝率はエスパーに次ぐ2位でした。予選突破率も高かった記憶があります。

WOEといえばこのカードも忘れてはいけません!

限りなく稲妻に近い、稲妻より強い場面もあるカード

くまパンこと巨怪の怒り、ライフアドに特化した素晴らしいカードです。対象とした生物が次のターンも攻撃することで、稲妻以上のダメージを出すことが出来ます。
これがプールにあることで、リスト非公開のゲームでは安易なブロックができませんし、公開性でも忍ばせておく価値がありました。

この時の赤単はある程度ボードも強くなったとはいえ、巨怪の怒りに代表されるライフアドの方向性に特化した構築が主流でした。アラーラのお使いを環境から絶滅させたり、版図のような遅いデッキを咎める、いかにもなビートダウン。
自分もこのようなデッキを握り、とにかくライフを詰めていました。

ジャパオに挑んだデッキ

とはいえ当時の環境を制したのは白青兵士・エスパーミッドレンジといったミッドレンジが多数で、コントロールデッキもライフゲイン要素で赤単に対抗できる版図デッキが最多でした。

アグロ>コントロール>ミッドレンジ>アグロ
という3すくみがありますが、当時のメタゲーム上ミッドレンジが多かったことで立ち位置を悪くしていきます。世界選手権でも佐藤レイ選手をはじめとする日本人が赤単を持ち込みますが、入賞を逃してしまいます。

出典:https://mtg-jp.com/reading/ichikawapt/0037288/



真っ直ぐなアグロは分かりやすいデッキで、ライフを詰めることに特化している分、ライフを守られるだけで負け筋になります。

う、ウワアアアアアアア

特に世界選手権で登場したサイモンニールセン選手のゲイン型白青兵士の存在が激痛で、ライフゲインをメインから搭載したミッドレンジですから、絶望マッチアップと言えました。

パワカの夏が来たと思ったらミッドレンジの冬になった、そんな時代がWOE期の赤単でした。

LCI期 軍神、敵に塩を送る

イクサラン:失われし洞窟は塩セットでした、赤単目線の話ですが。
洞窟の奥深く、そこには何もありませんでした。

アグロのカードではない

このセットで赤単アグロは何一つ強化されませんでしたが、面白い変化が起きた時期で、この時赤単を握っていた人たちはMtGをとても楽しめたのではないかと思います。

私は蒼紅杯の中止もあり、構築はそこそこにドラフトとハーツオブアイアンを多くプレイしていたのですが、構築のデータにも目を通していましたし多少はプレイしていました。

おや?LCI期の大会結果を見ると、不思議なことが起こっていました。
本来不利であるはずのエスパーミッドレンジを破り優勝することもあり、トップ層の一部では相性逆転が置きていました。

この謎を解くため、大祖国戦争を一旦終了しデータやデッキリストに目を通していくと、WOEから続くミッドレンジ・版図環境に大きな変化が起こっていました。

MTGMETAで当時の赤単対エスパーミッドの勝率マトリクスを見てみます。
エルドレイン期(9/8~11/17)15.4%
イクサラン期(11/17~2/8)45.9%
と良化しています。

不利不利むりむり🐌だったのが、やや不利ぐらいになっています。
ミッドレンジにこれだけの勝率があれば、先手ブンや運に期待して十分握っていけます。
なぜこのような変化が起きたのか、デッキリストを見てこの謎を解明していきましょう!

まずは、相対的な立ち位置の変化。
エスパー側の構築の変化が原因のようです。赤単へのガードが下がっていたのです。

先にも述べましたが、LCIで赤単は1枚も強化されてません。削剥と祭典壊しが再録&同型再版で次のスタンを残留を確約されただけの本当の塩セットです。
ですが、敵に塩を送るセットでもあったのです!

LCIで追加された2枚のカードがエスパーミッドレンジで採用されるようになっていました。

同型対決でばちばちに強いが、赤単視点だとまあまあ嫌止まり(デニック比)

大洞窟のコウモリは、除去されなければ相手の呪文を1枚奪います。1枚のカードやカードの組み合わせでアドバンテージを得ていくミッドレンジ同型やコントロールデッキに対して特に強いです。
そしてスクーナー船もミッドレンジ同型で非常に強力なカードです!だが、それが逆に赤単の妹の夫にとって追い風になりました!

