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“表現する”を楽しむ人。SALOMEさんの「作り上げること」へのこだわりって?

女性ならではの感性を活かし、自分らしくさまざまな分野で活躍している「気になる人」にお会いして、そのユニークなライフスタイルや考え方などを探ります。記念すべき第一回のお相手は、uni'queが運営するオーダーメイドネイルアプリ「YourNail」のトップユーザー、SALOMEさんです。

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SALOMEさん:
都内中心にLIVE活動をしているアーティスト兼YourNailのトップユーザー。デザイン数・注文数共にトップを誇る、ユアネイラーのカリスマ的存在。Instagram    :@salome.95
Nail Twitter  :@salome_nail
Artist Twitter:@SALOME_ty_live

表現に生きるひと。SALOMEさんのライフスタイル

私は結婚していて主婦でもあるのですが、週に3〜4日はオフィスワーク、その合間の時間を使ってロックボーカルとして音楽活動をしたり、YourNailを使ってネイルのデザインをしています。今はちょうどライブを控えていることもあって音楽活動の方がメインになっているところですね。

家事はしないんです。家のことは旦那さんが全部やってくれていて私は自由にさせてもらっているので、おかげでネイルや音楽のための時間が確保できるというところもありますね。

複雑だった生い立ち、そして、音楽との出会い

育った家庭環境がちょっと難しくて、16才から親元を離れて一人暮らしをしていました。高校を中退していろんなアルバイトをしながら生活していたんですが、17才のときに今もお世話になっている音楽プロデューサーと知り合い、20歳ぐらいから本格的に音楽に取り組んでいます。

同世代の子たちとは境遇があまりに違ったので、悩んだときに相談できるような人ってあまりいなくて。思春期のつらいときの拠り所になっていたのが私にとっては音楽でした。人から「こうすればいいんじゃない?」とか「大丈夫だよ」って慰められるのに対しては反発があったけど、それよりもすっと自分の中に入ってきて心を救ってくれたのが好きなアーティストの音楽や歌詞の中の言葉だったんですね。

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だから、音楽によって心を救われたり元気になれる人がいるということを知っている自分が歌えたらいいなと思ったのが音楽を始めた理由です。もともと自分自身が歌うということが好きだったわけではないんですけど、音楽以外にも演劇や油絵などの表現活動をいろいろやってきた中で、私には音楽が残った。10年ぐらい続けてきて今ようやく自分で歌うことが楽しくなり始めたというところです。

「ルーツがないこと」が自分のルーツ。完成したものに執着しない生き方

家を出てから親とは縁が切れて常に帰る場所がない中で生きてきたんですけど、人から思われるほど暗い感じではなくて、私自身は結構自由に生きてきたという感覚です。根無し草というか、ルーツがないことがルーツ、ですね。

一人暮らしを始めてそんなにお金に余裕はなかったですけど、いつも部屋の契約更新はしませんでした。更新のタイミングで必ず新しい部屋を借り、今までの家具や持ち物もすべて捨てて、布団ひとつからはじめるっていう。場所に対する執着もなくて、ボヘミアンみたいな生活です。

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新しいところに行けば、また新しく家具を組み立てて新たに部屋を作り上げることができる。これはネイルも同じですが、一度作ったデザインは私の中ではもう終わりで、もっと違うものをどんどんやりたいと思うんです。色違いとかもリクエストがなければあまりやりません。作り上げることとか、表現すること、というのがこだわりであって、完成したものへの執着だったり、それを維持しようという気持ちはないんですね。

ファッションもメイクも、「見た目をすぐに変えるもの」が好き。

YourNailに登録したのは、本当にアプリが始まったばかりの頃だったと思います。でも、今のように使い始めたのは去年の10月頃からですね。始めたきっかけは、もともとネイルやカラコンみたいに「見た目をすぐに変えるもの」が好きだから。今日もウィッグをしているんですけど、ウィッグは30個とか40個ぐらい持っています。

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ネイルに関してはいろんなサロンに通ったりもしたんですけど、人にやってもらうとちょっと自分のイメージと違ってしまいますよね。それに私、ネイルサロンに行った帰りにもう新しいネイルを検索してしまう人なんです。あ、これかわいい!これもやりたい!みたいな感じで。でも、サロンでお金をかけてそれをすぐに変えることはできないから、いろいろ試したい欲求もぶつけられる場所としてYourNailに行き着きました。

YourNailはユーザーからすると「あまりにも説明書がないアプリ」ですよね。使い方とか仕上がりもよくわからない中で、さぁどうぞ!みたいな(笑)でもそういうのが、私としては逆に燃えるみたいなところがあったのかも。一回ハマると自分で調べたり考察したり、そういう探究心がすごくあって。色々試してみるのが楽しいんです。

