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リレーションとルールの確立から見る、教室における心理的安全性の高め方。

 今回は前回に引き続き、教室における心理的安全性の高め方について考えていきたいと思います。特に教室内における具体的方法について考えていければと思っています。よろしくお願いいたします

①心理的安全性を高める要素

教室内における心理的安全性はどのように高めていけばよいでしょうか。教室内における2つの機能から考えてみたいと思います。1つ目は「教室内におけるルールや規律の確立」です。そして2つ目は「集団のリレーションの確立」です。この2つの機能が上手く作用していないことには教室内での心理的安全性が高まることはありません。この2つの作用は独立して考えるのではなく、相互作用的に相乗効果によって向上していくと考えることができます。どちらか1つの機能を重視するだけで良いというわけではないのです。要はそのバランスが大切なのです。この2つの機能の中にはそれぞれ心理的安全性を高める重要な要素が多く秘められています。

②集団のルールや規律の確立で高まる心理的安全性

この2つの機能には「どちらが先か」という論争がありますが、個人的には「ルールや規律」を重視して4月段階は取り組むべきかと考えています。マズローの5段階要求では、下位から2つ目の項目に安全要求が挙げられます。まず物理的な安全が保たれていなければ、子どもたちは安心を抱くとができません。どれだけ集団の仲が良くても、命を脅かされるような環境にいれば当然、協力は成り立たないでしょう。どうしても自分の身の安全を考えてしまうことは致し方ありません。では、みなさんの教室は物理的な安全が保たれている環境でしょうか。教室内の環境はどうでしょうか。また、心理的な安全面はどうでしょうか。人を傷つけるような言葉が飛び交ってはいないでしょうか。誰かが毎日のように傷ついて心を痛めてはいないでしょうか。教室内のルールが当然のように破られているようなことはないでしょうか。まずは、教室内におけるルールや規律が担保されているかを見直してほしいと思います。

③集団のリレーションの確立で高まる心理的安全性

さて、両翼を成して重要視されるのが集団のリレーションの確立です。これが広く言われる人間同士の関係による心理的安全性につながっていくものです。みなさんの学級集団はどのようなリレーションを保っているでしょうか。ここで紹介するのは河村茂雄先生が2012年に提唱した集団の発達段階です。

河村先生の提唱を参考に私自身が加筆した内容です。みなさんはその段階の学級集団でしょうか。この段階には子どもどうしのリレーションが大きく関係します。下にいけばいくほど、子どもたちの心理的安全性は高まっていると言えます。逆に言えば、どれだけルールや規律が確立されていても、第一段階でとどまっている集団に心理的安全性が存在しているとは言えません。心理的安全性の要は集団におけるリレーションの確立です。どれだけ安全な場所を提供できたとしても、それが子どもたちの心に安全をもたらすかといえばそうではありません。子どものリレーションを高めていくのです。

④具体的にどうするのか

 では具体的にどうするのかを考えていきます。私の結論は仲間づくりの取組を教育課程上に位置付けるということです。一部の先生がやっている学級遊び。レクリエーション・クラス会議・誉め言葉のシャワー・・・などなど、今の教育界には多くの仲間づくり・価値の認め合いを実施しています。しかし、それが一部の先生による独自性の強すぎるものになってしまっていることが問題であると考えます。仲間づくりの視点から全体計画の中に特別活動を中心に取り入れていく。そのような流れが必要ではないかと思います。特に私はSGE(構成的グループエンカウンター)の勉強をしています。次回の記事ではこの手法を用いて、その具体的策と心理的安全性の高め方について考えていきたいと思います。

④終わりに

さてどうでしょうか。少しは心理的安全性と集団という2つの関係性がご理解いただけたでしょうか。私は現在教職大学院にて心理的安全性について研究しています。さらに理解を深め、実りある提案をできるように頑張りたいと思います。次回は心理的安全性を高める仲間づくりの活動をご紹介します。

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