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私の愛する「日本映画」「日本のアニメ」「テレビドラマ」。

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私のスキな日本映画、日本のアニメ、日本のテレビドラマをご紹介いたします。かなりマニアックです。
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#日本映画

【映画】🕶高倉健主演版「ゴルゴ13」を鑑賞する。千葉真一版では出せない重厚感。

高倉といえば、無口で、ストイックで、実直というイメージが強く、 私生活でもそのイメージを壊さぬよう"真の映画スター"としての生き方を貫いた映画人で、 そんな高倉の存在感を堪能できる作品が映画「ゴルゴ13」(1973年)だろう。 「高倉といえば任侠もの」というご意見もあるだろうが、今回はあえてこの作品を推したい。 なぜなら、彼の輝かしい経歴の中でも貴重な芝居が観られる作品だからだ。 同作品は、言わずと知れたさいとうたかをによる同名漫画を初めて実写化したもので、「ゴルゴ13

発売から4か月

このところ島根県内も連日20度を超える初夏のような陽気が続き、桜(ソメイヨシノ)の見ごろもあっという間に通り過ぎました。この1か月間は、年度替わりで世の中全般に忙しい時期だったこともあり、本書【『砂の器』と木次線】に関してもそれほど動きはありませんでした。そんな中、昨日(4月14日)はYouTubeの配信番組「不忍ブックストリームⅡ」でお話する機会をいただきましたのでご報告します。 「不忍ブックストリームⅡ」とはこの配信は、東京の谷中、根津、千駄木(通称:谷根千)で「一箱古

【映画】私の父は石坂浩二を観るたび、「こんなもん金田一耕助やない!」と言ってた…70年ぶり発見、片岡千恵蔵の金田一耕助。映画フィルム修復へ。

私の亡父は、青春時代を映画ブーム全盛のなかで生きた。 まあ、映画しか娯楽のなかった時代だからねぇ。 中でも、片岡千恵蔵のファンで、「七つの顔」ではじまる多羅尾伴内シリーズなんか全部観たそうだ。 ◆◇◆ 1950年代の日本映画の黄金期に製作され、70年ぶりに発見された名探偵・金田一耕助が主人公の映画について、劣化したフィルムの修復費用を募るクラウドファンディングが3日から始まりました。 1954年に公開された横溝正史の小説が原作の映画「悪魔が来りて笛を吹く」は、フィルムの

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あの伝説の名シーンは…「『砂の器』と木次線」プロモーション動画もどき

映画『砂の器』のサウンドトラックから、タイトルバックの音楽(作曲:菅野光亮)に乗せて、本書のプロモーション動画もどきを作ってみました。 このメロディーを耳にするだけで、気分はすっかり『砂の器』です!

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【肉声スクープ!】あの原作者が映画『砂の器』を語る

映画『砂の器』(1974年)公開の9年後、舞台でありロケ地となった島根県の奥出雲で、原作者・松本清張が語った言葉とは?「砂の器記念碑」除幕式(1983年10月23日)にあわせて行われた講演会の録音が今も残っていました! 書籍「『砂の器』と木次線」286ページで紹介しています。 第4刷、好評発売中! https://amzn.asia/d/dBlPVaX

アナログ派の愉しみ/映画◎山中貞雄 監督『丹下左膳余話 百万両の壺』

ずぼらな剣豪が演じる 稀有なホームコメディが照らしだすのは 春風駘蕩の趣と言ったらいいのか。柔らかなぬくもりが全身を通りすぎていくような、こんな映画をわたしはほかに知らない。きっと、どんなにこわばった心も和ませてしまうだろう。 日本映画史において天才・秀才・鬼才を愛されてきた監督は数多いが、いまだにその死が惜しまれている監督となれば山中貞雄に止めを刺すに違いない。1909年(明治42年)京都生まれ、17歳でサイレント時代の映画界に飛び込み、トーキー時代へと移りゆく転換期に

アナログ派の愉しみ/映画◎小林正樹 監督『東京裁判』

大川周明が東條英機の 禿げ頭をひっぱたいたワケ 息つく間もない、とはこうした映画を指して言うのだろう。小林正樹監督のドキュメンタリー『東京裁判』(1983年)だ。わたしが今度鑑賞したのは3回目となるが、40年前に初めて観たときと変わらず、しばしば呼吸するのも忘れて咳き込んでしまった。満州事変から支那事変、太平洋戦争まで17年8カ月におよぶ日本の戦争行為が裁かれた東京裁判(極東国際軍事裁判)の全容を、当時の記録映像にもとづき再現したこの作品は、後世のわれわれにとってまさに国宝

内田先生からのお手紙

「『砂の器』と木次線」をお読みいただいた方からお手紙をいただきました。便箋6枚にわたってきれいな文字で丁寧にしたためられたお手紙です。送って下さったのは、長年『万葉集』などの研究をされてきた京都大学名誉教授の内田賢徳先生です。 内田先生は1974(昭和49)年に映画『砂の器』のロケが行われた島根県大東町(現・雲南市)の下久野地区のご出身で、なんとその年の夏は下久野の生家に滞在されていて、映画のロケもご覧になったとのことです。本書を読んで「懐しさという感傷を意味する表現では蔽い

【クロサワ】🐎今年のカンヌ映画祭で上映される、4K版「七人の侍」のポスターが斬新!