エスパーミッドはまずこのスクーナー船を2ターン目に設置し、3ターン目にラフィーンと展開できると最強です。
あとは搭乗して殴っているだけで自動的にハンドやボードが強化されていき、脅威となるパーマネントを除去したり、かき消しを構えておけばかんたんマジックが始まります。

怖いのは除去を連打され更地にされたり、たまくつアトラクサで蓋をされるくらいですが、手札から生物を追加してゲームを終わらせにいったり、謀議と探検でハンドにカードを引き込めるので十分ケア可能です。

2ターン目コウモリも強く、相手のハンドを見たうえで都合の良い動きを選択できますから、ミッドレンジ同型~版図相手に強く使えるカードです。
赤単アグロが環境から減りつつある中、エスパーはこの2種を8枚フルに搭載することでミッドレンジ同型、版図に対し強い変化を遂げました。

ですが、それこそが赤単にとっての光明になりました!
エスパーミッドレンジはこのカードを4枚~入れるために従来の構築から何かを抜かないとデッキが回らなくなります。2マナのカードを入れるためには、2マナのカードを抜く必要があります。

おまけみたいに墓地対策がついてるのでたぶん熊野の色違いの兄弟

そう、こいつです!赤単視点すっごい邪魔なこいつ!
むき~~~~~~!!💢💢

失礼、興奮してしまいました。
こいつ、デニックが減ったことで戦いやすくなったのです。

この世の終わり

デニック→ラフィーン→シェオル
という盤面を蓋しつつ、絆魂と誘発でライフゲインしていく赤単絶望ムーヴが減るので、相対的に立ち位置がよくなったのです。
コウモリも絆魂なので似た動きができますが、謀議1をしたとしてもタフネス2、火力で処理可能な範囲です。出たときに除去を抜かれますが、火遊び・ライストで8枚、あと4~8枚程度除去を入れられるのでタフ4に到達しやすいデニックよりマシです。

スクーナー船も機体ということでブロッカーの数が増やせないのが赤単視点嬉しく、魔女跡追いの激情で焼いたり、巨怪の怒りで突破することは容易です。


と、エスパーのガードが下がったことを踏まえ、赤単はどういった変化をしてきたのか、大会結果や構築を見ていきましょう。

まずは環境初期の12月2日に行われた、晴れる屋スタンダード神決定戦(デッキリスト)、このイベントでは神が握るエスパーにスクーナー船は入っておらず、コウモリ4デニック3枚という構成でした。赤単へのガードを下げきっていなかったのですが……赤単側は石術の連射をサイドに4枚、魔女跡追いの激情をメインサイド3枚しっかり取って、ミッドレンジに真っ向勝負できる構成です!最高の構築とプレイングで、BO5の決定戦を3-1で赤単が勝利したのです!

12月初頭、神に挑んだ男が神の座を勝ち取り、赤単は強いと世に知らしめました。季節は冬なれど、春の訪れを感じさせます。

それから2ヶ月ほど経ち、1月28日に行われた神奈川最強を決めるスタンダード提督戦、ここです!ここで!赤単がエスパーを破り優勝を果たし!提督の座を勝ち取ります!

この赤単、ソリューションでした。待ちわびた春……今、来ました!


何がすごいのか、まずは提督のリストをご覧下さい。
入っていないカードに注目です。

そうです、フェニックスの雛、全員リストラ!あと、巨怪の怒り!
廃部……!フェニックスは廃部、危険なタックルは禁止です!

何故リストラされたのか?フェニックスの雛は決して弱くはないカードですが、今の環境ですと11飛行速攻ブロック不可という性能、黒いデッキ相手に何もしないカードになってしまうんです!あと、大麻吸ってたらしい。

0点対1点のデスレースが始まる……!

そう、先ほども触れた、黒いミッドレンジデッキならだいたい4枚入っているこのカード!

