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王朝文学好きを悩ませる、主語は誰?問題

先日、こんなニュースがありました。
愛子さま初の単独御公務で、国立公文書館の春の特別展「夢みる光源氏――公文書館で平安文学ナナメ読み!――」を視察、日本の古典文学を選考されているので鋭い質問に職員もタジタジ、という王朝文学ファンにとっては頼もしくも羨ましく、地団駄踏む思いで読みました笑
わたしだってマンツーマンの解説を受けながら鑑賞したい。

ところで、なのですが、平安時代の物語を読む時にややこしいのが、
「主語が省略されている」
「主語が抽象的で、誰のことなのかわからない」
という問題です。
当時の人なら考える必要もないことでも、現代人にはつまづきの種で理解が難しい。

主語が省略されている文章は、テキスト中で一番身分が高い人物に
「給う」
が使われている、と考えておけば迷子にはなりにくいと思います。
でも、一応主語はあるけれど、
「院」
「中将」
「上」
と書かれてしまうと、だから誰のことなんだ!と、頭を抱えたくなるのです。注釈と人物相関図をにらめっこして、必死になって意味を取らないといけないのが面倒くさい。

とはいえ、平安時代に限らず昔の風習では、貴人について言及する時は本人について直裁な言い方をするのはタブー、必ず官職か地名を使うのがマナーだから仕方ないですね。
NHK大河ドラマ「光る君へ」では、清少納言のお仕えするマダムは
「定子さま」
でも、当時は
「宮」
と呼称されていたはずで、御所から下がった時は里の地名で
「三条宮」
髪を落とした後は
「入道宮」
と申し上げることになります…その時の立場や周囲との関係で変わるのが呼称で、現代では否定されがちなのかな、と思います。
会社でも、役職ではなく
「◯○さん」
と名字で呼び合うほうが違和感がない人が多いかも。
昔は家に住み込みで働いている女中さんを、雇った順番で

松さん
竹さん
梅さん

と呼んだものですが、これは間違いなくNG。
皇室報道でいちばん違和感を感じるのが呼称で、まず
「上皇」
「上皇后」
は、王朝文学の読みに慣れていると、????となります笑
そこは
「院」
「皇太后」
では、と思ってしまいますし、
「天皇陛下」
は、なんだか過剰に感じるので、せめて
「陛下」
に留めてほしいです。個人的には
「主上」
が一番しっくりと感じます。

最近の報道では
「愛子さま」
と申し上げることが多いのですが、やっぱり敬称で
「敬宮さん」
がクラシックで響きもよいなあと思っています。
お小さいひいさんが、すっかり立派な宮さんにならしゃって、君をし見ればとばかり思われて、
「宮」
と申し上げるのはこのお方をおいて他にないと拝見する御有様、正真正銘の姫君なのにニュースで拝見するたびに、
「大きくなったなあ、大人だなあ」
と思うのが正直な気持ちです笑



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