汎知とは

みなさんは汎知という言葉をご存知でしょうか?
汎知という概念は調べれば調べるほど奥深く、難解な概念でありますが、今回は端的に説明していきたいと思います。

まずはじめに、みなさんは何かを知りたい時、何を使ってそれを知ろうと思いますか?近くの図書館で本を借りる?インターネットでWikipediaを探る?他にも様々な方法があるかと思います。Wikipediaにしても、本にしても、我々が知りたい物事が蓄積されていますね。ざっくり言えば、汎知とは、「あらゆる知識を蒐集し、整理し、誰もが利用できるようにする」ことなのです。


ここで、収集とはひとまとめにすることですが、対して、蒐集とは保管を目的として集める事を指します。以上がざっくりとした解説ですが、まだ時間があるので、もう少しだけ深掘りします。
実は汎知のあり方はメディアパラダイムと深く関わっています。メディアパラダイムについては前回の記事をご参照下さい。
ここからはマクルーハンの銀河系を参照します。また、ここからは記録のことを外部記憶化と呼びます。
歴史を辿っていくと、声メディアの時代、つまり、文字を持たなかった人類はどうやって物事を外部記憶化していたのでしょうか?彼らは共同体の中で声を使った口承によって記憶化していったのです。神話、とはこの口承によって現代まで引き継がれたものとされています。つまりは、形あるものに記憶しない分、曖昧な部分が多いと言うことです。

次に文字メディアが来るかと思います。この時代から、百科事典や博物誌によって外部記憶化されてきました。しかし、蓄積すればするほど、整理が生じ、外部記憶する対象の分節化が進み、膨大になっていきます。ここまでくると、記憶術が必要になり、また人の手書きで収まらなくなっていきます

ここで活版印刷の登場により、活字メディアが花開きます。ここでようやく書籍や新聞のかたちで外部記憶化されます。そして現代の電気電子メディアではWikipediaのようなデータベースへ外部記憶化されます。以上のように時代ごとに知識の外部記憶先を汎知と捉えることができます。しかし、前回の動画でも話した「ネットワークメディア」ではビッグデータ、正しくはネットワークを通してNoSQLへ蓄えられる一連の流れの急速な発展によって今現在の汎知のあり方が変化している、とされています。それは必要な知識だけでなく、ゴミとされてきた情報までも蓄積され、汎知の自律化、自己組織化を起こしているとされているからです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?