1ターン目にフェニックスを出したとして、相手がコウモリを出した瞬間無価値になります。出たターンだけ1点稼いで、あとは0点。
1点1点3点と与えていける熊野と渇苛斬の対峙や、毎ターン1点+果敢分ダメージを与えられる僧院の速槍と比べて天と地の差があります。

このように、フェニックスの雛の返しにコウモリを出されると、赤単は1マナを払ってカードを捨てたのと同じです。しかもコウモリのETBで手札を追放されているため、追放とフェニックスを出した分、2ハンデス分の不利を背負って戦わなくてはいけません。

コウモリはエスパー、ゴルガリ、ディミーア、ラクドスといった黒いミッドレンジデッキの殆どのリストで4枚採用されているカードです。
黒いミッドレンジ視点、赤単相手はフェニックスを無視し、他の生物に除去を当てたり地上を蓋をしていればコウモリビートだけでも勝ててしまうのです。
コウモリを除去できなければ赤単はカード2枚を捨てた状態で戦わないといけません、もともと不利なマッチアップで、2枚の差は致命的ですし、除去出来たとして、相手のライフが19点あり盤面にはフェニックスしかいない、そんな状態で勝つのは困難です。

蒼紅杯に挑むにあたり、この提督の決断に私も全力であやかりました。陸軍には反対されましたが、なんで全員リストラしたか、だいたいは上記の通りかなと察しが付いたからです!

先人たちのログを沢山見せてもらったおかげで視界がバァーっ開けました。ライフ特化型の完成形、ミッドレンジにも最大限サイドで対策した神も、環境に合わせたダイナミックな工夫を凝らした提督も、偉大すぎる先達です。


以上がMKM前の赤単の簡単な考察です、12~1月は他にもMOで有名なMogged氏などハイレベル赤単プレイヤーが大会で結果を出しており、火遊びや巨怪の怒り、フェニックスの雛の枚数に手を付けたり、サイドボードを特定の方向性で寄せる調整を行っています。

塩セットの冬は、赤単の達人たちが何か怪しいと思いつつも入っていたフェニックス・ライフアド特化型構築に疑問を持ちはじめた時期だったのです。

フェニックスは巨怪の怒りの付け先としては優れていますが、コウモリでハンドが1枚抜かれることを考えると、生物を1枚要求する巨怪の怒りも使いにくいですから、セットで抜けたのだと思います。

土地も21枚がアグロなら最低限なのですが、神も提督も23枚たっぷり取っており、提督はナヒリの戦争術・魔女跡追いの激情というミッドレンジと真っ向から戦うための除去を取っています。

いったん総括しますと、LCI期の赤単はカードこそ貰えなかったものの、環境の変化・構築の工夫といった研鑽を重ねた結果、ミッドレンジを仮想敵としたソリューションが発生した時代でした。

私はこの時期に大会に挑んでいた赤単の先輩たちに敬意を払い、全力で乗っかることで蒼紅杯に挑むことにしました。
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MKM期 体はアグロ、頭脳はミッド

そしてMKM環境、蒼紅杯が開かれました。
LCIではアリーナのバグで開かれなかったので待ちに待っていました!

先に結果からお話しますと、11位という自分にとっては最高の順位を勝ち取る事ができました!2桁で地味かもですが、もう少しでSEというところまで行けたのが素直に嬉しくて感無量でした。

途中で破れた中道さんの1個下まで食らいつけたのが嬉しい

マッチアップはこんな感じでした。全員ミッドレンジ。
🦇アブザンレジェンズ 💀🔥🔥
🦇ディミーアミッドレンジ 🔥🔥
🦇グリクシスミッドレンジ 🔥🔥
ボロスエンチャント 💀🔥💀
🦇ディミーアミッドレンジ 🔥💀🔥
🦇ゴルガリミッドレンジ 💀🔥💀
🦇ゴルガリミッドレンジ 💀🔥🔥

💀=負け🔥=勝ち 🦇はコウモリ入り

コウモリ対策でフェニックスを抜いたことが大正解で、ミッドレンジに対してしっかり勝ち越せたので狙い通り。
提督の決断に乗っかったのが功を奏しました。やはり海軍……!

