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料理男子はこう育つーー⑦ドラえもんに教えてもらった「おかゆ」

 ボクは小学2年生の料理が好きな男の子。
 昨年のサンタさんは、ボクがお願いしたものと違うものを持ってきたので、ちょっと怒っているんだ。ボクがお願いしたのは、ドラえもんの2巻から45巻まで。
 なのに、ボクが学校の図書館でドラえもんの科学ワールドとか、おもしろ攻略とかの漫画を借りてくるからか、サンタさんはそういうシリーズを送ってきたの。お父さんは、「サンタさんはきっと、こっちのほうがおもしろいと思って、そうしてくれたんじゃない?」って言うけど、ほんとかな?
 
 ボクは、おばけのアッチが好きだけど、ドラえもんも大好き。ボクの家にテレビが無いのは、前に「料理男子②」で話したよね。だから、ドラえもんも、アニメをじゃなくて、漫画で読んでいるよ。

 サンタさんから送られてきたドラえもんの中に、「ドラえもんの社会科攻略 世界の歴史 古代〜中世」っていう本があったんだ。最初のほうには、昔の人たちが食べていたどんぐり団子が出てきたから、よーちえんのときに泥団子をたーくさん作ったことを思い出しながら読んだよ。
 そして、この本の50ページに出てきたのが、古代米の雑炊の作り方。昔の人が食べていたかもしれないんだって! すぐに「ボクも食べてみたい!」って思った。

 ボクは、これまでのお話で、スパイシーハンバーグとか、クッキーとかが得意って紹介したけれど、そういうおしゃれな料理だけじゃなくて、いろんなものを作ってみたいと思っているんだ。

 ドラえもんを読んで、古代米の雑炊を作りたいなぁ〜と思ったのが、冬。それから時間がたって、5月に白馬村に行って、ボクはお母さんと一緒に山登りの大会に出た。その日はすごい雨になっちゃって、びしょ濡れになった。それで帰り道の、ぽかぽかランドっていうところの温泉に入った。
 ぽかぽかランドの売店で、ボクがずっと欲しいと思っていたものを見つけたんだ。それが、「二十一穀」。
 ドラえもんの古代米の雑炊の作り方には、〈用意するもの〉に黒米と雑穀と水が必要だって絵があったの。そして、雑穀っていうのは、説明のところに、「スーパーなどで、アワやヒエなどが入っている五穀や十六穀などが売られているよ」と書いてあった。ボクは、五穀や十六穀よりも多い、二十一穀を見つけたんだ!!  やったー!
 
 さっそく二十一穀の裏面を見て、中に入っているものをチェックしたよ。
1、丸麦
2、押麦
3、玄米(うるち米)
4、玄米(もち米)
5、もちきび
6、青大豆挽き割り
7、玄米(黒米)
8、玄米(赤米)
9、小豆挽き割り
10、玄米(緑米)
11、はだか麦
12、玄米(青肌米)
13、玄米(発芽米)
14、ひえ
15、たかきび
16、はと麦
17、もち麦
18、アマランサス
19、黒ごま
20、白ごま
21、金ごま

  「すご〜い、ほんとに21だ! こんなにたくさん入ってる!」。
 ボクはびっくりして、すぐにお父さんに「これ買ってー」ってお願いした。お父さんもお母さんも、おもちゃとかお菓子はあまり買ってくれないんだけど、本と食材だけは「こんなもの、よく見つけたねー! どこにあったの⁉︎」とか言って、だいたい買ってくれる。だから、ボクはスーパーでもおみやげ屋さんでも、食べ物をあれこれチェックするのが楽しくて大すき。
 
 二十一穀を手に入れたボクは、「一人で作るぞ!」と決めた。子どもが料理をするのって、お手伝いが多いかもしれないけれど、ボクは子どもがメインで作って、お母さんお父さんにお手伝いをしてもらうほうがいいと思う! 作りたいものを決めるところから、子どもにやらせてほしいんだ。そのほうがやる気満々になって、「おいしいね」って言ってもらえるようにがんばるし、お手伝いのときよりも、ずっとおいしくできると思うから!
 
 古代米の雑炊は、お父さんが夜にいない日の夕ご飯に作ることにした。夕方、ボクは一人でさっさとお風呂に入って、お母さんがお風呂に入っている間に、雑炊を作ってしまおう! と思った。
 ドラえもんの本に書いてあるように、お鍋に水とお米と、買ってもらった二十一穀を入れて、沸騰したら弱火にして、やわらかくなるまで煮込んだよ。ボクはガス台から離れずに、ずーっとお鍋の中を見ていた。うすーい紫色のおかゆができあがった。「塩で味をととのえる」と書いてあったので、ちょっとお塩を入れたよ。

 お母さんがお風呂から出てきて、「わぁ、おいしそうだね〜」って言ってくれた。そして、「何かおかずを作ろうと思ったけど、おかゆがおいしそうだから、もう食べよう!」って。
 だから、その日のご飯は、「古代米の雑炊」だけ。だけど、それはそれはとってもおいしかった。「しらすを入れてみてもいいかもね」とお母さんが言ったので、試してみた。↑上↑の写真だよ。これもオススメ!

 こないだは、「きびうめご飯」を作ったよ。学校の給食に出ておいしかったから、お母さんにも食べてもらおうと思って。
 前に買ってもらったきびと、お母さんが作った梅干しと、昆布を一緒に入れて、土鍋で炊いた。作り方は知らなかったけど、たぶんこんな感じかなと思って、やってみたら、おいしくできたよ。
 ボクのおうちは炊飯器がなくて、萬古焼(ばんこやき)っていうお鍋でご飯を炊くの。強火で炊いて、ブファーッて湯気が出てきたら弱火にして3分くらいでできあがり。ボクでも炊けるから、土曜日の朝ごはんとか夕ごはんは、ボクが精米からごはんの担当をすることも多いんだ。

 二十一穀も、きびも、ボクは好き。昔の人たちが食べていたものも、けっこうおいしいんだね。ドラえもん、しずかちゃん、教えてくれてありがとね! あと、サンタさんも。おもしろい本をありがとう。本当はもうあんまり怒ってないから、今年のクリスマスもよろしくね!


(参考文献)
ドラえもんの学習シリーズ「ドラえもんの社会科おもしろ攻略 日本を変えた世界の歴史 古代〜中世」小学館

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