「ネイルシールのデザイナー」にはなりたいけれど、「ネイリスト」にはなりたくない。

音楽でもそうなんですけど、アイデアを出したり、こういうものをやりたい!って言うのは好きだけど、そのために必要となるスキルを磨く時間が嫌いなんです。だから、歌詞は自分で作るけれど作曲はずっとプロデューサーさんに任せています。ネイルも好きだけれど、プロのネイリストになるためのプロセスとして道具を揃えたりあれこれ覚えて…っていうのはしたくなくて。誰かのために作ったりやってあげたりっていうのも向いていないですしね。やっているのは ”自分のため” なんです。

それに私、ミリ単位の違いがすごく気になったり、カラーコードによってちょこっと変わる色のニュアンスにもとてもこだわる人なんです。それはネイリストのようなフリーハンドの仕事ではできないことですよね。だから、「ネイリストになりたい」は自分の中にはないですけど「ネイルシールのデザイナーになりたい」だったら実は思っています。

ネイルは、自分のため。「何も考えず」楽しむもの

私にとってネイルをデザインする時間は、何も考えない時間なんです。通勤の合間にちょっと作ったりだとか、新しい曲をうまく歌いこなせなくてイライラしてしまった時のリフレッシュでもありますね。たくさん作ってはいるけれどそのために時間を捻出しようとはしていなくて、ちょっとした隙間時間に作っていたら結果的にこんな数になってた!という感じです。旦那さんにも「すごく健全に病んでる」って言われてます(笑)

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YourNailのユーザー会では、自分がわかっていることを資料にまとめてみなさんに配ったりもしますが、そうすると旦那さんからは怒られるんです。君が無償でやっていることは、お金を取るべきレベルのことだと。でも、私にはそれが労力だという感覚がまったくありません。自分の調べたことをアウトプットしたり、他のユーザーさんと会話したり、自分のデザインに対して「欲しい」と言ってもらってリクエストに応えたら喜んでもらえる、それ自体に目的があって、やっぱり全部、”自分のため” なんです。

ネイルをデザインする上でのこだわりは、自分がわからないものを否定しないこと。

こだわりは、自分は使わないデザインも作る、自分がわからないものを否定しないということですね。洋服もそうなんですけど、とにかくいろんなジャンルが好きで。「いろんなジャンルの人が好むものまでを調べる」というのが好き。その服が自分には似合わなくても、似合う人はどんな人なのかとか、どういう人が選んでるのかとか、画像検索したりTwitterでそういうファッションをしている子のつぶやきを探して見たりしてとことん調べるんです。

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ネイルだとベージュ系とかオフィス系とか、私自身は一切使わないんですけど、見てくれる人のニーズを想定して、使う人がいるという前提でデザインしてみるというのが楽しいんですね。こういうのどうですか?と狙って球を投げる感じ。だから、イメージしたタイプのユーザーさんがお気に入りしてくれたりリクエストしてくれたりすると、「きた!」って感じでうれしくなります。

YourNailは全国規模のサークルみたいな存在

今はユーザー会とかもやって他のユーザーさんと自然に交流もできるようになったんですが、もともとTwitterみたいなコミュニケーションは苦手なんです。話しかけられたらこちらも話かけなきゃいけないみたいな感じは苦手で。

だから、そういうのなしで、私自身じゃなく「私の作ったデザイン」を偏見なく見てもらえる場所ってすごく貴重。YourNailはそこも合っていたんですね。それに実際にやりとりしてみたら、ユーザーさんがみなさん大人で、優しいですよね。大人が楽しめる全国規模のネイルサークルみたいな感じで、ネイルを好きな人同士でデザインを見せ合ったり使ったりがアプリの中でできる。これって学生時代に女の子同士で「見て見て、コレかわいくない?」ってやっている延長という感じです。だから楽しくて、ずっと続けているのかもしれない。

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インタビュー時にSALOMEさんがつけていたネイルはこちら。ダークカラーのステンドグラスと花柄を組み合わせた大人っぽいデザインのネイル。

ネイルも歌も、私にとっては同じなんですね。承認欲求としての反応が欲しいというよりも、「反応が出てはじめてそれが完成する」というか。ライブだってその場に来てくれる人が一人もいなければ、それは家で一人で歌っているのと一緒です。見てくれる人、聴いてくれる人がいて、反応がもらえるから完成する。そういう貴重な場所が、私にとってはネイルと音楽なんです。

この先こうなっていたいという目標は決めない。

今後の目標は、考えたことがないです。本当に。だってそれは絶対に変わってしまうものだから。

3ヶ月前に思ってもいなかったようなことが今起きているし、一年前に来年はこうなるだろうと思っていた今って、全然違うんです。だから、ただ大事なものとか好きなものを続けられるように生きていたら、また一年後になっているんじゃないかな?その一年後に、自分の幼稚なところとかわがままなところも、もうちょっとうまく活かせてたらいいなとは思いますね。ネイルならアプリの中だけじゃなくて、もっとできるようになればいいなと思うし、歌ももうちょっとコンスタントに活動できたらいいなと思うし。あとで振り返って、去年の方が良かったなって思うことはないように生きたいです。

あとは…事故らない、死なない。それだけ!

8/17(土)にSALOMEさん主催のユーザー会を開催。詳細はこちらから

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文・撮影:Naoko Kikuchi 編集:YourMagazine 

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