この結果は提督閣下を始めとする赤単の先達たち、偉大な巨人の肩から環境を見通せたことがとても大きいです。ライフアド特化型としての完成、そして環境に合わせた構築のチューニングが必須であること、フェニックス全抜き、ほぼ答えであるヒントを貰えたからです。

リストが一瞬で出回る現代だからこそ、先達へのリスペクトが湧いてきますし、欠かしてはならないと思います。赤単で大会に挑んだ皆様まことにありがとうございますm(_ _)m

偉大な先達たちに比べたらちっぽけな実績ではありますが、ゲームは自己満足の世界、プライズも頂戴でき大満足大ハッピーでした🥰🥰
最高到達点も更新でき、上手くなっている実感も得られました🔥🔥
うひょ~~~~~~~~~~~~!!

ではでは、デッキ紹介に移ります🦈🦈
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MKM赤単撹乱アグロ

白いカードは万能と言われてきました。ですが、現代のマジックで何でも出来るのは白の専売特許ではありません。
ウィザーズはSDGsに真剣に取り組んでいる企業なので、全色が多様な役割を持てる時代がやってきました。赤単もSDGsの時代です。

まずはこちらの使用したリストをご覧下さい。

Sokkou-Damage-Goblins
https://melee.gg/Decklist/View/367290(リスト)

フェニックスと巨怪の怒りを全抜きし、新カードが1種類だけ入っています、このカードの加入が我々にとっての大事件、赤単に多様性をもたらしたのです!

ゴブさん?序盤・中盤・終盤隙がないよね

このゴブリン、尋常ではないカードです。

赤単における果敢の強さについては僧院の速槍の存在から皆様御存知のはずです。マナレシオ相当+速攻+果敢の強さに文句はないはず。モンクだけに。
速槍より頭でっかちな221速攻果敢ということは、3ターン目に32になれるということで、攻撃的な性能は赤単が求めていたものです。さらに2マナであるため熊野と自然に組み合わせられます。
カウンターを置いて32、さらに43,54といったサイズになることも可能だろう……ということ……!

コウモリ環境で2ターン目に出すことを考えると、タフネス1という点で単体では若干弱いように見えますが、熊野や果敢でサイズを上げやすく、先手なら空いた盤面を速攻で殴れ、3ターン目に焼いて果敢、といったこともできますから、それほど大きな欠点ではなさそうです。

21というサイズの生物を立てられると少し困りますが、現在あまり見かけないサリアや徴兵士官ぐらいで、気にしなくて良さそうです。これらや毒デッキの面々は簡単に焼けますから。

と、見た目のサイズ的には一見頼りないのですが、果敢ということでクリーチャー以外のカード、火力や熊野を必要十分な量取っていればむしろ1サイズ上のカードとして計算できそうです!ウラブラスクの溶鉱炉も2→3で自然に果敢誘発しますね!

さてさて、ここまでで80点、リミテなら最強、構築でも使われるかな?くらいの生物なのですが、さらにおまけが付いている120点のカードです。変装以下のテキストがすごい!

変装(5)(赤)。このコストは、あなたの墓地にありインスタントやソーサリーであるカード1枚につき(1)少なくなる。(このカードを、(3)で護法(2)を持つ2/2のクリーチャーとして裏向きで唱えてもよい。変装コストで、いつでもこれを表向きにしてよい。)逃走する暗号破りが表向きになったとき、あなたの手札を捨てる。その後、カード3枚を引く。

ロクブリン→ゴブリン→シブリン……と安くなっていく

アゴナスの雄牛でおなじみ、手札を全部捨てて3枚引く効果が裏返した時に誘発します。スタンではドラゴンエンジンも同じ効果を持っていますが、一番近いのは、騒乱の歓楽者でしょうか?

赤はハンドアドバンテージを安易には取れない色なので、アクが強い性能

これらの先行するカードと比べた場合、暗号破りは本体が2マナ21速攻果敢とアグロに向いた性能です。
表で出したらカードを引けませんが、赤単はアグロ第一、手札が尽きる頃には相手のライフを0にするゲーム展開をしていくのがまずは優先ですから、裏で出すか序盤は深く考えなくていいです!221速攻果敢おらおらぁ!

