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次の時代を創る~更年期についてのインタビュー#4 竹林紅さん

久しぶりに更年期に関するインタビューを掲載させていただきます。

今回は青森上十三保健所で所長をされている竹林紅先生。医師の顔を持つ一方で、紅先生はデジタルコンテンツの制作もされてます。

そのコンテンツとはノーベル経済学賞もとった「ナッジ」。パートナーで、TEDxでスピーカーもつとめられた竹林博士とともに「ナッジ」を広めるためプロデューサーとして日々奮闘されてます。

自覚した更年期の症状について

‐高本:更年期の症状はどのように自覚されましたか?

私は以前「うつ」を経験していました。更年期らしき症状も少し「うつ」に似た「イライラ」「脱力」「倦怠感」といった形で出てきました。
医師として医学の知識があったので、出てきた症状は「うつ」とは少し違うな、と。
その違いは「うつ」に感じる「こころの症状」よりも「倦怠感や脱力」といった身体的症状のほうが強く、「絶望感」といったような心理的症状は出ません。
実際、私が精神科の先生に相談しても「まぁ、更年期なんでしょうね」と言われました。
今特に感じる自覚症状は「ひどい乾燥」。夜のどが渇いて目が覚めることがあったり、化粧水では間に合わずワセリンを常に持参をして乾燥を防いでいます。

パートナーとの共有について

‐高本:パートナーには体調の共有などされてるのでしょうか?

うつを発症したときから自分自身の体のことはパートナーには伝えていました。その流れで今も不調については共有しています。
また、たまたまSNSで(高本と)つながっていることもあり、そこでパートナーが更年期の情報をみているからか、パートナー自身が更年期に対して理解を示してくれていますね。
また、私自身が(高本の)ツイッターをリツイートすることで男性でも一定数の方が更年期に対して理解を深めてくれることもあります。

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過去の経験から学んだ今

高本‐うつを経験されていたとのことですが…

私は大学入ったころからうつの症状が出ていました。国家試験を受ける前に集中することができなくなって。
ある時生きているのがつらくなり、薬をたくさん飲んだことがありました。その時は漠然と「もう死ぬんだろうな」と思いながらもその時に「死ななかっ」たことで「自分に対する問い」を求めるようになりました。
その時、価値観が180度変わったのです。

出会いが変えていった人生

‐高本:どういった変化があったのでしょうか?

パートナーと出会うまでは、目の前のことだけに追われていました。しかし行動経済学を学ぶパートナーは思考の枠組みや考えが全然違いましたね。
グロービス経営大学院に入学し、更に私の人生は変わっていきました。
人の話が聞けるようになったり「目の前の人から何を学ぶか?」をいつも考えます。

それまで、自分らしく生きることは「相手を認めない」、「自己主張をする」とばかり思っていましたが、「それは違う」と意識できるようになり、自分の人生で何を提供するかを模索するようになりました。
私は「人の価値観を見るのが好き」「価値観が合う人同士がつながるのが楽しい」ということに気づかされ、そこから今のような「ナッジ」のコンテンツを作るに至っています。
その結果、テクノロジーの勉強をするようになりました。
コンテンツを作るようになったのは澤円さんや佐々木紀彦さんの影響が大きかったです。

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更年期に関するアドバイス

‐高本:更年期に関してこちらを読まれている方にアドバイスがあればお願いします

更年期を考えた時、ナッジを知っていると女性側も勿論ですが、それを支える男性側もメリットがあります。
ナッジで一番重要なのは「EASY 簡単に」。
相手にメッセージを簡潔に伝え、ストレスを与えないように心がけます。
3つ言いたいことがあっても、一番言いたい1つに絞る、とか。

サービス提供される方々にも同じことが言えます。
男女双方に対して、難しい内容を分かりやすく伝えていく。

また、自分自身との上手な向き合い方ですね。
自分が苦しいと思っている感情に蓋をしない。
かといって、周りの人をコントロールしようとすると、自分自身をすり減らしてしまいます。

自分も相手もストレスなく、Win-winになれる自身の行動を探せるといいですね。

パートナーシップの秘訣を教えてください

‐高本:竹林夫妻はとても夫婦仲が良いように思うのですが、秘訣はなんでしょうか?

お互いをお互いに合わせるように強要しないというところが大切かなと思います。また、自分たちが「他人にどう見られたい」という意識をしないことですね。
全ての自分の選択に自信を持ち、責任を持てば自然とパートナーとの関係は良くなるのではないでしょうか?
地方にいると、「女性は男性に好かれなければ生きていけない」という感覚を持つ人がいます。
しかし、男性から好かれることを目標に決めていくと、いつも自分がオーディションを受けているようでつらくなると思います。また、そういった価値観はダメ男性製造機にもなりますよね(笑)。
どういう環境に育ったとしても、それを環境のせいにするのではなく、自分自身が「どんな人生を選択するか」で人生は変わっていくということに気づけば、地方にいる女性の人生もパートナーシップもきっと変わります。
地方にいる女性にも、チャンスが来た時に恐れず前を進む勇気を持ってほしい!

‐高本:ありがとうございました。

私自身、wakarimiのコンテンツには先生たちの「ナッジ」理論を生かしています。ナッジはもちろんヘルスリテラシーや知識といったことが土台にあって生きるものです。

ですから、更年期に関する知識の普及を進めつつ、配信する内容にナッジを盛り込みながら更年期で辛さを抱える女性が一人でも少なくなるようにしたいと思っています。

竹林紅先生 プロフィール

青森県十三保健所長/公衆衛生医師/医学博士/グロービスMBA

従来の健康教育中心のアプローチではなく、行動経済学「ナッジ理論」を使ったサービスを普及するため、公衆衛生❎ナッジコンテンツの制作に取り組んでいる。Youtubeチャンネル「たけばやし博士」Note Dr.紅

「今日よりも明日、10年後はもっと幸せに生きよう!」と思えるサービスを作ることが理念。





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