フランス・カンヌで今月14日から25日まで開催される、世界三大映画祭の一つで、今年で77回目となる「カンヌ国際映画祭」。 現地で掲出されている、日本の映画監督、黒澤明作品のポスターに注目した。 クラシック部門で上映された『七人の侍』(1954年)。 公開から70周年を記念して、TOHO Globalがフランスでの配給業者Joker Filmsとともにアプローチし、上映が実現。カンヌでの上映のために新たなポスターが制作された。 TOHO Globalが制作したポスターの

アナログ派の愉しみ/映画◎上西雄大 監督・主演『ひとくず』

子どもの虐待への 新たな視角がそこに 鉛を呑んだよう、と形容すればいいのだろうか。子どもの虐待を伝えるニュースに接するたび、胃袋のあたりが痺れたような感覚に襲われる。圧倒的に非力な存在に向かって暴力をふるうとは最も卑劣な犯罪ではないか。しかも、そこにある種の快感を味わっているらしいと想像するにつけ吐き気さえ催すのだ。したがって、これまで児童虐待をテーマにした映画も遠ざけてきたところ、レンタルショップで『ひとくず』(2020年)を借り出したのは、監督・主演の上西雄大には実際に

【日本映画】🎥“日本映画の新しい生態系をつくる”製作ファンド設立へ!是枝裕和、三池崇史らクリエイター陣も発表!

2023年8月に事業を開始したK2 Picturesは、東映の元プロデューサーで、『孤狼の血』シリーズ(18年、21年)、“村”シリーズ(『犬鳴村』(20年)、『樹海村』(21年)、『牛首村』(22年))、『初恋』(20年)、『シン・仮面ライダー』(23年)、『リボルバー・リリー』(23年)、『キリエのうた』(23年)などを手掛けた紀伊宗之が創業。 新たに立ち上げるファンドは、日本コンテンツに興味がありながら接点を持てなかった国内外の会社が参加しやすいよう、スポーツ・エンタ

アナログ派の愉しみ/映画◎宮崎 駿 監督『風の谷のナウシカ』

あしたはたくさん飛ばなきゃ―― 少女が政治を変革するとき 宮崎駿監督のアニメ映画『風の谷のナウシカ』(1984年)が目の前に新しい扉を開いたときの衝撃は、いまも鮮やかに記憶している。ごく簡単にストーリーに触れておこう。人類の文明社会を焼き払った最終戦争「火の7日間」から1000年後、世界は環境汚染がもたらした「腐海」の侵食に脅かされながら、なおも覇権をめぐって争いが絶えず、ふたつの列強国にはさまれた「風の谷」の族長の娘ナウシカは、ただひとり世界を救う秘密を解き明かそうとして

アナログ派の愉しみ/映画◎藤山直美 主演『顔』

マスクを外した 女性たちはそのとき 落ちない口紅「リップモンスター」が大ヒットしているそうだ。花王の化粧品ブランドKATE(ケイト)がコロナ禍の2021年春に発売した商品で、マスクに色移りしないことをアピールしたものだったが、あえて「欲望の色」や「地底探索」などの奇抜な色のネーミングをつけたことも評判となり、ようやくマスクから解き放たれたいま爆発的反響を呼んでいるとか。それは、女性たちがコロナ以前への回帰ではなく、まったく新しい生き方に立ち向かいつつあることを指し示している

【NETFLIX】🎬昨夜、佐藤純彌監督「新幹線大爆破」を鑑賞する。オモロイ!あっという間の2時間30分でした。🚄

政治のせいで、貧困に堕ちて、経営している零細企業を倒産させてしまう高倉健さん。妻からは離婚され、息子にも会えず。 「国家へ復讐してやる!」と、誰も死なせない現金強奪事件を企てる。 新幹線の頭脳を担う宇津井健の「大映テレビ臭」がプンプンする熱い演技。 それより、暑苦しい運転手の千葉真一。血圧は大丈夫か?! セリフがほとんどない志村喬。東映で遠慮しているのかしらん。 岩城滉一ひきいるロックバンド「クールス」が出ているのがご愛嬌。 未見の方は、ぜひ、一回観て下さい。日本