対コントロールでは本体性能だけでアグロプランを完遂しやすいのは勿論、アグロミラーや対ミッドレンジでは、質の高い除去と変装によるリソース補充の組み合わせにより、ミッドレンジ・ボードコントロールプランを取ることも出来るようになりました。

このデッキの除去はインスタントやソーサリーですから、除去連打から入り、変装コストが安くなった暗号破りでリソースと盤面を補充して、こちらにだけ生物が立っている……という展開を想定したボードコントロール戦法がサイド後取りやすくなったのです!

いままでのコス、石術・戦争術、魔女跡置い、というボードコントロール方向での強化を暗号破りが支えることで撹乱アグロ(生物と妨害で、どかして殴る!)という攻め寄りのミッドレンジ的な戦い方が可能になりました。

また、暗号破りが引けなくても、血に飢えた敵対者が同様の役割を持っていますから、8枚のうち1枚は試合中に引けるはずです。

リロードどうしてるんだろう定期

同じ役割のカード2種8枚があればデッキになるという格言がありますが、赤単は暗号破りと敵対者によって撹乱アグロというアグロかつミッドレンジである欲張りデッキとして完成したのです!

2ターン目に暗号破りと血に飢えた敵対者で迷ったら、だいたいは暗号破りを出すのが正解です。相手のブロッカーに対してタフネス不足で相打ちになる盤面でなければ、ゴブリンから置いていきましょう。

まずアグロカードとして、221果敢と222はどちらが強いか比べます。
果敢はなんども誘発させるほど強いので早く出して得する能力です、反面、敵対者は土地が4枚以下ならいつ出しても性能が変わりませんからゴブリンが与えるダメージの方が高くなるはずです。

容疑で裏返すのは終盤、ゲーム終了1ターン前が一番価値が高いです、引いた3枚とドローの1枚で焼いたり殴ってフィニッシュ!
自分のターンに裏返すのなら、アップキープが良いタイミングですのでアリーナなら止まるようにしておきましょう。

変装は手札が残っている序盤のうちはあまり意味がない能力ですが、終盤に強い変装、序盤に強い221果敢と、表と裏が欠点を補い合った性能をしています。

また、裏の状態では護法2が相手の行動を縛れるので、盤面を取り合ったり、PWを出している盤面では裏面の性能だけでも強く使えます。

ゴブリンを紹介したところで、以下はサイドプランの紹介です。

サイドプラン1:赤単ミッドレンジ

ミッドレンジデッキというものは生物と除去を駆使し、有利なライフレースで殴り勝つことやリソース交換の末に一方的に殴れる状況を作り出すことが基本的なゲームプランです。
エスパーやゴルガリでおなじみの、こちらにシェオルドレッド、相手には小粒の生物がいるだけといった盤面を作っていきたい、そのために生物と除去を駆使するのがミッドレンジという戦法なのです。

赤単もどかして殴る撹乱アグロから、よりゲームレンジを後ろ倒してミッドレンジ化する、どかしてどかして殴るくらいに減速したゲームプランです。

このプランではナヒリの戦争術とコスをサイドからあるだけ入れ、除去を相手に応じてアジャストします。白くなければ大きく変える必要はありません。

抜くカードはフェルドンや速槍など攻めて強く守りに向かないカード。
火力と魔女跡追いの激情を相手に応じて枚数を調整します。
赤い除去は焼ける範囲とマナのコスパが異なるので、相手が4枚入れているカードに2枚は残るようにしています。例えばコウモリや苔森が入っているゴルガリには火遊びを2残して、3点をグリッサに、22二体で侵入者を止め、5点除去をシェオルや324接死などに当てたいです。

エスパーやボロスなど基本土地が少ない相手には焼炉の懲罰者を入れてゴドリック・スクイーを2枚ずつ減らしますが、生物は同じマナ域のカードと交換していれば大怪我しません。
コスは4マナという浮いたカードですが、2マナのカードと入れ替えになります。もともと4ターン目に2+2や1+2という2アクションを想定して2ドロップを多めに取っているからです。

このプランではコスの定着や、暗号破りで除去を連打したり、敵対者で除去を使い回すことで盤面を除去と生物で制圧します。
生物が攻めに向いているため、隙あらばライフを詰めることも忘れずに行います。ミッドレンジに寄せたとはいえ、アグロが本領なのを忘れずに!

