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お菓子の言い分

これを遠慮の塊というのだろうか
誰かのお土産のお菓子は
あまり美味しくなかった

もらって三週間たってやっと
個別包装で8個あったのが
1個になっていて

僕は最初の1個に
手を付けただけだった

最後の1個は
無造作にテーブルに置かれて
もう何日経つだろう

ふと目を向けると
呼んでいる気がする

最初に手を付けたのだから
責任をとってもらわないと困る

そんな理屈って
お菓子の世界にもあるのか

だって君はお弁当を食べる時
一番好きな玉子焼きは
一番最後に食べるじゃないか

あれはあれで
最高に幸せな気分になるから
この場合とは違うと思う

ところが最後のこの1個は
遠慮が凝縮されて
特別美味しくなってるんだ
知らんと思うけど

そこまで言われて食べないのは
末代までの恥と思った時には
袋から出してもうかじってた

うん
確かに最高に美味しい
最初の1個とは比べ物にならない

はははっ
実は最初も最後も途中も全部
同じ味だったんだよ
味を変えたのは君の思い込みだ
見かけ通りの単細胞・・・・

もう胃の中に落ちていた

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