話が変わるのがコスが出ている時で、コスを守るためにチャンプブロックも小さい順に行っていき-3の連打や奥義を目指してアド勝ちを狙うプランも有力です。

奥義を狙うのは相手の生物を捌き切ってからでいいです。更地にできれば奥義じゃなくても残った生物で殴って勝てますし、勅令で処理されることもありますから無理はしない方が良いです。-3を2回行えば1枚分得しますし、1回でも-3を使っていれば勅令を撃たれても1:2交換という計算になります。

と、除去とPWを主役にしたプランがミッドレンジプランです。

今までコスの+2の山を探す効果は、自身の-3との噛み合いを除けば、嬉しい効果ではなかったのですが、暗号破りの加入により土地が伸びることの価値が高まりました。
山をデッキから1枚減らすという部分も、今までは確率的には誤差みたいな貢献でしたが、変装で3枚引くとなれば呪文を引く確率を上げる価値も3倍(雑な計算)になります!

アグロカードのおまけで付いてきたリソース補充能力によって、除去とPWを強く使えるようになり、ミッドレンジプランを本家ミッドレンジと遜色ないレベルで行えるようになったのです。

蒼紅杯でも緒戦から多くの後手マッチアップで使ってきたこのプランですが、コスと暗号破りの組み合わせによってボード優勢を築き勝利することが多かったです。シェオルに6点貰ったりもしましたが、中盤殴らせなかったことと懲罰者が威迫で通ったりして間に合いました。

生物除去を増やしてくるミッドレンジ相手の後手で有力なプランだと思います。

サイドプラン2:赤単アグロ

こちらはメインからの撹乱アグロ戦法の強化、除去を刺さるものに入れ替えてあとは生物を足したりします。

コントロールなど除去を抜きたい相手には、まずコスを除去と入れ替えます。
青いデッキは除去を減らす読みで種子鮫を入れてくることもあるので、4点除去兼ゲームを終わらせるカードであるコスが八面六臂の活躍をします。

今まで対コントロールとしてはウラブラスクの溶鉱炉が強かったのですが、白や緑にアーティファクトを割れるカードが増えてきたのでこの枠をコスや、ミッドレンジへの枠としてナヒリの戦争術にしてもいいかもしれないです。

と、除去をアジャストしたら「溶鉱炉・懲罰者・コス」これらの攻め手となるカードを相手によって入れる感じですね!
もともと強いアグロプランを除去・生物を相手に合わせた構築に変えるだけで、先手では強く戦っていけます。

以上ざっくりサイドプランでした、サイドボーディングはまずどちらのプランを取るかを選びましょう!
先攻か後攻か、相手のとってくるプランは何かで決めます。先手ならアグロ、後手ならミッドレンジという選び方で大怪我はしないと思います。

まとめ

今の赤単はやせたかなしいカードが抜け、ゴブリンの暗号破りの加入によって、アグロだけでなくライフレース・ボードの取り合いでも強く戦えるようになりました。

また環境に合わせて形を変えていくと思いますが、大会のために研究や構築に知恵を絞った時間は充実していて、実戦の中で多くの発見や気付きがあり、今回の蒼紅杯も最高の体験になりました。

いつも環境初期を存分に堪能させてくれる大会として、末永く続いて貰えると嬉しいです!

💧蒼紅杯最高!!🔥

おわりに

ということで赤単について、私の知見を余すことなくしたためてみましたがいかがでしたでしょうか?コメントやご意見・ご感想など頂けると嬉しいです🥰🥰

これを見て自分も大会に参加したい!赤単を握りたい!記事を書いてみたい!という方が増えてくれれば最高です💕💕
まだまだ環境初期で構築が固まっていませんが、この時期のデッキ構築は非常に楽しく、今の赤単は検討しがいのある良いデッキだと思います!

蒼紅杯は毎回ロゴがかっこよくなったり、動画スタッフを増員したり、賞金額も尋常でない額になったりと、日々爆発を繰り返していますが、また新しいことが始まりそうな予感……?

次の大会も楽しみですねっ、ではではまたどこかでお会いしましょう!
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